ボランティアガイドと歩く山の辺の道
2012.07.02 Monday
7月1日は氷室の日。
この日は毎年、1年の無病息災を願って”氷室まんじゅう”を食べる日です。
以前は頑なに7月1日にならないとこのおまんじゅうは食べられなかったのですが、近年は6月の終わりから売られていることもあり、今年は前日の30日にいただきました。このおまんじゅうについては、過去何度もこのブログで書いたので今回は割愛です。
さて、1日の日曜日は早起きをして日帰りバスツアーで奈良まで行ってきました。去年、書店くじで当たったお買いものツアーのバス旅行に参加しましたが、いわゆるバス会社が募集する近年大流行のバスツアーに参加するのは初めて。
今回は古事記編纂1300年を記念してボランティアガイドと山の辺の道を歩く、というツアーです。
と言っても日頃古事記のこの字も知らない&興味もない私がそんなものに目をつけるはずもなく(^^ゞそういうものが大好きな母の付き添いで行ってきました。
こういうツアーだからなのか?参加者の年齢層が高く、皆様年配の方ばかり。勝手に昨今巷で話題の歴女みたいな人やいわゆる歴史オタク的な人が多いのかと思っていましたが、ハイキングがてら的な感じの参加者が殆どでした。
今回のツアーに行くに当たり、いくらなんでも古事記について全く知らないのはマズいだろうと思い、直前に書店で学研ムック『ゼロから知る古事記』を購入し、付け焼刃的にほんの少しだけ学習しましたが難しい〜(苦笑)。
人の名前も昔の国の読み方も難しすぎてちっとも頭に入らず。とりあえず、本当にほんの触りだけ何とか頭の片隅に入れて参加してきました。
観光バスに揺られってこのバスが豪華というか、至れり尽くせりで。
朝は珈琲、美味しいコンソメスープが出てくるわ、袋に入ったおやつが全員に配られるわ。当然お昼にはお茶(温かいのと冷たいのが選べる!)も出てきたりとびっくりするくらいのサービスぶりでした。
そんなわけでバスに揺られること数時間、滋賀京都経由で奈良へ。奈良って数えるほどしか来たことないのであれこれ新鮮でした。
途中、最初の訪問地がある天理市内に入った途端、目につく天理教総本山の異様なる建物の大きさにひぇぇぇ〜となりました。実は昔、学生の頃一度だけ仕事で中に入ったことがあるのですが、その時はSPに囲まれて指示された範囲以外は出入り禁止だったり、とにかく物々しかった記憶しかなく。まぁもう二度と中に入ることはないと思うので、今から思えば貴重な経験だったなーと。
さて、そんな天理教の建物の数々に囲まれた奥にあるのが石上神宮。
石上神宮と書くといしがみじんぐうと読みたくなるのですが、いそのかみじんぐうと読むそうです。日本最古の神社のひとつで武門の棟梁たる物部氏の総氏神として、国宝「七支刀(ななつさやのたち)」が奉納されています。
もちろん非公開で写真とレプリカによる展示でした。
石上神宮では、今日の7月1日から夏の大祓いとして茅の輪くぐりが開始です。
出来たてなので、傍に寄ると新鮮な草のいい香りがしてなかなか気持ちがよかったです。
境内にはそれはそれは見事な鶏さんがいっぱい。何でもその昔、誰かが捨てた鶏が野生化してこんな立派な鶏になったそうで。今では神にお仕えする神鳥として元気に境内を歩き回っています。
鶏自体、小学校の頃に学校で飼っていたごく普通の”コケコッコー”と鳴くあの白いのしか見たことなかったので、すごく珍しがっていたところ、昔から日本にいるタイプの鶏で年配の方々にはすごーく馴染みのある鶏だそうで。
もう少し色の綺麗なのや立派なトサカのやら沢山の鶏達が大声で何とも言えない声を発するのはなかなか見ごたえがありました。
これも境内の一部なのですが、こんな風に馬が通るために真ん中に通路が作ってあるのは珍しいそうで。さすがに最古の神社と言われるだけあって、境内に茂っている樹木がどれもそれはそれは年代物で見事でした。
境内には池もあり、よく見ると鯉も泳いでいるのですが、池の向こう側に大きなしだれ紅葉の木があり、秋になったらさぞかし綺麗なんだろうな〜と参加者皆で言い合ってました。
次に行ったのが長岳寺。ここから山の辺の道に入り、ひたすら歩きの始まりです。が、この頃から元々怪しかった雲行きが本格的に怪しくなってきました。
そうそう、このお寺は書院作りで寝殿造りと書院造りの違いってわかりますか?とボランティアガイドさんに聞かれたのですが、そんなものわかるはずもなく(^^ゞ
段違いの棚のようなものが置いた造りになっているのが書院造だそうです。
って言われても肝心の寝殿造りの方が、今やってる大河に出てくるセットのような造りなんだろうなーくらいしかわからないのでふんふんと頷くのみでした。
しかし、このガイドのおじいさん、とにかく物知りで感心しきりでした。
どんなくだらない質問にも丁寧に答えてくれるし、知らないことはきちんとそれはわかりません、と適当なことを言わず、ガイドの鑑のような方でした。
よく歩いておられるせいか、とにかく健脚で。それでもガイドを始めた頃は全然歩けなかったそうで。年月の積み重ねでここまで健脚になれるのかーとそちらにもびっくりでした。
長岳寺を出てからしばらくは田んぼのあぜ道のようなところをひたすら歩き、崇仁天皇陵、景行天皇陵(ヤマトタケルの父)と言った古墳を順番に見て歩きます。と言っても古墳は何しろ大きいので前から見ても全貌がちっともわからず、何だか盛り上がった土の上にひたすら木々が生い茂っている感じです。
あ、途中に額田の女王の歌碑もありました。和歌にあまり興味がないので景色を眺めて楽しんでいたので忘れてました(^^ゞ
この頃から雨足がどんどん激しくなり、相撲神社に向かう途中で遂に一旦この先どうするか会議となりました。
この先相撲神社→桧原神社→大美和の森を経て最終地点の大神神社に行くのですが、ここからは道があまりよくない&何しろものすごい雨だったので、私達を含めた半分くらいはタクシーで大神神社へ向かうことに。
ホント、バケツをひっくり返したような大雨で、バスのガイド氏も参加者の方々も口々に「大人になってからこんな大雨に遭ったのは初めて」と言われているようなすごい雨でした。
ごく個人的には学生時代の色んな行事を始め、けっこうこういう大雨の中で何かをするというのを経験していたりします(苦笑)。夏イベでも2回くらいあったし、数年前にお台場にガンダムを見に行った時もこれくらい酷い雨の中ずぶ濡れで見たもんなーと。
はっ。ということは……この大雨は私のせい?(大汗)でも、すごーく晴れてほしい時はちゃんと晴れてたし。きっとたまたまですよ、うん。
そんなわけで、先回りして大神神社へ。これもおおがみじんじゃと読みたくなりますが”おおみわじんじゃ”と読むのです。ややこしい〜。
先に待機していたバスで温かい珈琲を1杯ごちそうになり(ホント、何から何まで気配り満点です)、びしょ濡れになった身体を少し拭いてから本日のメインイベント?大神神社へ。
駐車場から神社までの参道にはやはりここも1日がお祭りらしく、沢山の屋台が出ていました。が、ここも大雨に降られてしまいテキヤのおじさん達もかなり大変そうでした。
石上神宮では1コだった茅の輪がここでは三つもあります。だからおおみわ=大三輪なんだーといたく納得でした。
しかーし、これ3つもあると一体どういう順番でくぐったらいいの? としばし迷いましたよ。他の参拝者の方々の様子を見て、見よう見まねでくぐってきました。そういえば、神社の入り口にご神水があり、他の方々同様一口飲んで見たのですがほんのり甘くて美味しかったです。
大神神社の奥には狭井神社(さいじんじゃ)があり、ここのご神水は万病に効くという霊水ですよ、と事前にガイドさんに教えられたので行ってみたところ。
こじんまりとした小さな神社なのですが、いわゆるお賽銭をあげるところに何故かお神酒に混じり、たくさんの卵が置かれています。
???この辺の風習なのかと思い、件のガイドさんに尋ねたところ、この神社の神は大物主神という蛇なのだそうで。女の神と交わったのが実は蛇と聞くと、ひぇぇぇぇとなりましたが、三輪のみも己(へび)を表しているそうで。最初にお水をいただいたところに俵に蛇がとぐろを巻いているから後で見てごらん、と言われ、帰りに確認したところ確かにそうでした。
肝心のご霊水はこちらも美味しかったです。そうそう、この神社には何故か?三島由紀夫の石碑もありました。
あと、この狭井神社の後ろが大神神社のご神体である三輪山で、境内には三輪山への登拝口もありました。当日は時間が遅かったので、入山可能時刻が過ぎていましたが、噂どおり入口にはあれこれ注意書きがしてありました。神聖な山として簡単には入山出来ない古来から伝わるご神体だけあって、入口近くはひんやりとした空気が漂い、ただついてきただけの私でも何となく神秘的な印象を受けるに充分でした。
また、狭井神社と大神神社の途中に展望台があったのでそちらにも行ってみることに。展望台ということは、けっこう登らないといけないのかな、と言う母に冗談半分に「多分、さざえ山(兼六園内にある霞が池を掘り広げた時に出た土を利用して作った小高い小山)くらいじゃない」と言っていたのですが、本当にそれくらいの高さしかなかったです。でも、見晴らしは抜群。桜井市内が見渡せて気持ち良かったです。
最後は神社の入口にある茶店で抹茶を頂いて帰りました。雨のため涼しかったので有名な三輪そうめんは食べずじまいでしたが、お土産に買った、神社駐車場向かいにでーんと店構えをしていた白玉屋栄寿の「みむろ」という最中がものすごーーーく美味しかった!
日頃、最中はあまり得意ではないのですが、薄皮で中の餡がそれはそれは上品な味でこんなに美味しいと知っていたら、もっと沢山買って帰るんだったと思ったほどでした。
そんなわけで、雨にも降られた山の辺の道歩きでしたが、なかなか楽しい旅でした。機会があればもう少し寒い時期にじっくり全行程を歩いてみるのもいいなぁと思ったり。
しかーし、あれだけ色々聞いたボランティアガイドさんのお話、数日たったらかーなーり忘れてしまいました。
しかも、天皇の名前を言われてもそれがいつぐらいの時代なのかさっぱり。西暦で聞いて、いちいち中国ではいつの時代、西洋ではどこどこの国がどうしてあーしてと変換していたという。一番大事な日本の歴史について本当に何にも知らないのをしみじみ実感でした。日本史選択していたらもう少しマシだったのかしらん。そんな遥か昔のことを言い訳せずに今から読めばいいじゃん、と言われたらそれまでなんだけど。
でも、何度でも言いますが日本の方が人も建物も場所も名前とか難しくて憶えられないよう〜〜。何でそんな風に読むのかと思うともうこんがらがってしまって(大汗)。
塩野七生の「ローマ人の物語」で皇帝やら有名どころの家臣やらの名前があれこれ次々出てくるのは全然苦にならない、というかむしろわくわくしたのになぁ。
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