踊る大捜査線 THE MOVIE3
2010.07.13 Tuesday
旅行記も書きたいのですが、写真の整理がまだできていない＆先に書いておかないとどんなのだったかどんどん忘れてしまうので（苦笑）。
先週末「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツラを解放せよ」を見てきました。
実は映画版を劇場で見るのはこれが初めて。連ドラは楽しく見ましたが、踊るシリーズの特に大ファンというわけでもなく。テレビでやっていれば何となく見て楽しむ、そんな程度ですが、他に特に見たい映画もなかったのでたまには時流に乗ってしまおう！というわけで見に行きました。
前作は何でも邦画史上観客動員数史上�癸韻鮹�成したそうで。今回も７年ぶりということで、公開前からメディアで煽りまくられた影響と元々の人気の高さから公開数日で１００万人を既に突破した人気作品。
えーここからはネタバレありの、かなり辛口な感想になりますので。まだ内容を知りたくないという方、踊る〜はどんな形であれ最高！という方にはお薦めできません。あしからず。
簡単なストーリーは、要約するのが面倒なので公式ＨＰから引用です(^^ゞ
湾岸署を襲った最悪の猟奇的連続殺人事件から7年。お台場はさらなる変貌を遂げていた。外国からの要人が降り立つ空港が近く、高速道路や変電所などのライフラインもあるお台場はテロリストの格好の標的になっていた。その対策のため、湾岸署は高度なセキュリティシステムが導入された新湾岸署へ移転することとなった。
その引越しを一任されたのは、強行犯係係長に昇進した青島刑事だった。青島係長率いる強行犯係には、“女青島”と呼ばれる夏美、念願の刑事になった緒方、PCにしか興味を示さない栗山、中国からの研修生の王、そして、今や長官官房審議官にまで出世した室井警視監によって湾岸署に配属された新人刑事の和久がいた。
やる気を見せない部下や、やる気が空回りしている部下たちとともに引越し作業に取り組む中、湾岸署管内で次々と事件が発生する！金庫破りやバスジャック。そして引越し作業の混乱の中、湾岸署から青島やすみれらの拳銃が３丁盗まれ、連続殺人事件へと発展していく―――。
湾岸署には特別捜査本部が設置され、管理補佐官の鳥飼、真下に代わり交渉課課長を務める小池とともに捜査を開始するが、必死の捜査もむなしく、犯人グループに湾岸署を占拠されてしまう。新湾岸署の開署式まで後３日。毒ガスやTNT爆弾。そして、拘留中の凶悪犯の解放の危機･･･。
８つもの事件が次々と湾岸署を襲う中、開署式を翌日に控えた青島らは、占拠された湾岸署から仲間を解放し、被疑者を確保できるのか！！
青島君が係長になっている＆ヤツラを解放せよ、というサブタイトルのみ頭に入れ、事前に何の予備知識もなく見ましたが。オープニングのタイトルロールのシーンを見ながら一番最初に思ったことは「お金かかってるなー」でした（苦笑）。
日頃見慣れている映画や単館上映されるような作品とは、画面の明るさから豪華なセット等あまりの違いに、「やっぱり儲かっている作品はお金を好きに使えるんだねー」としみじみ。
序盤の引っ越しシーンは、これまでの「踊る〜」シリーズらしいカラーで楽しめました。
７年ぶりながら、主役の青島君やすみれさんら湾岸署の面々は、あまり変わってないなーと思ったのですが、映画を見てきた直後に現在地元テレビで再放送されているドラマシリーズを見たら、、当たり前ですが青島君が恐ろしく若くて笑ってしまいました(^^ゞ。
この手のドラマ⇒映画の作品は元々そんなに期待していない上に映画も３作目となれば、まぁ絶対に心の底から面白かった！ということにはならないだろうなーとは思っていましたが。。
元々の期待値が低かったのもあり、腹が立つとかそういうのは特にないけれど、面白かったか？と聞かれると非常に返答に困ります。
見終わって一番思ったのは、この作品は観客のためというよりは、作り手側が「踊る〜」が好きで好きで自分達が楽しむために作っちゃったんだなーと。
だから、細かい部分にはやけに拘っている割には、ストーリーの作りがあまりに雑過ぎて。しかも、その拘りは別にいらないんじゃ……というのが殆どだったり(^^ゞ
役者さん達はそれぞれ、すごく気合が入っているのは伝わってくるのですが、ところどころそれが空回りというか、もう少し違った展開ならもっと見せようがあったのに、と色んな面で勿体なさを感じてしまいました。
途中で犯人がわかってしまうのは、ミステリーではないのでまぁ許せるとしても、絶体絶命のピンチと見せかけたものが、あまりにも陳腐な幕切れだったり、一体何を伝えたかったのかよくわからないまま終わってしまいました。旧の湾岸署を壊してしまう、という設定自体は嫌いではないけれど、その後の展開がお約束過ぎて感慨も吹き飛んでしまったのが残念です。
ヤツラを解放せよ、というサブタイトルでありながら実際に解放されるのはたった２人。しかもうち１人は時間切れでナシというのもなぁ。
日向真奈美役のキョンキョン。さすがに１１年という月日は大き過ぎました。今でも綺麗は綺麗だけど、大きなスクリーンで見せられると年齢を感じさせられ過ぎるシーンが多すぎて同性としては少々辛かったです。
脚本はドラマシリーズからずっと手掛けている君塚氏ですが、そもそもこの方が書かれる本は映画向きではない気がします。
連続ドラマのようにじっくりキャラクターを掘り下げたり、細かい仕掛けや展開をするのは得意だけれども、広げた風呂敷を畳めない。あれもこれもと欲張った挙句、書き手自身が困ってしまったのが見えてしまうのは見る側には辛いです。
前作のレインボーブリッジもそうでしたし、昨秋から今春にかけてＣＳでずっと放送されていた「ニュース速報は流れた」を見た時も、最後の風呂敷を畳む段になり、明らかに失敗（あのドラマは好きでしたが、何故最後をあぁしてしまったのか疑問が残ります）したとしか思えない結末に、もどかしい思いをしてしまいました。
今回、和久さん亡き後の踊る〜ということで、新キャラクターが何人か登場します。小栗旬演じる鳥飼誠一警視庁刑事部捜査一課管理補佐官警視と和久さんの甥っ子として新しく湾岸署に配属された和久伸次郎（伊藤淳史）。
鳥飼管理補佐官は、新城に代わる室井と対峙するキャリア組として、なかなか面白いキャラクターでしたが、和久伸次郎は正直まったくいらなかったです。和久さんが残した手帳に書かれている名文句を時々読み上げる、というのが主な役目でしたが、和久さんの台詞は和久さんが言うからぐっとくるのであって、あんな子供っぽい棒読みで読まれても……とかなり興ざめでした。中盤、青島から新湾岸署のセキュリティーマニュアルを渡されるのですが、犯人側の企みにまんまと嵌められてしまった折、てっきりそれが活かされるのかと思いきや、まったくの役立たず。
まぁ、その辺の役立たずぶりが踊るらしいといえばそうなのかもしれないけれど、あれはちょっと酷過ぎでした。
更にもっと言えば、この役に伊藤淳史を起用するのがフジテレビクォリティーだよなーと。色んな事情があるのかもしれませんが、「電車男」以来、彼が演じるのはどれも似たようなこんな役ばかりで見る側としては、もううんざりの感が強く、伊藤君にあれだけスポットを当てるのなら、従来の湾岸署のメンバーをもうちょっと立たせてくれた方がよかったです。
対照的に小栗旬演じる鳥飼補佐官は、今回のメンバーでは最も面白かったです。そもそも小栗旬自体ちゃんと見たのは初めてでしたが（えぇぇ！？）、あの冷徹な感じがとてもよく嵌まっていました。
毎回誰かが必ず怪我をするのが踊る〜の映画でのお約束ですが、今回はそっちに来たのね、と。しかし、あんな手に引っ掛かるとは鳥飼さんは切れるのかそうでないのか（苦笑）。完全に逆切れしていた小木さんでしたが、あればかりは青島君は悪くないよ、と画面に向かって突っ込みたくなりました。
実は、かなり最後の最後まで彼が黒幕だと疑う＆期待していたのですが、さすがにそうしてしまうと「踊る〜」ではなくなってしまうかな。
新城以上に難物そうで、今後の室井さんとの対立が楽しみな人物でした。
しかし、新城さん今回は何故出てこなかったのかなぁ。
真下君の配属は、登場した瞬間から何となく予想していたとおりでしたが、見方によっては３アミーゴス以上に彼の下で働くのは旧知のメンバーにとっては複雑かも
と、辛口過ぎることばかり書きましたが、中盤でようやくお馴染みのあの音楽がかかった時は、やっぱりわくわくしてしまったし、青島君とすみれさんのやりとりにじーんときたり。
ＳＰから加わったメンバーの夏美とすっかり出世した小池君は、どちらもなかなかいい味を出していてよかったです。
そして何といってもすみれさんこと深津絵里さん相変わらずいい演技しますね。お互いなかなか言い出せないシーンは、最終的にオチがあるとわかっていても、少しほろりときました。
和久さん亡き後、今度は彼女が陰からこのシリーズを引っ張っていくのかな、とちょっぴり思いました。
寺島進や小木さんが出てくるシーンは嬉しかったし。ドラマシリーズからずっと続くお約束のシーンではやっぱり懐かしさを感じたり、と娯楽映画という点ではそれなりに楽しめました。
そういえば、新湾岸署での対策会議の際、緒方君が言った「オリンピックが来るからここ作ったのにオリンピック来ないじゃないですか」という台詞が何故かやけにツボでした。
欲を言えば、今回青島君と室井さんの絡みが最後以外なかったのが、少し残念でした。室井さんの部署も変わり、直接所轄と関わることが仕事上ないので仕方がないと言えば仕方がないんだけどね。
実は、見るまではこの映画は踊るの完結編だと思っていて、最後くらいは劇場で見ようかという思いもあったのですが、ラストシーンを見て、まだまだ続くんだと知りました。織田君自身が今後も乗り気みたいだし、何よりフジとしてもこれだけのドル箱を簡単には手放したくないないんだろうな。
せっかくの人気シリーズ、今後も続けるのなら、次からはもう少し物語そのものをじっくり作ってほしいなと思います。ドラマシリーズは今見てもやっぱり面白い、と思いますもん。
ところで、最後のエンドロールの終わりの方で２００８年に本当に湾岸署が出来た云々という文が流れるのですが、これ、作り手としてはこれ以上ない嬉しさだったんだろうな、と思います。そういう部分もちょっと調子に乗り過ぎた一因を作ったのかな、という気がしないでもないけれど(^^ゞ。
そんなわけで、色々言いたいことも沢山ありましたが、久しぶりに青島君の元気な姿を見られたのはやっぱり嬉しかったかな。
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