舞鶴引揚記念館
2014.06.13 Friday
昨日は舞鶴引揚記念館へ行ってきました。
数年前にシベリア抑留体験者である詩人・石原吉郎についての書物を読み、初めてシベリア抑留というものがあり、どんなものであったかを大まかながら知りました。同じくシベリア体験者の画家・香月泰男の美術館が山口県にあることを知り、行ってみたいと思ったものの、何しろ山口はあまりにも遠く、実現しないまま月日が流れ。
療養中に大量に読んだ、内田康夫の浅見光彦シリーズに舞鶴引揚記念館が出て来る話があり、その時に初めて昔、引揚者がたくさん舞鶴港から帰国したこと、記念館の存在を知り、舞鶴ならそんなに遠くないから行ってみたいなと思っていたのです。
実は、何故か舞鶴は福井県の端にあると思っていて、行こうと思い立ち、記念館のホームページ等を調べた時に京都府にあることを知りました(^^ゞ
舞鶴へは北陸道を経由し、今は舞鶴若狭自動車道が小浜から開通しているため、金沢からだと車で4時間弱で行けます。
高速道路を降りて国道27号線に出ると、すぐに舞鶴引揚記念館や赤レンガ博物館の案内標識が要所要所に出ているため、とてもわかりやすかったです。
記念館は舞鶴湾を望む高台にあり、すぐ近くには自衛隊の舞鶴駐屯地や原発に関連した施設があったりして、記念館自体は静かな佇まいですが、あまり慣れない小心者にはそこへ至る経路はちょっぴりものものしく感じました。
入口の前に1985年に建てられた終戦40周年を記念して作られた大きな”平和の誓い”の文言を刻んだ石碑があり、これを作ってから更に30年経ち、平和の誓いが蔑ろにされそうな世の中になるなんて、建てた当時は思いもよらなかったんだろうなーと思ってしまいました。
記念館の入館料はなんと300円。入場券、小さなパンフレットと一緒に併設のカフェで使える50円の割引券も一緒についてきます。
館内は貴重なシベリアから持ち帰った当時の生活用品や衣服、手紙や日記などの展示品が分類されて展示されているほか、シベリア抑留と日本国内、世界の主なできごとを併記した大きなパネルの年表があり、時系列がわかりやすくて私のような当時をまったく知らないモノにはとてもありがたかったです。
シベリアからの引揚自体は終戦の翌年1946年12月から開始されたのですが、最後の引揚者が帰国したのは終戦から13年も経った1958年だということを知り、愕然としてしまいました。
昭和に直すと昭和33年、東京オリンピックが昭和39年ですから、敗戦からの復興がどんどん進み、東京タワーが完成し、チキンラーメンが発売になったのと同じ時に、ようやく強制労働から解放された人々がいたのかと思うといたたまれないです。
ラーゲリと呼ばれた収容所で出された1日の食事を再現したものにも、たったこれだけと思いましたが、食事については書物にも文字でこれだけと記されていたので予備知識がありましたが。収容所で使われていた食事のスプーンを、くず鉄などを溶かして白樺の木に彫った鋳型に流し込んで作った、というのにびっくりしてしまいました。どんな状況でも工夫して道具をこしらえる人間の逞しさにはただただ感心するばかりです。
ラーゲリが点在した位置を示す地図、引揚船の模型、抑留者を帰国させるために尽力した方々についての展示などとても見ごたえがあり、どれも初めて知ることばかりで色々考えさせられます。
三波春夫さんがシベリア体験者であったことも初めて知りました。私の世代だと「お客様は神様です」の人というイメージしかないのですが、あの有名な台詞と幼い頃にテレビで見たあの明るい笑顔の裏には、きっと想像もつかないような色んな思いがつまっているんだろうな、と思ってしまいました。
別の部屋には、ころ島=中国南西部にある都市 からの引き揚げの様子が写真と文章で紹介されていて、当時の様子をほんの僅かですが窺い知ることができます。その中にあった、引き揚げ者の言葉『戦争とは、特権階級者が私欲のために引き起こされ、その戦争の犠牲になるのは弱い者である。二度と戦争はしたくない』という文(要約)がとても印象に残りました。
行ってみたいと思っていたクセに、元来怖がりのため、昔、原爆資料館に行った時に怖くて怖くてたまらなく、出て来た時には食欲もすっかりなくなり。今回もそうなったらどうしよう、と少々おっかなびっくりでしたが、そんなことはなく。
改めて毎日あたたかいご飯が食べられて、暖かい布団でゆっくり手足を伸ばして眠れることがどんなに幸せなことなのか、をしみじみ噛みしめています。
実際に引き揚げを体験された人がどんどんいなくなり、シベリア抑留や戦争がもたらした悲劇が実感としてわからない人が殆どになってしまった現在。
決して風化させてはいけない記憶があることを後世に伝えるためにも、この先もずっと展示を続けていってほしいなと思います。
P.S.
併設のカフェでは海軍カレー(辛口)引揚カレー(甘口)があり、人気メニューだそうですが、抗がん剤の副作用のせいでカレー等の刺激物がちょーっと苦手になっているため、代わりにチャーハン(550円)を食べました。キャベツがたくさん入っていて手作りでしかもボリューム満点(運ばれて来たのを見て、残そうか真剣に迷いました 笑)で美味でした。
薬が抜けてきた!
2014.06.13 Friday
梅雨入りしてからというもの、そんなに雨も降らず空梅雨ぎみだったのが、昨日から本格的にざぁざぁと降り始め、それに伴い気温がぐっと下がり。
今日は梅雨冷えの寒さというほどではないけれど、半袖ではちょっと肌寒く感じられます。
療養生活に入ってから、ずっと手足のしびれ対策と単なる趣味の延長で、体調が悪かったり病院などの用事で1日つぶれてしまった日以外は、ほぼ毎日ピアノを弾いて遊ぶという名の練習を繰り返してきました。
以前にせっかく弾いていても、途中で意識が飛んだり思うように指が動かなかったりしてイライラする、ということを書きましたが。
今週に入り、突然変化が生じてきました。
退院する時に先生に「体力は薬をやめたらすぐに戻りますよ」と言われたとおり、日1日と元気になってくるのを嬉しく実感していたのに加えて、水曜くらいからピアノを弾いていて、あれ? すんごい調子がいいよ、と思うことが出て来たのです。
これまでは、前の日に苦手なところを集中して練習しても、翌日になると一体何のために練習したんだか、というようなことになっていたのに、ここ数日はちゃんと練習したところが翌日になったら成果が現れる、子供の頃に練習していたような事態になってきたではないですか。
ひとつの楽章を通しで弾くと、途中で必ずわけがわからなくなることもなくなり。下手なのはおいといて(苦笑)、楽章通してちゃんと弾けたのには自分でもびっくり!!
うわーい、遂に薬が抜けた効果が出て来たんだーと喜びを噛みしめてしまいました。
まだ足の裏側全体のしびれは残ってるけれど、それもいつか消えてくれるでしょう。手がちゃんと動くようになったのが何より嬉しい〜〜。
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