ごきげんいかが？

下に書いた『ルパンの消息』のDVDを探しに久しぶりにレンタル屋へ行ったところ、生憎見つからず。
代わりに見たいと思いながらも映画館に行きそびれてしまった作品をいくつか見つけたのでそのうちの２本を借りて来ました。


僕らのミライへ逆回転 プレミアム・エディション [DVD]
ミシェル・ゴンドリー,ジャック・ブラック,モス・デフ,ダニー・グローヴァー,ミア・ファロー,メロディー・ディアス

地元では今年のお正月にミニシアターで公開していたので、こんなに早くにレンタルで見られてちょっぴりラッキー☆。
昨秋、『東京ソナタ』を見た折に予告編を見て、これはめちゃくちゃ面白そう！と思ったのですが、同時に多分映画館で見たら涙腺がやばくなりそうだったので諦めてレンタル待ちをしていた、といういわくつき（？）の作品です

簡単なあらすじは、小さな町の街角の古めかしいレンタルビデオ店で働くマイク（モス・デフ）は、旅に出た店長のフレッチャー（ダニー・グローヴァー）から店を任されて大張り切り。しかし発電所で強い電磁波を浴び、体が磁気化してしまった親友ジェリー（ジャック・ブラック）のせいで、店内の全ビデオの中身が消去されてしまう事態が発生する。慌てふためく２人の前に店長の顔なじみの女性が、ビデオを借りに来たから大変。「ゴーストバスターズ」が見たい、という彼女に探しておきます、と切り抜けようとしたところ、閉店前にビデオを受け取りに来るという。困ったマイクは自分たちで無理やり「ゴーストバスターズ」を製作することを思いつく。
悪戦苦闘しつつ、完成した「ゴーストバスターズ」もどきのビデオは思わぬ好評を獲得。評判が口コミで伝わり、次々と作品を自主リメイクする彼ら。傾きかけていた店の売上もかつてない金額を達成。
順風満帆に行きかけたところで、当然のことながら著作権違反の指摘を受けビデオはすべて没収。
再開発で閉店を迫られている店長を救う計画もパーになり、打ちひしがれる店長とマイクを救うため、ジェリーは起死回生の逆転打を思いつく。

調子に乗って殆ど全部あらすじを書いてしまいましたが
でも、つい書きたくなってしまうくらい、素敵な映画でした。

想像したとおり、めちゃくちゃ可笑しくて。画面を見ながらゲラゲラ笑い転げてしまいました。ジェリーとマイクと途中から女優として加わったクリーニング店の看板娘の妹アルマが作り出す、チープすぎる、でもそのアイディアは最高！と言いたくなるリメイク作りのシーンがたまりません。
殆ど学芸会のノリなんだけど、そうそう！こんなシーンあったよ！！という連続で。個人的にいちばん笑えたのが「ゴーストバスターズ」と「２００１年、宇宙の旅」でした。
このリメイクビデオ、制作の関係で（？）なんと２０分しかないのですが、その理由を説明するアルマの「人間の脳の集中力は２０分が限界なのよ」という台詞は、へーそうなのか。でも、確かにそうかも、と大いに納得してしまいました。

散々笑わせてくれた前半から、著作権法違反で一気にシュンとなってしまった後、クライマックスへ向かってのシーンは一転、想像どおり涙腺が緩みっぱなしでした。
説明しづらいので大まかなあらすじを書いてしまいますが。
この街が産んだとされる、ジャズメン・ファッツの映画を作ろう！ということで街中の人が協力し、皆で映画を作り上げて行くのですが。そのシーンが本当にありとあらゆる面で手作り感に溢れていて、じーんときっぱなしでした。特に１９２０年代の感じを出すために、はりぼてみたいな板に車の絵をモノクロで書いたものをいくつも使うのですが、それが本当によく出来ていて、ＣＧなんか使わなくてもこうやって工夫すれば色んなことが出来るんだ、ということを改めて教えてもらいました。
何て言うか、本気でやることの凄さというか。作り手の作品や映画に対する愛情の深さをひしひし感じさせられました。

で、このファッツの伝説についても、実はひとつあることがあって。さすがにこれを書いてしまうと見る楽しみがなくなるので、敢えて伏せておきますが。でも、こういう▽▽ならいいんじゃないか、皆が元気になれる▽▽というのも時には必要だと本気で思わせてくれる部分にまた感動でした。
でも、この作品最終的にはハッピーエンドじゃないんですよね。とあるシーンでやっぱりＸＸなんだ、、と思い切なくなったのですが、その安易にめでたしめでたしにならない部分がまたよかったです。

ちょっと話がそれますが。去年からＣＳが見られるようになり、子供の頃に見ていた作品をン十年もたって見る機会が増えたのですが。見ていてすごく感じるのは、セットとか衣装とか色んなモノは古くてちゃちかったり、画質だって綺麗じゃないんだけれど内容だけはもう掛け値なしに面白い！子供の頃はわからなかった色んな部分が見えて、改めて感銘を受けることもしばしばです。
役者さんスタッフ含めて”いいもの”を作ろう！という意気込み、もしくはとにかく楽しくてしょうがないという思いが画面からビシバシと伝わってきて、見る方も大昔の作品なのに楽しくてしょうがない気分にさせられます。

今回、この映画を見ながら日本とアメリカの違いはあれど、この映画の作り手さん達も同じようなことを言いたかったんじゃないかな、とふと思いました。
ハリウッド映画がつまらなくなった、と言われて久しいですが。でも、その一方で小さな宝石箱のような素敵な小品は、探せばあちこちで作られていて。ビジネスなんだから興行的成功はもちろん大事だけれど、それだけじゃなくただ純粋に映画が好き、ドラマが好き、？？が好き、自分はこういうことを表現したい、という当たり前だけれどとても大事なことを今のハリウッドやテレビ局は忘れかけているんじゃないかな、と。

なんか偉そうなことを書きましたが。
もちろん、この映画もすべてが完璧ではなく。ところどころ粗もちゃんとあるんだけれど、それをひっくるめてとても素敵な映画を見させてもらってありがとう！そう思える作品でした(^-^)。

さて、週末までに「たみおのしあわせ」も見なきゃ。こっちも当たりだといいな。