器と思考の関係
2015.01.11 Sunday
昨日から3連休という人も多いですが、そういうところは漏れなく関係ない会社なので今日から2連休。
来週末はお休みが日曜だけなので2連休でもとっても嬉しいです。
だらけきったお正月休み明けの1週間、週初めはたっぷりの休養のおかげでかなり元気でしたが、週末が近づくにつれて疲れが蓄積したらしく、極端に早寝の人になってしまっていました(^^ゞ
昨夜はお休みだーと思うと早く寝るのが勿体なくて、何となく見ていたテレビ「switch 達人X達人」の朝井リョウX東出昌大の組み合わせがとても面白くて最後まで見てしまいました。
東出昌大という俳優は、休み中にたまたま見たテレビで初めて名前と顔が一致したくらいで全く知らずその長身さに驚きました。
世代は同じくらいだけれど作家と人気(?)俳優の接点て何だろう? と思ったら『桐島、部活やめるってよ』の映画で主役を演じた縁だそうで。
それはともかく。以前、紙面で見た朝井リョウが語る内容が興味深くて上に挙げた映画の原作を読みましたが、今回もポンポンと繰り出される会話にすっかり惹き込まれてしまいました。
人が表現するものの中で目立つもの、大きいのは怒り、ということから”怒り”というものに着目し、自身は”怒り”を小説を書くことで表現している、と語る朝井氏。怒りを感じなくなると器が大きくなったと言われたりするけれど、器が大きくなることは思考が停止することだ、という言葉になるほどなぁでした。
何それ、ありえない! と怒りを覚えるようなことでも、それはそんなもの、とそれについて考えることを停止してしまえば、怒りを感じることもなくなります。
例えば、会社勤めをしていると日々色んなことが起きるけれど、それにいちいち反応していると身がもたないため、いつの間にか何も思わずにやり過ごす、という術を身に着けてしまいました。
どうしても何だかなぁと思った時は、ネットで検索すると細部は違っても似たようなことを愚痴ってる記事に行きあたり、それを読んでるうちに多少気が晴れます。たまに、ありがたく読ませてもらいながらも、そんなに赤裸々に社内事情や自身の怒りも含めて語って大丈夫なのかな、と思うこともありますが(苦笑)。
思考が停止する、というと考えないので楽だし、場合によってはとても危険な面もありますが、時には敢えてそうすることも必要かな、と思うようにもなりました。
もうひとつ的確だな、と感心したのが日本は共感の文化、という発言です。
作品の感想で”共感出来なかったので入り込めませんでした”というのを多くもらうことから、そう思うようになったとのことですが。
小説に限らず映画でもドキュメンタリーでもはたまた最近ではスポーツを見る時にもそれ(共感)を求める人が時々見受けられます。
確かに自分に当て嵌めてみても、主人公なり登場人物に共感出来た方が、より感情移入できるというのはあります。
ただ、共感出来ない=つまらない、ということではなく。そういう世界もあるのか、という新しい扉を開くきっかけになることの方が多いかも。
日本は、と朝井氏は言われていましたが、逆に海外ではどんな風に作品を人々は読んだり見たりするのかな? 人物への感情主体ではなく、この展開に胸躍るんだよ!ここに出て来る食べ物が美味しそうでたまらん(←それは自分 笑)、とかそんな人が多いのかしら。
全米(全欧)No.1大ヒットの触れこみで封切られた作品が、必ずしも日本でも受けるとは限らないのもその辺の違いがあるのかも。
最後に2人とも共通でする、あることの若者独特の言い回し(?)にも驚かされました。残念ながら正確な名称は忘れてしまったのですが、有名人がネットでの評判を知るために自分自身を検索することを”エゴチェク”だったかエゴで始まる造語を言っていて、2人とも「するする!」と意気投合していて可笑しかったです。
心ないものを目にするのが嫌だから、と極力見ないようにする人が多いのかと勝手に思っていましたが、物ごころついた時からネットがある環境で育つとその辺の感覚自体がもう違うのかもしれません。
そんなわけで、番組のおかげでまんまと釣られてしまい、読みたくてたまらなくなったので『スペードの3』を探してきます。
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