天使と悪魔
2009.06.04 Thursday
今日は会社で四苦八苦しつつ(苦笑)、『天使と悪魔(イルミナティ)』を薦めてくれたドイツ人技師に、映画面白かったよ!ここがあぁであそこがあぁでという感想メールを仕事のやりとりのオマケとして(って断然そっちが主の内容だったけど)交わしてました。
当たり前だけど、あちらはキリスト教の国なので宗教観は日本人とはかなり異なると思うのですが、それでも作品の中で描かれているカトリック独特の儀式がとても興味深いと感じていたり、とその辺の感覚は同じなのか〜と映画の内容同様異国の方から見た感想が興味深かったです。
ってあ、そうかドイツは基本的にプロテスタント圏だからカトリックにあまり馴染みがないのかも。
しかし、仕事じゃなくこういう内容のやりとりを交わす時、猛烈にもっと英語が堪能だったら、、と切に思います。
さて、というわけで予告どおり昨夜見てきた『天使と悪魔』の感想です。
例によって思いっきりネタバレしていますので、困るという方はスルーしてください。
既に見た方もけっこうおられるかもしれませんが。一応簡単なあらすじを。
欧州原子核研究機構(セルン)で、初めてこれまで前例のない量の反物質の生成に成功したその日、その反物質が何者かに盗まれるという事件が発生。
同じ頃、ハーヴァード大学の宗教象徴学の権威であるロバート・ラングドン教授の元に1人の男が訪ねてくる。彼が示した1枚の紙片から、歴史上最も謎に包まれた秘密結社・イルミナティ復活の証拠を発見したラングドンに、男はカトリック教会=ヴァチカンが脅威にさらされていることを告げ、手を貸してくれるよう頼む。
ヴァチカンに飛んだラングドンは、セルンの天才科学者・ヴィットリアとともにイルミナティに囚われた4人の枢機卿とヴァチカンを救うため、ガリレオの暗号コードを手掛かりに事件の解明に奔走する。
今回も前作の『ダ・ヴィンチコード』同様原作を読まずに映画を見たのですが、それが逆によかったです。細かな部分があまり気にならず、純粋に謎解きとヴァチカン観光を大画面で楽しむことが出来ました。
コンクラーベやカメルレンゴ等、カトリック独特の役職や儀式の模様等、初めて見る光景にかなり興味をそそられっぱなしでした。
タイムリミットまで1日とあまりに短いため、全体的にものすごい勢いでストーリーが進んでいくのが勿体なく感じましたが、あれだけの分量を2時間強にまとめるには仕方がないかも。
昨夜も書きましたが、カメルレンゴがとてもいい雰囲気を醸し出していて、つい手を差し伸べたくなるというか、かなりギリギリまでコンクラーベを取り仕切っている老枢機卿が犯人だと疑ってしまいました(^^ゞ この役者さんが、慈愛に満ちた仕草をする一方で、何ともいえない常に腹に一物ありそうな表情を浮かべるのにすっかり騙されました。
前半はかなりグロテスクな場面も多く、次の場所に移動する度、また今度はどんな残虐なシーンが待ち受けているのかとハラハラ怖々でした(^^ゞ
CGを多用しているので全てが本物ではないと思いますが、それでも大画面に映し出されるサン・ピエトロ寺院やラ・ファエロ、ベルルスコーニの彫刻などの美しさ・迫力は圧巻。以前からイタリア、特にヴァチカンには行ってみたいと思っていますが、映画を見てますます現地に行ってみたいとの思いを強くしました。まぁ先立つものはもちろんそんな長期の休みなんて夢のまた夢ですが(苦笑)。
カメルレンゴ役のユアン・マクレガーやリヒター隊長、シュトラウス枢機卿役の方など脇役の面々がそれぞれものすごい存在感を放っていたのに対し、ラングドン役のトム・ハンクスはずっと出ずっぱりな割に印象が薄く。主役というよりは次から次へと歴史とイルミナティにまつわる謎をわかりやすく解説してくれる、ありがたい先生、という印象を受けました。
ですが、今思うとその方が観客がストーリーそのものに入り込みやすく、余計なことを考えずに次はどうなるのだろう?と集中できた気がします。
基本的に主役のあり方が『インディー・ジョーンズ』などのヒーローものと根本的に違いますもんね。そういう面でもトム・ハンクスやっぱり上手いなぁと感心でした。
カメルレンゴの描写については、時間の都合で足りない部分も感じられましたが、盲目的な信仰の怖さというものを改めて考えさせられました。
もし、ラングドンがあの鍵に気づかず真相は闇に葬られたまま、彼が新教皇になっていたら、、と思うと恐ろしいです。
彼については色々細かな設定があるそうなので、それは原作を読んで補完したいと思います。
科学と宗教、中世以降常に対立してきた両者ですが、ラストは対立から新しい時代への扉が開かれることを予感させる描写で、ほっとしたというか救われたような気持になりました。
この世に完璧な宗教などない。完全な人間がいないように。もちろん私も完全な人間ではない。という意味のラスト近くのシュトラウス枢機卿の台詞がとても印象的でした。
単純ですが、こういう思想を持った人間が80億人といわれるカトリック教徒の頂点に立つのであれば、世界は変わるのでは?と思います。
最近の大作映画はけっこうがっかりさせられることが多いけれど、これは期待していなかった分純粋に楽しめました。
まぁいわゆるトンデモ映画に入る部類だとは思いますが、もともと秘密結社や中世ヨーロッパのトンデモ雑学みたいなものが大好きな人間にとっては、イルミナティに関する着眼点や、一般には目に触れることのないカトリック教会内部のあれこれなど、かなり興味深い内容てんこもりで、なるほど〜こういう視点で見ると歴史もこうなるのか、と。
原作より、久しぶりにウンベルト・エーコーの作品を読み返したくなりました(^^ゞ。
あ、そうそう前作同様あのカルミナ・ブラーナを彷彿させる、テーマ音楽が再び大音響で聴くことが出来たのも見終わった後の高揚感をそそられました。あぁいうこれぞ映画音楽、みたいなの大好きです。こういう娯楽大作って音楽も間違いなく料金の一部だと思うので、そういう面でも元はしっかり取れました。
- ご報告 (08/16)
- 星野源見つけた (06/20)
- ポート入れ替え (06/14)
- 再入退院とドセタキセル その3 (05/23)
- 再入退院とドセタキセル その2 (05/13)
- ご報告
⇒ ユウキ (08/22) - 星野源見つけた
⇒ しおん (06/30) - 星野源見つけた
⇒ ひろりん (06/29) - 再入退院とドセタキセル その3
⇒ しおん (05/25) - 再入退院とドセタキセル その3
⇒ さくら (05/24) - 腸閉塞
⇒ しおん (04/07) - 腸閉塞
⇒ ひろりん (04/05) - 腸閉塞
⇒ しおん (04/02) - 腸閉塞
⇒ さくら (04/02) - パラサイト 半地下の家族
⇒ しおん (02/01)
- 横浜移籍!?
⇒ ニュースブログ (07/25) - ぶらり東京紀行その2
⇒ 山野楽器! (06/15) - ぶらり東京紀行その2
⇒ 山野楽器! (06/15) - ぶらり東京紀行その2
⇒ 山野楽器! (06/15) - ギンギラギンにさりげなく
⇒ デボネア日記 (06/02) - 日本一おめでとう!!そしてさよなら
⇒ ノラ猫の老後 (10/27) - COI静岡公演
⇒ Color Pencils (10/16) - 今岡復活!!
⇒ 続「とっつあん通信」 (09/29) - 8連勝!
⇒ 続「とっつあん通信」 (09/29) - 快勝!
⇒ 続「とっつあん通信」 (09/24)
- August 2020 (1)
- June 2020 (2)
- May 2020 (3)
- April 2020 (3)
- February 2020 (3)
- January 2020 (8)
- December 2019 (6)
- November 2019 (6)
- October 2019 (7)
- September 2019 (5)
- August 2019 (10)
- July 2019 (3)
- June 2019 (8)
- May 2019 (7)
- April 2019 (4)
- March 2019 (6)
- February 2019 (5)
- January 2019 (7)
- December 2018 (5)
- November 2018 (7)
- October 2018 (7)
- September 2018 (10)
- August 2018 (9)
- July 2018 (9)
- June 2018 (9)
- May 2018 (16)
- April 2018 (7)
- March 2018 (10)
- February 2018 (8)
- January 2018 (10)
- December 2017 (11)
- November 2017 (9)
- October 2017 (9)
- September 2017 (10)
- August 2017 (10)
- July 2017 (8)
- June 2017 (8)
- May 2017 (10)
- April 2017 (9)
- March 2017 (10)
- February 2017 (8)
- January 2017 (9)
- December 2016 (11)
- November 2016 (9)
- October 2016 (14)
- September 2016 (12)
- August 2016 (11)
- July 2016 (10)
- June 2016 (12)
- May 2016 (10)
- April 2016 (11)
- March 2016 (11)
- February 2016 (10)
- January 2016 (8)
- December 2015 (13)
- November 2015 (11)
- October 2015 (13)
- September 2015 (16)
- August 2015 (11)
- July 2015 (11)
- June 2015 (12)
- May 2015 (9)
- April 2015 (9)
- March 2015 (10)
- February 2015 (9)
- January 2015 (8)
- December 2014 (10)
- November 2014 (9)
- October 2014 (12)
- September 2014 (9)
- August 2014 (15)
- July 2014 (17)
- June 2014 (19)
- May 2014 (22)
- April 2014 (20)
- March 2014 (16)
- February 2014 (17)
- January 2014 (15)
- December 2013 (10)
- November 2013 (9)
- October 2013 (8)
- September 2013 (15)
- August 2013 (12)
- July 2013 (11)
- June 2013 (12)
- May 2013 (5)
- April 2013 (15)
- March 2013 (14)
- February 2013 (12)
- January 2013 (10)
- December 2012 (13)
- November 2012 (12)
- October 2012 (9)
- September 2012 (12)
- August 2012 (11)
- July 2012 (12)
- June 2012 (12)
- May 2012 (13)
- April 2012 (13)
- March 2012 (10)
- February 2012 (15)
- January 2012 (9)
- December 2011 (12)
- November 2011 (11)
- October 2011 (13)
- September 2011 (10)
- August 2011 (9)
- July 2011 (11)
- June 2011 (28)
- May 2011 (10)
- April 2011 (10)
- March 2011 (11)
- February 2011 (9)
- January 2011 (8)
- December 2010 (11)
- November 2010 (10)
- October 2010 (18)
- September 2010 (13)
- August 2010 (8)
- July 2010 (13)
- June 2010 (12)
- May 2010 (11)
- April 2010 (11)
- March 2010 (12)
- February 2010 (17)
- January 2010 (11)
- December 2009 (15)
- November 2009 (14)
- October 2009 (16)
- September 2009 (13)
- August 2009 (10)
- July 2009 (18)
- June 2009 (15)
- May 2009 (16)
- April 2009 (16)
- March 2009 (15)
- February 2009 (15)
- January 2009 (14)
- December 2008 (16)
- November 2008 (9)
- October 2008 (15)
- September 2008 (13)
- August 2008 (11)
- July 2008 (13)
- June 2008 (18)
- May 2008 (11)
- April 2008 (14)
- March 2008 (17)
- February 2008 (12)
- January 2008 (12)
- December 2007 (20)
- November 2007 (10)
- October 2007 (14)
- September 2007 (15)
- August 2007 (13)
- July 2007 (20)
- June 2007 (15)
- May 2007 (17)
- April 2007 (18)
- March 2007 (19)
- February 2007 (18)
- January 2007 (16)
- December 2006 (16)
- November 2006 (22)
- October 2006 (23)
- September 2006 (21)
- August 2006 (25)
- July 2006 (22)
- June 2006 (25)
- May 2006 (23)
- April 2006 (20)
- March 2006 (22)
- February 2006 (19)
- January 2006 (15)
- December 2005 (15)
- November 2005 (14)
- October 2005 (18)
- September 2005 (11)
- August 2005 (10)
- July 2005 (10)
- June 2005 (11)
- May 2005 (13)
- April 2005 (9)
- March 2005 (2)
- January 2005 (2)
- December 2004 (2)
- November 2004 (2)
- October 2004 (1)
- September 2004 (1)
- August 2004 (3)
- July 2004 (1)
- June 2004 (1)
- May 2004 (2)