最強のふたり
2012.11.18 Sunday
今春、取引先のドイツ人が来日した際、すっごくいい映画を見たから絶対見てね、と強くお薦めしていた映画がようやく地元でも公開されたので先月末に見て来ました。
東京近郊等では9月から公開が順次始まっていたようで。どこでそんな情報を拾ったのか公開開始直後に「まだ見てないのか?」と催促をされ、この手の映画は東京から順番に公開だから金沢で見られるのは来年初めくらいかなー、なんて答えていたのが意外と早く公開になりました。
件のドイツ人からしたら、それがすごーく不思議だったようで(そりゃそうだ。洋画全てが遅いならともかく、ハリウッドの超大作だと割とリアルタイムで同じものを見て感想言い合えるもんなあ)、映画ひとつとってみても改めてアメリカ偏重を実感しました(^^ゞ
既に全国各地で上映されているので、ご覧になった方もそれなりにいると思われますが、簡単にあらすじを。
不慮の事故で全身麻痺(まひ)になってしまった大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、新しい介護者を探していた。スラム出身の黒人青年ドリス(オマール・シー)は生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに面接にきた不届き者だったが、フィリップは彼を採用することに。すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第に友情をはぐくんでいき……。 車いすで生活している大富豪と介護者として雇われた黒人青年が垣根を越えて友情を結ぶ、実話を基にしたヒューマン・コメディー。年齢や環境、好みも異なる二人が、お互いを認め合い、変化していくプロセスを描いていく。 ヤフー映画より
簡単すぎだろ、と突っ込まれること必至な引用文ですが、でも本当に要約するとそれだけの映画なんだもん。
でも、すごく良かったです。各種メディアでされているような大絶賛とまではいかないけれど、見終わった後に素直にいい映画を見たなあと思える作品でした。
見る前は、ヒューマニズムに満ちた感動作なのかな、それだと映画館で見るのちょっとヤバイなぁくらいに思っていたのですが、ボロボロ泣くようなことはなく。ちょこちょこ笑えて、どちらかというと楽しかったです。
割とえ、これで終わり?という感じでラストになるのですが、それが逆によかったな。ハリウッドだとそれ、ここで泣け〜みたいになったり、やたら教訓めいたストーリーにしがちですが、そういうのが一切なく。
軽妙な台詞の応酬で進んでいくのが、とても心地よかったです。
実話を基にした作品だそうで。ラストでさらっとその後の二人について語られるのがやけにじーんときました。
お互い似通った境遇なら、そんなに構えることはないけれど、相手が社会的にものすごく地位があったり、大金持ちだったり、障害者だったりと色んなモノが付随してくるとどうしてもあれこれ身構えてしまうもの。でも、ドリスは最初からそんなものは一切無視、というよりこれまでそんな相手と接する機会すらなかったので、普段どおりの振る舞いをするしかなかった部分もきっとあったのでしょう。ごく自然にただの1人の人間として、ぐいぐい相手の中に飛び込んで行く姿が可笑しくも共感する部分もあり、最初は眉を顰めていた使用人仲間達も次第に彼に惹かれていく様子に、人と人が関わって行く上で大事なことは何か、ということを改めて考えさせられました。
ドリス役のオマール・シーの笑顔がとにかく素晴らしく、屈託なく笑う姿を見ているだけでこちらも楽しくなるような、素敵な笑顔でした。
二人の境遇や好みの違いが、色んなシーンで面白可笑しく描いてくれるのですが、クラシック音楽に対するドリスの評価というか感想には大笑いでした。次々フィリップが聴かせる名曲に、もう身も蓋もないことばかり言っていたドリスが、ビヴァルディの四季の春を聞いた途端、「これ、知ってるぜ。有名だ」と言うのでほーさすが、古典の名曲だと感心していたら、職業紹介所のCMに使われているからというオチには爆笑でした。
音楽といえば、クラシックの対極として度々流されるアース&ファイヤーもよかったな。ドリスが踊りだすのを見て、先ほどまで真面目な顔でフィリップに言われるまま、クラシックの名曲を次々と演奏していた奏者達がスィングし出すシーンは本当に楽しかった。
使用人のボス的存在のおばさん(役名忘れてしまいました^^ゞ)も良かったな。
綺麗事すぎる、こんな例はごく稀なことだ、等実際に介護に携わっている方からすると不快に思う表現もあるかもしれないけれど、そんな小難しいことは抜きにして、それぞれの役者さんの演技や音楽を楽しむだけでも、見て損はない1本です。
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Comments
こんにちは!
先日はありがとうございました!紫苑さんのおかげでとても助かりました(^^)。
「最強のふたり」見に行かれたんですね〜!
私も仕事柄かなり惹かれてたのですが、近くの映画館では上映されず、行こう行こうと思ってる間に終わってしまいました(TT)。でも、こちらを読んだら、やっぱり行っとけばよかったっ、と後悔しきりです。DVDになったら絶対借りに行きます!
この仕事しててつくづく思うのは、やっぱり笑顔って何より大切だな、ということです。障害者の方も、高齢者の方も、笑って過ごせる毎日なら、それが一番ですね(^^)
Comments
すごいおもしろそうー 興味がある内容だわ
でも高知は映画館が(普通のやつ)2カ所…
TOHOでやってくれるかしら?
Comments
>さくらさん
先日は遠いところお疲れ様でした。少しでもお役に立てたのであれば幸いです。
この映画、評判になってる割にはあまり宣伝とかしてないですよね。私もいつやるんだろう?と思っていたのに気づいたらやっててびっくりでした。
色んな難しい政策も大事だけれど、ホント皆が笑ってくらせるのが一番ですよね。映画、是非ご覧になってくださいね。
>ひろりん
面白かったよー。公式サイトで調べてみたら高知はTOHOで10月16日から公開中だけど明日までなのよ。もう間に合わないよね(^^ゞ多分、私よりひろりんの方がより共感したり、突っ込んだりと楽しめると思うのでいつか機会があったら見てみてね。
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