アルド・チッコリーニ チャリティー・コンサート
2011.11.02 Wednesday
今夜は仕事帰りに音楽堂にて行われたアルド・チッコリーニ&オーケストラ・アンサンブル金沢のチャリティー・コンサートに行ってきました。
今回のコンサートは、音楽堂のホームページで秋から冬にかけて面白そうな公演がないかな?と探していた時に見つけ、ソリストにはとんと疎いのでチッコリーニの名前よりは、曲目のモーツァルトのピアノソナタ「トルコ行進曲付」に惹かれ、ついでにチッコリーニについて調べてみたところ、あまりにもあちこちで絶賛されていたので、そんなすごい人が地元に来るのならこれは行ってみよう、というわけでチケットを購入しました。
結果から言えば、もう心の底から行ってよかった〜〜と思いました。ここ数年に行ったクラシックのコンサートの中で一番感激したかも。
開演前に開いた本日のプログラムに載っていたアルド・チッコリーニの略歴を見てびっくり。1925年ナポリ生まれとあります。1925年!?世界恐慌よりまだ前、1925年と言ったら日本だと治安維持法の制定、普通選挙法が施行された年です。こう書くとなんかやたら不穏な時代だなーと痛感します。軽く80歳を超えたまさに激動の時代を生き抜いた人が一体どんな演奏をするのだろう?とわくわくして待つことしばし。
5分前のベルが鳴ってからけっこうな時間があり、仕事疲れでいい感じにひと眠りできました。
今日の演目はオール・モーツァルト。
指揮 トーマス・カルブ、 ピアノ アルド・チッコリーニ
1部がOEKとの共演で
歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲K.527
ピアノ協奏曲第20番 D-mor K.466
今回、いつにも増して小編成でしたが、実によかったです。
ラッパ隊も今日は終始◎安心して聞くことが出来ました。
指揮者のトーマス・カルブ氏は初めて見ましたが、鳥の巣みたいな髪形に見事な金髪がふさふさと揺れるのが見ていて楽しかったです。
もちろん紡ぎだす音楽も見事でした。
ピアノ協奏曲でいよいよチッコリーニ氏が登場。トーマスさんに手を引かれて登場した姿は、失礼ながら80代後半の年齢にふさわしく、よぼよぼという形容詞がまさにピタリと来る足取りで。思わず「だ、大丈夫?」と思ってしまいました(^^ゞ
しかーし、ひとたびピアノの前に座り、前奏が終わり1音目を奏で始めた瞬間から、正直虜になりました。
音が丸くて粒が本当に綺麗に揃っていて、聞いていて実に気持ちがいい。あーピアノってこういう風に弾くんだな、というのをまざまざと見せつけられた感じです。元々大好きな曲ですが、ホント至福のひとときでした。
弱音の部分でも、決してオケに埋もれることなく、ありえないくらい軽やかに旋律を奏でる姿に、この歳でこんな素晴らしい演奏を聴かせることができるんだ、人間て本当に凄い!素晴らしい!と思いました。
感動ポイント、そこかいって感じですが、でも、何故だか聞いていて自然とそう思ってしまったくらい、素敵な演奏でした。
曲が終わった瞬間から拍手が凄かった!決して満員ではなかったけれど、この場にいた人みんなが素晴らしい演奏をありがとう、って喜んでいるのが伝わる拍手でした。
休憩を挟んでの2部は当初の予定と演目の順番を入れ替え
ピアノ・ソナタ第13番 B-dur K.333
モーツァルトのピアノソナタはものすごくたくさんあるので、調とケッヘル番号だけだとイマイチどれかわからないのですが。
最初の音が鳴った瞬間、あーこれかと嬉しくなりました。
1部でも思いましたが、もうなんて柔らかで美しいタッチなんだろう、と。聴いている間中、顔が綻んでしょうがなかったです。すっと力を抜くところは、何て言うんだろう?たんぽぽの綿毛で頬をそーっと撫でられたような感じ。本当に素晴らしい演奏を聴くと疲れがすーっと取れる、と言いますが今夜の演奏がまさにそれでした。音楽堂に入った時はあんなに疲れていたのに聴いているうちにどんどん元気になりました。
ピアノソナタ・第11番 A-dur K.311「トルコ行進曲付」
本日のメインイベント。2部の開始前に曲順を変更します、とアナウンスがあった時に「あー絶対そっちの方が盛り上がるからいい」と思ったとおり、この順番で大正解でした。
子供の頃にある程度までピアノをやっていた人なら、ほぼ100%に近い割合で練習したことがある、ピアノを弾かない人でも殆どの人が耳にしたことがある超有名曲。
のだめで吹き替え演奏したランランが弾いたコレも凄かったですが、チッコリーニのはまさに王道な演奏というか、これぞモーツァルトという演奏でした。変奏曲の部分は、1曲ごとにびっくりするくらい見事にそれぞれ色が違った演奏で、最後のトルコ行進曲付はややテンポは遅めでしたが、あんなに心地いい演奏を生で聴いたのは初めてです。
本当に幸せなひとときでした。モーツァルトの魅力をあますことなく堪能しました。
もう1曲目のソナタを聴いている途中から、猛烈にピアノが弾きたくなって仕方がなかったです。
先日のブーニンや他の素晴らしいピアニストの演奏もそれはそれは素敵だけれど、何て言うか別次元な感じで、ピアノを弾きたい!と思わせるよりも、はぁぁいいものを聴かせてもらいました、という感覚の方が強いのですが。
チッコリーニの演奏は、ピアノってこんなに楽しいもんなんだよ、ということを演奏を通して観客に語りかけている感じで、元々ピアノは大好きですが、あーピアノっていいなぁと改めて再認識してしまいました。
年齢を考えるとアンコールをお願いするのが申し訳ない気がしてしまうけれど、もっと聴きたい!という誘惑には勝てず。会場中で送った大拍手に応えてのアンコール。
シューベルト クッペルヴィーザーワルツ
もう、夢の世界へご招待って感じでとにかく素敵過ぎてうっとり聴き惚れてしまいました。
まさか2曲目はないよね?というのをいい意味で裏切って意外とすぐに出てきてくれたアンコールその2
ドビュッシー 前奏曲集第1巻より 「ミンストレル」
帰りに出ていたホワイトボードでは「吟遊詩人」となってましたが、ミンストレルが正解です。(どっちも同じ曲なんだけどね)
個人的にこの曲は思い入れというか、思い出が詰まった1曲なので、出だしの音が鳴った瞬間、うわっ(>_<)と鳥肌が立つくらい嬉しかったです。
とぼけた感じがもう実に見事に表現されていて、先ほどのモーツァルトとは全然違った世界にすっかり惹き込まれてしまいました。
この頃から場内のあちこちでスタオベする人の姿が見られました。
そして、客電がついたのでさすがにもう終わりかな?出てきてほしいというよりは、ありがとうーという思いを込めて拍手をしていたら、、まさかのトリプルアンコール。
腕時計を指さし、もう遅いからあと1曲だけね、という感じで指を1本立てて再びピアノの前に座り。
グラナトス スペイン舞曲「アンダルーサ」
個人的にこれが今夜最高の演奏でした。最後にまだこんな力が残っていて、しかもこれほど情熱的な演奏を聴かせてくれるとは!?でした。
ほんっっっとに素晴らしかったです。聴いていて踊りだしたくなるくらい魅力的な演奏でした。
最後は1階席の殆どがスタオベ。都会では珍しくないのかもしれませんが、金沢でこんなの初めて見ました。2階席の1列目だったので、立ちあがるのはずっと遠慮していたのですが、さすがに最後はありがとーの気持ちを込めてスタオベ。素晴らし過ぎる演奏を本当にありがとう!!
今回が最後の来日。震災復興の思いを込めて東京での公演のみだったのが、夏にフランスでのOEKとの共演がご縁で金沢にもボランティアで(!)来てくれることになったそうで。偶然にもそんな日本でのラスト公演に立ち会えたことを心から幸せに思います。
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