東芝グランドコンサート2015
2015.02.28 Saturday
水曜日の夜は東芝グランドコンサートを聴きに石川県立音楽堂へ行ってきました。
音楽堂へ行くの自体が今年初めての久しぶり。
昨秋、石川テレビよりこのコンサートの告知案内が来た際、そんなに詳しくない私には初めて目にするオーケストラだったため、一瞬どうしようかなと思ったのですが、曲目の展覧会の絵につられ、行くことにしましたが、行って大正解。
これまで何度も行ったグランドコンサートの中で最高に楽しい演奏会でした。
数日経った今でも、同行した家族とよかったよねぇぇぇと言い合うくらい素敵な演奏会でした。
今年の演目は。金沢はプログラムAなので
ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲
サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲3番ロ短調 ヴァイオリン:ルノー・カプソン
休憩を挟んで
ムソルグスキー 組曲『展覧会の絵』(ラヴェル編曲)
指揮:トゥガン・ソヒエフ
トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団
いつもだと付け焼刃でどんなオーケストラ&指揮者なのか調べて行くのですが、あいにくと今回はパソコンを修理に出していたため、何の予備知識もなく。生で展覧会の絵を聴けるなんて楽しみだなーという思いだけで行きました。
見なれた音楽堂の舞台には、これ以上入らないというくらい椅子が並べられ、ハープが2台と反対側にはコントラバス4本が置かれていて、ものすごい大編成であることが窺えます。
実際にメンバーが入場した様はまさに圧巻。よくもこれだけ入れたもんだ、と思ってしまったくらいの大人数でした。
あっさり登場したソヒエフ氏。音楽の始りも何らもったいつけることなく、指揮台に立った次の瞬間には始っていました。
牧神の午後への前奏曲
冒頭のフルートソロ、これ緊張するんだよなあという素人考えをあざ笑うかのように、豊かな音色で歌い上げるフルートが本当に気持ちよかったです。
フランスのオケで聴くフランス音楽を心ゆくまで堪能しました。大人数なのに繊細な響きの弦楽器と木管のアンサンブルが見事でした。
サン=サーンスのバイオリンコンチェルト3番
どんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみだったルノーカフソン。低音から高音までこんな綺麗な音を響かせることができるのか、と思うくらい素晴らしかったです。特にハーモニックスでの高温はもうひたすら聴き惚れてしまいました。
力強さを兼ね備えつつとても上品な演奏で、どんなに激しいフレーズでも余裕が感じられるのが凄いなぁとただただ聴き入ってしまいました。
2楽章ではおなじみのフレーズを情感たっぷりに響かせ、弾かない部分ではとても楽しそうな表情が印象的でした。
これが聴けただけでも足を運んだ甲斐があったというものです。
ちなみにプログラムBは何だったんだろう? と調べてみたところ
ショパンのピアノコンチェルト1番とシェヘラザ−ドだったので、シェヘラザードも捨てがたいけれど、あの感激を振り返ってみてもやっぱりAでよかったなーと思います。
終わってしまうのが惜しい、寂しいと思わずにはいられない演奏でしたが、隣のおじさんが終わった途端、ものすごい勢いで拍手していたのを見て、やっぱり感激したのは自分だけじゃなかったんだーと嬉しくなってしまいました。
その思いは会場の皆も同じだったようで、すごい拍手でしたが、残念ながらアンコールはなし。ま、あれだけの演奏を聴かせてくれただけで充分満足です。
休憩を挟んで本日のメインプログラム。
展覧会の絵
展覧会の絵と言えば、誰もが思い浮かべる冒頭のプロムナードのフレーズ。
滑らかで柔らかなブラスアンサンブルの見事な響きに頬が緩みっぱなしでした。
このプロムナードは曲が進むにつれ、時に短調で中盤では再び同じメロディーで出てきますが、その都度吹き方が変わっているのも嬉しかったです。
こびとを挟んでの2度目のプロムナードでのホルンと木管による優しく包まれるような響きにうっとり。
続く古城ではファゴットとアルトサックスの甘〜い調べにうっとり。この曲は各パートにソロがありますが、どのソリストも見事すぎてすっかり虜でした。
中でもヒドロの牛で聴かせてくれたチューバのソロは圧巻! チューバの魅力を改めて再確認させてくれるような素晴らしい音色でした。
中盤のプロムナードではトランペットとトロンボーンの楽しすぎる競演に大喜び。この曲はトランペットのソロがたびたび登場しますが、そのどれもが美しく、豊かな高音ももちろんものすごく素敵でしたが、個人的には後半でのストレートミュートでのソロにやられました。息継ぎをする間もなくフレーズが上へ下へと移動する、トランペット吹きには難所で知られる部分ですが、すーっと顔がみるみる真っ赤になりながらもまったくぶれることなく本当に最後の最後まで美しい音を聴かせてくれました。ほんっっとに素晴らしかった!!
カタコンプから続く木管によるプロムナードのテーマが演奏される中、弦楽器によるピアニッシモでのトレモロも凄かったです。あれだけの大人数で弦楽器が打楽器になっての極小音を響かせてくれるとは!? でした。
後半は聴きながらあまりに楽しくて、ふとここは本当に音楽堂なんだろうか? と何度も自問してしまいました。地元にいながらこれだけの演奏を聴ける喜びを体いっぱいで感じながら遂にキエフの大門へ。
冒頭のトランペットによる主題が心地よすぎて、嬉しく嬉しくてわくわくしっぱなしでした。圧巻のフィナーレに向かって、これでもかと押し寄せてくる大音量に思わず鳥肌が立ちそうでした。
聴きどころなバスドラムももちろん凄かったですが、ここ一番なシンバルにやっぱりやられてしまいました。昔からシンバルをバーンと打って、ぴかぴかぴかと広げるのを見るのが大好きなんです(笑)。なんってカッコいいんだっとキラキラと光り輝くシンバルの軌跡に目と耳はくぎづけ。
いつのまにこんなに沢山? と思うくらい一挙に最上段で大活躍なパーカッションがもう楽しすぎて。フルオーケストラの渾身のフォルテを奏でる音の厚みと美しさにやられっぱなしでした。
あまりに楽しくて幸せすぎて、どう形容していいかわからないくらいの楽しさでした。
本当に心の底から楽しくて、最後の一音が終わりソヒエフ氏が棒を下した瞬間、うっかり立ち上がってしまいました(^^ゞ
ソヒエフ氏の指揮もちょっと独特で、ぱっと見は何だか手抜きに見えなくもないですが、不思議と彼がどんな音楽を表現したいのかがよくわかる指揮で。
ソヒエフ氏もそうですが、演奏者もとっても楽しそうに演奏していて、その楽しさがダイレクトに聴き手にも伝わってきて本当に楽しかったです。
ありがとう!!
何をやってくれるのかとっても楽しみだったアンコール。
まずは ビゼーのカルメンより間奏曲
牧神の午後〜で見事な演奏を披露してくれたフルートが、ここでも美しすぎる音色を聴かせてくれました。迫力満点の展覧会の後だっただけに、木管と弦楽器によるアンサンブルにほっと心が和みつつ、でももう1回あの素晴らしい金管群の活躍を聴きたいっと贅沢なことを思っていたら……。
2度目のアンコールは同じくカルメンから有名な終曲。
う、嬉しい〜〜楽しすぎておかしくなってしまいそうなくらい、楽しかった!!
始まる前はフランスのオケだし、アンコールは「ラ・ヴァルス」がいいなーなんて思ってましたが、このカルメンが聴けてよかったです。
心の底から楽しすぎる一夜をありがとう!!
いつかまた今度は違う演目で彼らの演奏を聴きたいです。
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