アルジャーノンに花束を
2014.05.02 Friday
つい先日、姉が図書館から借りて読んでいる本が、読みづらくてなかなか進まない、と言うのでどんな感じなのか見せてもらうと……。
殆どひらがなで、確かに読みづらいけど、こういうの以前にも読んだような。そうだ、アルジャーノンに花束をみたいだねと言ったところ、まさにどんぴしゃ。それだったら持ってるから言えば貸したのにという会話を交わしたのですが。
そもそも、この本を読んだのはもう随分前。氷室京介の「DEAR ALGERNON」という曲がこの本に影響を受けて作られた、というのが読むきっかけでした(^^ゞちなみに1stアルバムのタイトルはまんま「Flowers for ALgernon」だったりします。
姉が今回、読むきっかけになったのも、さる有名人が紹介していたそうで。ダニエル・キイスの古いけれど有名なSF小説なので、きっと好きな著名人は多いのでしょう。
で、姉と会話した時は、昔読んだ時にとにかくボロ泣きして、かなりしんどい小説だった記憶があるので、もう読めないなと思っていたのですが。その数日後に逆に今なら読めるかもしれない、と思い立ち一晩で一気読みしてしまいました。
ちらっと見た時は、一瞬読みづらいと思ったのですが、そもそも再再読くらいなのでアルジャーノン以外の登場人物名はすっかり忘れているものの、大まかな筋はもうわかっているのと、つばブロですっかり鍛えられたらしく? 平仮名満載でもすんなり読めました。
一応、今更なストーリーはアマゾンから引用です。
32歳になっても幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイ・ゴードン。そんな彼に、夢のような話が舞いこんだ。大学の偉い先生が頭をよくしてくれるというのだ。この申し出にとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に、連日検査を受けることに。やがて手術により、チャーリイは天才に変貌したが…超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、喜びと孤独を通して人間の心の真実に迫り、全世界が涙した現代の聖書(バイブル)。
凄い、バイブルとまで書かれてます。
昔、読んだ時は若かったけれど今はもう若くないので、けっこう最後の方までは、今回は泣かないかもと思っていたのですが、最後の数ページでやっぱり泣いてしまいました。
落涙する方は、最後の”ついしん”からの1文にやられる人が多いと思うのですが。もちろんそこも更にうるっと来るんだけれど、今回はってこれを書くと、ストーリーの結末がわかってしまいますね。古い作品だし、いいかな。一応、ちょっとだけ改行して。
再び元の状態になりつつあるチャーリーが、ただ単に元の状態に戻るのではなく。今度は自分が何者であるかを知っていて、難しい文章を読んだり理解することは出来ないけれど、ようやく実体として捉えることができた両親や妹の記憶はちゃんとあり、パン屋の仲間たちやアリス、二人の教授を思いやる気持ちを持った上で自分のことを可哀想だとか不幸だと思わず、他者にもそんなことを思わないでください、と願う部分にやられてしまいました。
チャーリーが辿った経過だけを見れば、こんなに残酷な話はないと思うけれど。ただ戻るのではなく精神的というか心の部分では、ひとつもふたつももっと学んでいて、さらにもう一度学びたいと思っているというところが希望を見ることが出来ていいな、と思う一方で泣けてきます。
天才になったチャーリーは、皆いい人で友達だと思っていた過去の自分が周囲からどういう風に扱われていたのかを知り、怒りを覚えるけれども、そんな自分がかつての自分と同じような境遇の人を他者と同じように無意識に笑い物にしていたことに気づくくだりがとても印象に残ります。
状況や境遇は違っても、似たような経験を持つ人は少なくないのでは?
今回もやっぱりン十年前と同じようにか、それ以上に色々考えさせられてしまいました。色褪せないどころか、より重さが大きくなった気がします。
いつかまた、人生も残り少なくなってきた時にもう1度だけ読み返したいと思います。
追伸
今回のツアーで「Dear ALgernon」をやっているのかどうか、まだ未見なので知りませんが。久しぶりに生で聴きたいな。
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