ぞけさの逆襲
2014.03.07 Friday
テレ朝の情報番組、グッドモーニングでは、金曜日に林修先生による”金曜言葉塾”というコーナーがあり。
いつもはコーナーが始まる頃に丁度出勤時間が来てしまうため、ほぼ見られなかったのですが。休職中はのんびり見られるようになり、林先生の講義は面白いので見られる時に楽しく見ているのがすっかり習慣になってます。
今日取り上げられたのは「蛍の光」。
日本人なら大抵の人が知っている、この蛍の光に関する言葉のあれこれでした。
その中で、歌詞の区切りを間違えたために、とんでもない方向で解釈してしまった例として挙げていたのが、林先生が敬愛する蓮實重彦という偉い学者の幼年期のエピソードに大笑いしてしまいました。
「明けてぞけさは/別れ行く」という『蛍の光』の最後の一行に含まれる強意の助詞「ぞ」の用法を理解しえなかった少年は、なぜか佐渡のような島の顔をした「ゾケサ」という植物めいた動物が、何頭も何頭も、朝日に向かってぞろぞろと二手に別れて遠ざかってゆく光景を、卒業式の妙に湿った雰囲気の中で想像せずにはいられないのだ。ゾケサたちは、たぶん彼ら自身も知らない深い理由に衝き動かされて、黙々と親しい仲間を捨てて別の世界へと旅立ってゆくのだろう。生きてゆくということは、ことによると、こうした理不尽な別れを寡黙に耐えることなのだろうか、可哀そうなゾケサたちよ。蓮實重彦「反=日本語論」ちくま文庫(筑摩書房)
テレビでは、わざわざこの”ゾケサ”なる鹿もどきのような不思議な動物をイラスト化してあり、余計笑いを誘ったのですが。しかし、蛍の光の歌詞をバーンと表示され、私は蓮實氏のことをまったく笑えないことに気づきました。
蛍の光窓の雪
文読む月日重ねつつ
いつしか年も過ぎの戸を
開けてぞ今朝は別れゆく
というのが、1番の歌詞ですが。
この中で2行目の 文読む月日 のくだり。
歌詞を見て思わず、えーーー、そういうそういう文章だったの!?と叫んでしまいました(^^ゞ
子供の頃、数回歌ったきりですが、ずーーーっと 文よ、六月(むつき)ひ だと何故か思い込んでました(大汗)。
って文よ、六月って何だよ、と我ながら思いますが。しかも最後の”ひ”って余ってるじゃないの、と思うのですが。
これ、歌う時に♪ふみ〜よむつき〜 ひ と何だか最後の日はオマケみたいな譜割りになっているのもあって、ここは小休止で最後のひのところはブレスタイムみたいなもんなんだ、と勝手にそうしてました。
蛍の光ってメロディーはよく知ってるけれど、あんまり歌詞のことは考えたこともなく。冒頭の♪蛍の光 窓の雪 の部分だけ、窓の外いっぱいに蛍が飛んでいて雪みたいに綺麗なんだなーと思ったら、それだけで胸いっぱいお腹いっぱい状態で満足してました。
遅まきながら、今回のコーナーのおかげでン十年ぶりに正しい歌詞を知ることが出来てよかったです。
ちなみに、こういう歌詞や文章等の区切りを間違えたために、本来の意味とかけ離れた言葉になってしまうことを、○○語という呼び方があるそうで。
●●と伏せ字なのは、聞いた当初はへーと感心していたのに、数時間経って何て言っていたか忘れたからです(とほほ)。
これの最も有名な例は 「重いコンダラ」ですが。
「巨人の星」世代でないので、さすがにその勘違いはしませんでしたが、これで忘れられないのが、百人一首に編集されている、山部赤人の有名な歌
田子の浦に 打ち出でてみれば 白妙(しろたへ)の
富士の高嶺に 雪は降りつつ
田子の浦に行き、振り仰ぐと富士山が白い布をかぶったみたいに真っ白になっている あぁ富士山の高嶺に雪が降っているよ
という意味の歌ですが。これを幼いころ、家族で百人一首のカルタ取りをやっていた時、母親が句を読むのを見よう見まねでやらせてもらい、張り切ってこの句を読んだものの、意味も何にもわかっていないため
♪たごのうらに うちいでてみればしろたへの
と読んでから、「ばしろたえ」って何? と聞いてしまい、その場にいた家族全員が、は??? という顔になり、一斉に大爆笑された思い出があります。
まぁそのおかげでこの句は一生、忘れられない歌になりましたが(苦笑)。
日本語って奥が深いですね(←そういうことではない!)。
ところで、蛍の光は2番までしかないと思っていましたが、全部で4番まであり、しかも3番と4番の歌詞はとても普通に卒業式などで歌うにはそぐわない、きな臭い軍国主義色満載な歌詞であったことも今朝の講義で初めて知りました。
もうひとつ、へーだったのは、蛍の光は歌詞が五七調ですが、同様にチェッカーズの「ギザギザハートの子守唄」も五七調であり、歌詞をそのまま蛍の光のメロディーに当て嵌めるとよくわかる、ということでアナ氏に ♪ちっちゃな頃から悪ガキで15で不良と呼ばれたよ を歌わせていたのも面白かったです。
せっかくなので、この先の♪ナイフみたいに尖っては触るもの皆、傷つけた までのいわゆるAメロ部分を全部歌うと1番終了になるんじゃ……、と思い早速実践してみたら、全然違う歌になってしまい余計笑えました。
「ギザギザハートの〜」は、作詞が康珍化氏ですが、この名前、昔から”こうちんか”? 中国の人なの?それとも誰かのペンネーム? と思っていたので、ついでに調べてみたところ。元韓国在日2世の方なんですね。”かんちんふぁ”と読むそうで。長年の疑問が解決してスッキリ!
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