理由
2006.06.30 Friday
理由
宮部 みゆき
「火車」「模倣犯」と読破したので、次はこれを読もうと思っていたものの、なかなか機会がなく。丁度ブッ○オフのお買い物券の使用期限が近づいてきていたので立ち寄ったところ、売られていたので迷わず購入しました。
事件はなぜ起こったのか、殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか。ドキュメンタリ的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。
というあらすじというか触れ込みがついているとおり、事件にまつわる様々な人へのインタビューという形式で物語りは進んでいき、少しずつ事件の核心が明らかになるのですが、他の宮部作品同様、次はどうなるのか気になってしまい、最初はちまちま読んでいたのが、後半以降は一気読みしてしまいました。
冒頭、色んな人物の話が少しずつ語られていくくだりは、関連性が見えないのもあり若干じれったくも感じますが、後半のばらばらだった点と線が少しずつつながっていき、事件の輪郭が見え始めてからは面白さにどんどん引き込まれていきました。
沢山の登場人物、その誰もがあ、こういう人いるいる、と思わずにはいられない現実味溢れる描写の上手さにはいつもながら感心しきりです。
「競売」というものに無知なので、短期賃貸借制度を悪用したカラクリには、ひたすらへぇぇと頷くことしきり。ちなみにこの短気貸借制度は今は廃止されたそうで。でも、きっともっと巧妙な悪巧みが密かに横行してるんだろうなぁと思ってしまうところが現代社会の悲しさです。
真犯人の心理がどうのこうのより、個人的には事件の鍵となる2人の女性がとても気になりました。いえ、気になったなんて綺麗な言い方ではなく、顰蹙覚悟で白状するなら、小糸静子と宝井綾子の言動がどうしても好きになれず、特に小糸静子にいたっては、貴方が被害者になった方がどんなにかよかっただろう、とまで思うくらい苦手でした(^^ゞ
彼女を見ていると見栄を張ることの虚しさをつくづく感じます。
もちろん、時として見栄を張ることが必要な場合もありますが、でもそれだけに固執しているととんでもないことになる、という見本のような方です。
自分の足元もわからずに、全てを都合のいいように解釈・捏造して、そのくせ他者はとことん攻撃する姿には、物語の人物だということも忘れて「ふざけるのもいい加減にしてよ!」と言いたくなるのを何度堪えたことか(苦笑)。
こんな人が人の親なんて、と思うと空恐ろしいけれど、そんなどうしようもない両親に育てられた息子は、ちゃんと母親の悪い面もわかっていて、色んな物事をとても冷静な目で見ているのが救いというか、痛ましいです。
って小糸夫人や綾子の言動にやたら手厳しいのは、多分私が同性故の同族嫌悪もかなりあるのかもしれないなー、と読み終えた後に勝手に自己分析もしてみたり。
と、感想というよりはただのぐだぐだしたひとり言になってしまいましたが、家族というもののありがたさ、大切さをしみじみ考えさせられる1冊です。
今夜の伝統の一戦。弱いとは思ってたけどここまで弱いと張り合いがなさすぎです。楽な試合すぎて逆にまた調子を落としたりしませんように。
こうなったら3つともいただきましょう!!
しかし、クドちゃんこれが今季初黒星だったとは(驚)。けっこうボコボコ打たれていた印象があるのに、これまで勝ちも負けもつかない試合ばかりだったのは運がいいのか悪いのか。いい加減ビシッとしたピッチング見せてください!せっかく勝ったのに、あそこまでボコボコに打たれた姿を見せつけられて、すごく淋しい&悲しかったよ
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Comments
思わず「なつかしーー」と思ってしまいました。^^;世の中には私のしらないからくりがいろいろあるんだと^^;と感心しながら読んだ作品でした。今の宮部路線よりずっと好きな作品です。この後夢中になって読み漁りましたから。。。
でもねー。「誰か」あたりからちょっと気持ちが遠ざかっています。この作品は好きになれませんでした。;;
その後の「弧宿の人」はまたよかったですが。
「ICO」以外はとりあえず全て読んでいるのですが。ひとつ「あれ?」というのがあるとちょっとつまずいてしまう自分の心の狭さが嫌です。^^;
ああ、また熱烈に宮部作品が読みたくなってきました。以前の現実味あふれた女の物語を、そしてどこか救われる素敵な話をまた書いて欲しいなーー。
Comments
今更ながら宮部作品に嵌り、少しずつ読んでいますがファンの方にとってはホント懐かしいと思われる作品ですよね。これ、確か映画化もされましたよね?
今回に限らず、宮部さんの作品を読むと世の中には色んなカラクリがあるんだなーと驚かされます(^^ゞ
好きな作家の作品て、元々がすごい思い入れがあるのでひとつあれ?と思うと、次もまたがっかりしたら・・と思うと躊躇ってしまいますよね。
私も村上春樹で一時期離れ、数年前に復活した経緯があります(苦笑)。でも読者ってわがままなものですから(こら)、あれ?と躓くのも愛ゆえですよー。
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