マーガレット・サッチャー
2012.03.19 Monday
今朝、起きてみると粉雪がちらちらと舞い辺りがうっすらと雪化粧をしていました。今日タイヤの交換を予約していたので、一瞬迷いましたが、どう見ても春の雪なので大丈夫だろうとの予想通り、10時前には雪も止み昼間は青空が覗き気温も朝と随分違うという、何だかおかしなというか春先にありがちな天候の1日でした。
さて、会社カレンダーで今日は貴重な平日のお休み。というわけで先週末に公開になった『マーガレット・サッチャー』を見てきました。
感想の前にココを読んでいる方に質問です。
この映画の主人公であるマーガレット・サッチャー氏はイギリス初の女性保守党党首であり、同じく女性としてはイギリス史上初の第71代首相として1979年から1990年まで在職しました。では、彼女の次にイギリスの首相となった人物は誰でしょう?
正解は後ほど。って何故急にそんな質問をしたかというと、映画を見ている途中からそれがすごく気になったのですが、結局最後までわからず、その後もけっこうしつこく考えても出て来ず。帰宅後に調べてようやくそう言えばそんな名前だった、と思いだしたという
ついでなので、家族にも同じ質問をしてみましたがやはり正解ゼロ。
ちなみにサッチャーさんの次とその次の人は記憶にありましたが、現在のイギリス首相に至っては名前を見てもわかりませんでした(苦笑)。それはそれで社会人としてかなり問題がある気がしますが。
ドイツやフランスの首脳の方がまだちゃんと名前が言えるかも。
ビートルズを全曲完璧に歌える人は日本でもそれなりにいるかもしれないけれど、イギリスがどんな国かきちんと説明できる人って実はものすごーく少ないかもしれないな、と。
そんな遠くて遠い国イギリスにあって、日本はおろか世界にその名を轟かせたiron ladyのお話です。
ここから先はネタバレになりますのでそれでもいい、という方のみどうぞ。
公開前からメリル・ストリープがアカデミー賞主演女優賞を獲ったこともあり、彼女のサッチャー氏へのなりきりぶりが絶賛されていた本作ですが、実際に見て本当に凄かったです。
当時テレビを通して見ていただけなので、実際にどのくらい似ているのか正確なところはわかりませんが、全く違和感がなく。特に演説のシーン等は、本物が話しているかのようでした。現在の彼女の様子が物語の多くを占めるのですが、現在の彼女の風貌はきっとこんな感じなんだろうなと納得してしまったほど。
現在、認知症を患っている彼女が8年前に死別した夫・デニスの幻覚と語り合いながら過去を振り返る形式でストーリーは進行します。
時折、本物の当時の映像も織り交ぜながら、食料品店の娘だったマーガレットが下院議員を経て保守党党首、女性首相となる過程が駆け足で描かれます。
断片的にですが、イギリスが当時抱えていた問題や戦後のほんの一部分のイギリスの歴史を知ることが出来ます。
フォークランド紛争とか、それが起こったことは記憶にありましたが、どういう決着を迎えたかは全く憶えていなかったので、映画を見て改めてそういうことだったのかと。
どの国もそれぞれ問題を抱えていますが、イギリスって色々大変な国なんだなぁ、というのが一番の感想でした。現在でも時たまアイルランドとの問題やテロ、大規模なデモのニュースが流れることがありますが、あの国が抱える伝統的とも言える問題の根深さが映画を通して垣間見え、それを何とか立て直そうとしたサッチャー女史の苦労は測り知れないものであることが容易に想像がつきます。
フォークランド紛争が解決した直後、上院での演説のシーンはちょっとぐっと来るものがありました。フォークランド紛争で英国が取った行動そのもには決して賛同はできないけれど。”それぞれの主義の違いは脇に置いて”1年前の今頃、いや今からでも遅くはないから日本でもあぁいう風に毅然と言えるトップがいないことが非常に歯がゆく思います。
映画自体は、つまらなくはないけれど。現在のサッチャー女史の姿に主眼を置き過ぎているせいか、何を描きたかったのかイマイチわかりづらく、全体的に散漫な気がするのが少し残念です。
単なる立身出世物語にしたくない、という意図があったのかもしれませんが、あそこまで認知症患者の日常的なものを描く必要があったのかな、とも思います。
メりル・ストリープ以外は夫役のデニスが度々登場するくらいで(この役者さんもよかったです)、議員や補佐役の人々は完全にモブに近い扱いで殆どメリル・ストリープの1人芝居を見ているような感じでした。
彼女の演技自体は申し分なく素晴らしかったので、それ自体に何の不満もありませんが、せっかくサッチャー氏にスポットを当てたのなら、首相時代の苦悩や政敵とやり合う姿等どこか一点に絞った方がもっと盛り上がった気がします。
1人の偉大な政治家の伝記ではなく、人の一生についての映画だと思えばそれもありかなぁ。でも、それならそれをわざわざサッチャーさんでやらなくてもいいのに、という思いは残ります。
退陣していくくだりは、スクリーンを通しても冷え冷えとしたものを感じてしまい、一つの時代が終わる一抹の寂しさを感じました。
それと、これ原題は「The Iron Lady」に対し邦題は「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」と余計なものがくっついてます。少なくとも涙はいらなかったな。
イギリスの実在人物を扱った映画としては、正直に言えば同じくアカデミー賞で話題となった昨年の「英国王のスピーチ」の方がずっと好きだけれど。
見終わった後に非常に色々考えさせられる映画でした。
最近の政治家は【何をすべきか】ではなく【どう見られるか】ばかり考えすぎる。
近頃はどう感じるかばかり聞くけれど、大切なのは考えること、考えが言葉に……言葉が人生を創る。
彼女が進めた政策そのものには疑問が残る点もあるけれど、彼女が残した言葉は今の時代にも充分通じるものがあると思います。
そうそう。最初の質問の答えはジョン・メージャーです。
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