ブルーノ・レオナルド・ゲルバー ピアノリサイタル2008
2008.06.03 Tuesday
昨夜は会社帰りにブルーノ・レオナルド・ゲルバーのピアノリサイタルを聴きに音楽堂に行ってきました。
GW中のラ・フォルジュルネでロシアの若手ソリストによる『ハンマークラーヴィア』の演奏会があり、なかなか普段のコンサートでは聴けない曲目なので行きたいなーと思いつつ、マニアックな演目だから音楽祭が始まってからチケットを買えば大丈夫だろうと思っていたはずが。オープニング・ガラの時点で売り切れ。がっかりしたところに目に入ったのがこの日のコンサートの予告。
ベートーヴェンの有名ピアノソナタばかりの演奏会も珍しいし、同じベートヴェンつながりでこっちでもいいか、と軽い気持ちで購入しました。
後で調べてみたところ、ゲルバー氏はベートヴェンの弾き手としては第一人者的な方で世界各地で絶賛されているピアニストでした
今回は日本ツアーで全国各地で公演が行われているようでプログラムはAとBの2パターンがあり、金沢はBパターン。
1部が『月光』『ワルトシュタイン』休憩を挟んで2部が『悲愴』『熱情』
ちなみにAパターンは月光の代わりにテンペストになってました。
テンペストもいいなーと思いましたが、実際の演奏を聴いた後ではBパターンでよかった気がします。
これだけ並ぶと聴くほうはもちろん、弾き手の体力を心配してしまいそうなラインナップです。
名前から勝手にゲルバーさんはドイツ人だと思っていましたが、プログラムを見るとアルゼンチン出身でした。写真の風貌も実物もとってもアルゼンティーナの香りが漂う方でした。
ゲルバー氏の演奏は、テクニックや曲想の付け方も色々凄かったですが何と言ってもびっくりしたのは左手の音量でした。あんなに左手がよく聴こえる演奏は初めて聴きました。あまりに左手の音量が大きすぎて、時々右手が奏でる主旋律が消されてしまいそうになるほどでした。
どの曲も全体的にテンポはゆっくりめ。特に月光の第1楽章はかなりどっしりした感じで、かといって重すぎず。
この曲に限らず弱音の美しさは圧巻でした。バーンと弾いた時の迫力も流石でしたが弱音の繊細さが微妙に曲ごとに違っていて、それぞれ情景が目に浮かぶようでした。
『ワルトシュタイン』もゆったりしてしましたが、3楽章の倍速になる部分は逆に驚異的な速さで凄まじかったです。
4曲のうちでは『悲愴』の2、3楽章がいちばんよかったかな。
2楽章は本当に美しく、落とした照明と相俟って心がほっとするようなひとときに思わず浸ってしまいました。改めてこの曲のよさを再認識しました。
ただ、子供時代に患った病気の影響(?)で足が悪いせいか、ペダルを殆ど踏みっぱなしのため、音数が少ない時はいいのですが、月光や熱情の3楽章のような曲では前の音が残ってしまい、どうしても音がだんご状態に濁って聴こえるのがもったいなかったです。
スタオベしている人もちらほらいたので、概ね期待通りの演奏会だったのだと思いますが個人的には、、素晴らしい演奏だけど好みじゃなかったなぁ(大汗)。
上に書いたペダリングのおかげで音が濁ってしまうのがどうしても馴染めず、この曲のこのフレーズ、おかずが生音で聴きたいのにぃぃという欲求不満が残ってしまいました。
ところどころ散見したミスタッチは、彼が紡ぎだす世界の前ではまったく気にならなかったのですが。音の響きだけはやっぱり合わなかったです。
「熱情」のラスト、クライマックスでの行進曲風なメロディーは左手とペダルの濁音に消されて殆ど聴こえなかったですもん。
ショパンやドビュッシーはペダルたっぷりの方がいいけれど、ベートーヴェンくらいまでの時代の曲はペダルは必要最小限で抑えてくれた方が好きです。あれだけの超絶テクニックがあれば、ペダルが殆どなくても滑らかな演奏になると思うんだけどなぁ。。
と、愚痴で終わるのはアレなので。今回のリサイタル。照明が普段の演奏会と違い全体的に落としてあり、天井の客電がオブジェのように見えるのが雰囲気バッチリでお洒落でした(^-^)。
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