OEK&辻井伸行
2014.09.11 Thursday
昨夜は久しぶりにOEKの定期演奏会に行ってきました。
オーケストラアンサンブル金沢は今年で創立25周年。発足した頃はまだ学生だったことを思うと、いつの間にかそんなにも経ったのかとびっくりです。
9月から新しい1年がスタートということで、昨夜はその1回目の公演。パスカル・ロフェと辻井伸行を招いての公演でした。
この日の演目は
1部
フォーレ 組曲「ペレアスとメリザンド」
ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調
2部
ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ
ビゼー 交響曲ハ長調
指揮:パスカル・ロフェ オーケストラアンサンブル金沢
元々はマルク・ミンコフスキの指揮でしたが、病気でドクターストップがかかり来日不可となってしまい、急遽パスカル・ロフェが代役を務めましたが、この指揮がとっても良かったです。
すべてフランスづくしなプログラム。OEKでフランスものはどうなのかな? と開演前は思いましたが、小編成に絞り、一部エキストラを招いての演奏は全体的に明るく優雅でこんな演奏も出来るんだ、と新たな発見でした。
フォーレの組曲で、有名なシシリアンヌでのフルートのソロ部分で太い豊かな音と光輝くフルートとおでこに、あれ? もしかして工藤重典?と思ってよく見たら、本当にそうでした。以前にOEKとの共演でフルート協奏曲を聴いた時も凄いっと思いましたが、あの豊かな響きは生で聴くと本当に気持ちがいい!
フルート1本でこんなにサウンドが違うのか、と思ったくらいどの曲でもしっかりと存在感を示しつつ、オーボエや木管楽器とのアンサンブルでもしっとり聴かせてくれました。
休憩中にプログラムをよく見ると、今期から特任首席奏者となっており、昨夜のような特別プログラムの場合には、これからもちょこちょこ彼のフルートを聴く機会に恵まれそうで嬉しい限りです。
さて、今回の目玉は何と言っても辻井伸行。チケットも早々に完売したようで、客席もほぼ満員でした。
彼のピアノは以前、CDで聴いたのみ。その時は、特に大きな感動を受けるといったことはなく、単に上手いなーという印象だったため、生で聴くとどんな感じなんだろう? と思っていたのですが。
百聞は一見に如かずというか、生で聴いた方が断然よく素晴らしかったです。
音が本当に柔らかくて丸く。優しい音色がラヴェルにぴったり。何て素敵な演奏をするんだろう、とうっとり聴き入ってしまいました。
とても繊細なのに弱音でも決して小さ過ぎることはなく、力強さもあるけれど、激しく叩くといった感じではなく。あれだけの難曲でメロディーはしっかり聴かせてくれて、ごちゃごちゃした感じがまるでなく。
日本人離れしたというか、弱音が本当に綺麗で心で弾くってこういうことを言うのかな? と思ってしまいました。
コールアングレ、オーボエのソロも見事で2楽章が特に圧巻でした。
アンコールはラヴェルの「水の戯れ」と「ソナチネより3楽章」の2曲。
これもどちらも優雅な激しさで素敵でした。贅沢を言えば、全てラヴェルではなく、1曲はドビュッシーでも聴いてみたかったな。
亡き王女のためのパヴァーヌは大好きな1曲。木管と弦のアンサンブルが美しく。しっとり聴かせてくれました。ホルン、かなり奮闘していましたが、冒頭の見せ場はもう少しだけ頑張ってほしかったな。
ビゼーの交響曲は、初めて聴きましたが、明るく親しみやすい旋律で楽しかったです。1、2楽章でのオーボエのソロが素敵でした。
今回Wリードやクラリネット等木管がメインとなるプログラムが多く、どれも聴きごたえがありました。
アンコールは、再びフォーレの「ペレアスとメリザンド」からシシリアンヌを。
工藤劇場再びでした。個人的には、アンコールでの演奏の方が更に良かったです。
フランスづくしなとても素敵な一夜をありがとう!
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