映画 阪急電車
2011.06.29 Wednesday
4月に関西地区で先行ロードーショーとして封切られて以来、楽しみにしていたのですが、6月初めの時点で当地での公開はなく。一番近いところで名古屋かぁ、それは無理。レンタル化を待つしかないのかなぁと半ば諦めていたところ。先週末に何気なく見た携帯メールでフォーラスで単館上映されていることを知り、日曜日に行ってきました。
広告メールって大抵面倒なので読まずに消去してしまうことが多いのですが、珍しく開いて見たのはやはり何か感じるところがあったのか?
何はともあれ、ありがとう!フォーラスでした。
「アンダルシア」の公開と重なったせいなのか、朝一なのに結構並んでいてびっくりしましたが、これはそんなに満員にならないだろうと予想したとおり、ちらほらの客入りでゆったりじっくり楽しめました。
映画のストーリーは単行本発売時に感想を含めて紹介したので割愛します。
事前に聞いていた通り、征志とユキの図書館カップルは綺麗に削除されていましたが、映画全体としては特に不自然なこともなく。原作を知らずに見た方にはあれで丁度よいかも。
さて、今回の映画は個人的にストーリーを楽しむというより、映画を見ながら自分も一緒に今津線に乗ろう!ということが最大の目的(えぇぇ?)だったのですが、それがもうこれ以上ないくらい果たせたことが何より満足でした。
カメラのアングルが丁度乗客目線なので、車窓から流れる景色や乗り降りなど、あたかも自分も一緒に乗り降りしているかのような気分でした。
特に往路は本当に電車内のシーンは、役者さんそっちのけで亜美ちゃんと一緒に窓の外ばかり眺めてました(^^ゞ
駅舎そのものは宝塚や西宮北口等はもうびっくりするくらい立派になっているのに、ホームだけは昔のままで。
車窓から見える景色も懐かしい風景と、あんなものが出来てるーというのが半々くらいで。住宅地が多い宝塚南口周辺だけは、当時とさほど変わっていないのが妙に納得でした。
ってこのままだと肝心の内容に全然触れなくなってしまうので
こういう好きな小説の映像化の場合、多少なりともキャストに不満が出てしまいがちですが、この作品に限ってはどの役者さんもとても嵌まっていて、余計物語の世界に入り込みやすかったです。唯一惜しむらくは、マユミのお兄さんの人はもうちょっとだけ強面で更にガタイがいい人が良かったな。演技そのものに何の不満はないですが、素人が見ても格闘技やってます、というのがわかる風体の方が、より原作に近い気がするので。
映画での主役である翔子役の中谷美紀は、配役を聞いた時点で大丈夫と思った通り素晴らしかったです。討ち入りの白ドレスより、小林のイズミヤ(うわーっまだあるんだ、と実はそこに感動した 笑)で冴えないシャツとパンツに着替えた時の方が、なんていい女なんだと思ってしまったくらい素敵でした。ラスト近くの南口駅のベンチで翔子ちゃんと会話するシーンも、凛とした中に温かさが溢れていてじーんときてしまいました。
冒頭の新郎になるはずだった元彼が、2人をなじる翔子に向かって言った台詞。原作にあったのを更にアレンジしてましたが、あれを聞いた瞬間、「ふざけんなよ」と彼の後ろからバケツの水をぶっかけてやりたくなったくらい、ヒットな台詞でした。
安めぐみ、披露宴でのあの形相といい、とても良かったけれど、充分美人なのであの役はもう少し地味な顔立ちの人の方が適役だったかも。
時江役の宮本信子さんについては、今更語るのもおこがましいという感じで。図書館カップルを削ったおかげで、おばさん軍団の説教はほぼ台詞なしになってしまいましたが、それでも小説での絶妙な台詞が浮かぶようで笑い転げてしまいました。小説にはなかった悦子のアホ彼氏(玉山鉄二)とのシーンもとても自然で良かったです。玉山さんの演技って多分、殆ど見たことがないのですが、ちょっと(かなり?)抜けてるけど気のいい好青年っぷりがぴったり嵌まってました。少々いい男過ぎるけど、本当にあぁいう工員さんてどこの会社にもいそうです。
アホ彼氏といえば、悦ちゃんと友達との会話漢字ネタはあったけど、それ以上に原作を読んで笑いが止まらなかった塚口ネタがなかったのが惜しかったなぁ。あと漢字ネタの時のテンポ感がもう少し足りなかったかな。
ミサ役の戸田恵梨香さんも良かったなぁ。カツヤにはもうちょっと頑張ってほしかった気もするけど。カツヤ自体が不安定な役なので、あんなもんかな。
伊藤さん、この人すごく見たことあるけれど誰だっけ?水野真紀じゃないし、、と最後まで唸っていたらエンドロールで南果歩の名前を見てびっくりでした。言われてみればそのとおりですが、あの化けっぷりは見事でした。でも、伊藤さん地味だけど美しすぎて、それは反則だーと途中からずっと思ってました。しかし、伊藤さんちのご主人と息子さんがいい人過ぎて泣けました。
バッグを放り投げての座席確保、あまりに見事な再現っぷりに吹きました。
あんな風にところどころに笑えるシーンが挟んであるのですが、その挟み方が上手いなぁと。
そうそう、ミサとの胃薬のシーンの門戸厄神駅。あの駅にベンチなんてあったっけ?今はあるのかな、と勝手に納得していたら、あのベンチ仁川から撮影用に持ってきたそうで。へー&まさかあのベンチだったとは、でした。
関学カップルの勝地君と谷村美月さんは、本当に身近にあぁいう子達がいたら応援したくなること間違いなし!の微笑ましさでした。特に美帆ちゃんの方は、あの小説でも行間から溢れ出ていたおぼこい感じがそのまんま立体化されたようで、どんくさい可愛らしさに出て来る度に和みっぱなしでした。
でも、圭一くんてそんなに変かなぁ。見た目ははっきり言ってカツヤよりカッコいいし(苦笑)、性格はどう見ても二重○だし。その辺のチャラい学生よりよほどいいと思うけどなぁ。
そういえば圭一くんの登場シーン、窓枠の感じから多分、学食だと思うのですが「今ってあんなお洒落な食堂なの!?」と目を剥く位素敵な調度でした。
学校ついでに、悦子が羨望の眼差しで見ていた学生達。エンブレムや名前入りのパーカーを羽織っていたり、こちらも校章入りのマイバッグを提げている子が多数でしたが、あれって映画用なのかイマドキはあぁいう風にいかにもなモノを持ち歩くのが普通なのか???でした。マイバッグ自体は商魂たくましいあの大学なら120%売ってると思いますが(^^ゞ
正門から中央芝生沿いの各学部へ続く道は綺麗に舗装され、特に正門周辺はお洒落なタイル敷きになっていて、相変わらず景観には相当気を配っているようだけれども、あのタイルも少しでも端が欠けたら全部取り換えてるんだろうか?と心の中で密かに突っ込みを入れてました。
正門が登場するたびに、そこだけは全く変わらない風景が懐かしかったけれど、悦子が圭一&美帆ちゃんに問いかけるシーンは、不要だったんじゃないかなぁ。
と、散々横道にそれてしまいましたが。
私の密かなイチオシは実は主役級の彼らではなく。
翔子が討ち入りを果たしたホテルで「なにとぞ堪えてお持ちください」と引き出物を渡したホテルマン。うわー、こんなところに大杉蓮て大杉蓮の無駄遣いだよ、と思わず突っ込みましたが、引き出物を受け取りホテルを後にする翔子を見送る表情がもう、最高に良かったです。大杉蓮さんてどの作品でも脇役ですが、こういう細かいさりげない部分で魅せるのが本当に上手いですね。今、思い出しても痺れます。ってどんだけ好きなんだ(笑)。
なんかあれが見られただけでも映画代の3割は取ったね、と思うくらい絶妙な表情でした。エンドロールにもう一度あのシーンが出てきて2度嬉しかったです。
あとミサがカツヤと別れるためにマユミとその兄にひと肌脱いでもらうシーンは、散々読んでよく知っているのに思いっきりもらい泣きでした。
携帯電話をバキッは気持ち良かったなぁ。あの子いいなぁと思っていたら、あれが相武紗季ちゃんだったんですね。エンドロールで名前を見て、あれ?どこに出てたっけ?と考えても分からず。検索してしまいました。大昔の「ウォーターボーイズ」のチョイ役といい、あぁいうちょっと気の強い女の子の役は見事に嵌まりますね。
乗車時間は片道15分と短いながらも、綴られているのは多種多彩なストーリーをどうやって1本の映画に纏めるのかな、と思っていましたが、上手い具合に取捨選択してあり、元々のストーリーを知っているのも手伝って、最初から最後まで上手く編集出来たのではないかと思います。
ですが、最初に書いたとおり、ストーリーそのものより色んな懐かしい風景に見惚れ過ぎていたため、その辺あまり自信がありません。ただ、要所要所に場内のあちこちで涙を拭ったり、鼻をすする音が聞こえていたので、それぞれの心に沁みる内容だったのだと思います。
私はもちろん、人とはかなり違うツボで泣きっぱなしでしたが(苦笑)。
原作愛読者にはけっこう不評らしい、エンドロールの生のシーン。私はあれはあれでいい気がします。原作未読な人が映画に惹かれて原作も読んだ時に、あの文字からこんな素敵なストーリーが描かれているんだ、と楽しむことが出来ればそれでいいんじゃないかな。
最後に今津線に実際に乗ったのは多分、10年近く前ですが、場所によっては見違えるくらいお洒落になったスポットもあるけれど、電車が線路を走りながら見える佇まい、雰囲気は逆に驚くくらい昔のままで。その変わらなさにびっくりでした。
逆に地元の方がここ10年くらいで驚くほど変貌しているので、昔この地に住んでいた人が今訪ねて来たら少々寂しく感じるかも。
実際、住んでいても本当に居心地がいい地域でしたが、今回映画を通して再びあの景色を体感してみて思ったのは、都会の中にありながら川や緑、仁川周辺は山もあり。都会な部分と落ち着く田舎のような部分がいい感じに同居しているから、あれだけ過ごしやすかったんだなぁと。
何だか映画の感想なのか、何なのかわからない内容になってしまいましたが。とりあえず今年の甲子園観戦時は、早起きして久しぶりに今津線に乗りに行こうと思います。
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