ラ・フォルジュルネ金沢
2008.05.04 Sunday
今日は開幕前から楽しみにしていた、ラ・フォルジュルネ金沢の本祭に行ってきました。
昨日から本格的に始まった公演はどれも大盛況。メディアで報じられた様子を見てびっくりしたのですが、夕方4時過ぎに駅に着くと明らかに普段より人の数が多い!
百番街もフォーラスも人でごった返していました。
駅構内や駅前広場や駅前のホテルのロビーなどあちこちに特設ステージが設けられていて、公演が始まると道行く人が足を止め、即席ステージに見入ってました。
今日鑑賞したのはイザイ弦楽四重奏団によるベートヴェン:弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」と弦楽四重奏曲第10番「ハープ」。
どの公演も既にチケットは完売の張り紙が出ていたとおり、開場5分ほど前に会場の金沢市アートホールに行くと既に長蛇の列が出来てました。
名前だけは聞いたことはあるけれど演奏を聴くのは初めてなイザイ弦楽四重奏団。どんな音を聴かせてくれるのか楽しみにしていました。
まずは「ハープ」。初めて聴く曲でしたが、4人の絶妙なアンサンブルが心地よく、特にチェロの人が本当に楽しそうにノリノリ(死語?^^ゞ)で弾くのが印象的でした。1st vol.の人の音色が綺麗で、ヴィオラの甘い音色も素敵でした。
「ハープ」は全体的に渋い曲でしたが、「ラズモフスキー」の方は一転。華やかな旋律と情感溢れる音量に圧倒されてしまいました。
1曲目が終了した時点で19時40分前。一応終演予定は20時なのですが、このままじゃ終わらないんじゃ・・・と危惧したとおり、2楽章が終了した時点でもう20時。次の公演は20時15分から、というわけで泣く泣く途中で会場をあとに。同じようにハシゴをしていた方数名と急いでエレベーターを降りて音楽堂へ。
同じホール内なら15分でもOKだけれど、会場が異なる場合、最低でも各公演の間は30分は欲しいな、と痛感しました。来年も開催する時はその辺改善してくれますように。
さて、本日の最終公演は今回の音楽祭のスケジュールの目玉。
ソリストに庄司紗矢香を迎えてのベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61
全公演中真っ先に完売したのを裏付けるように、開演間近で飛び込んだホールの中は人でいっぱい。通常の座席に入りきらず舞台の上にしつらえられた席に座っている方の数がオープニングガラの比じゃなかったです。
あまりに人がいすぎて遠くから見たら、オケがどこにいるかわからないくらいだったんじゃなかろうか(^^ゞ
昨年に引き続き、今年も紗矢香さんの生演奏が聴けるのが嬉しくて、しかも曲目が名曲中の名曲ベートーヴェンのコンチェルト。個人的にはメンコンよりこっちの方が断然好き。ベートーヴェンのあの力強くも繊細な美しすぎる旋律は彼女の音色にぴったりのはず、と期待大大大でこの日を迎えました。
大きな拍手に迎えられ、颯爽と登場した紗矢香嬢。シンプルだけどシックな真っ赤なドレスが相変わらずよく似合ってます。
ベートーヴェンのヴァイオリンコンチェルトは、冒頭ソリストのソロが始まるまでのオケによる主題が長いのが特徴です。今回はどうか?と一抹の不安を抱いていたOEKの演奏は最初の数フレーズでそれが杞憂であったことをわからせてくれる熱のこもった力強いものでした。弦と管がお互い邪魔することなくしっかりと混ざり合った中に一際存在感を示すティンパニーが心地いい。
やや固い表情で俯き、オケの旋律に時折身を委ねながら、自身の登場に備える紗矢香嬢。長い序奏も終わりにさしかかった頃、突然準備運動をするかのように第一ヴァイオリンの旋律を並奏(といってもフリだけ)。
そうしてキッとヴァイオリンを構えなおし、力強い最初の一音がホールに響き渡った瞬間、あー紗矢香さんの音だ、と実感しました。
彼女の特徴でもある力強い低音はそのまま、高音の豊かで繊細な音色に磨きがかかってます。
聴かせどころその1、1楽章のカデェンツァは期待どおりの力強さと相変わらずの重音を駆使した超絶技巧をこれでもか、と見せ付けてくれました。
今回、指定席の中でもソリストがばっちり見える位置を狙ったのですが(^^ゞ、まるでスケールを弾くかのように軽やかなボーイングで重音を弾きこなすテクニックにはただただ脱帽。
個人的にこの曲一番の聴かせどころ2楽章では、ヴァイオリンの魅力をこれでもか、と見せ付けてくれる甘〜い情感たっぷりの調べにうっとり。この曲がもつ魅力を余すことなく伝えてくれます。特にファゴットとの掛け合いは温かくて柔らかいファゴットの音と美しいヴァイオリンの音色の絡みが絶妙でした。
続く3楽章はもうのっけから太い音色で奏でられる主題が心地よく。あまりに楽しくて自然と体の中が熱くなってきます。オケと交互に主題を奏でながらラストに向かって盛り上がっていく過程はほんっとに気持ちよかったです。ここでもお楽しみのカデンツァ。もうこれでもか、と畳み掛けるように繰り広げられる重音もさることながら、頂点で鳴らされるピチカートの、ピチカートと呼ぶにはあまりに力強すぎる音が嬉しくて。思わずやた!と心の中で叫んでしまいそうでした。
それにしても音色もさることながら、弾いている時の表情が相変わらずホント豊かで。各カデンツァ終盤でそろそろオケと合流する時の指揮者とのアイコンタクトや、甘美な高音を奏でる時の何とも言えない眉の動きなど、たまらなかったです。極めつけは重音パートが終わり、トゥリルに入った途端に見せたニマっという笑顔が可愛くて、なんてチャーミングな人なんだっ!と改めて惚れ直してしまいました
だんだん終わりが近づいてくるのが惜しくて惜しくて、でもどんどん加速していく熱を帯びた演奏が楽しくて。最後の一音を弾き終えた瞬間の高揚感はものすごいものがありました。
ものすごい拍手とブラボーの歓声に混じり、まるで80年代のアイドル親衛隊のような「さーやーかー」の野太い声が響き渡ったのにはびっくり。思わず紗矢香さんも照れ笑い。その後、大きな拍手に迎えられ彼女が舞台に再登場するたびに野太いエールが飛んでいました。全国からやってきたいわゆるおっかけの方(?)、存在感ありすぎで声援が飛ぶたびどこだ?と振り返る多数の一般市民でした(苦笑)。でも、何だか楽しかったので次回もよろしくです〜。
去年も凄い!と思ったけれど、今回それ以上でした。曲調もあると思いますが、彼女らしい荒削りさがなりを潜めた分、しっとりと情熱的に奏でられる一段と艶っぽさを増した音色にますますファンになりました。
E線のハイポジでこれでもか、というくらい美しい高音を奏でた刹那、瞬時にふっとい低音でバリバリ聴かせてくれる、という対比が気持ちよすぎてあれに嵌ると簡単には抜け出せません(^^ゞ
ホントに心の底から素晴らしい演奏をありがとう!
また来沢してくれる日を心待ちにしてます。
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