南西ドイツフィルwith庄司紗矢香
2010.06.16 Wednesday
今夜はモツレクの練習をお休みして、南西ドイツ・フィルハーモニー交響楽団の演奏会へ行ってきました。
久しぶりの紗矢香嬢の生演奏が聴ける、ということで公演を知った時から指折り数えてこの日を待っていました。
一番のお目当ては紗矢香嬢によるプロコのヴァイオリン協奏曲ですが、それと同じくらい南西ドイツフィルの演奏もとても楽しみにしていました。
何たって地方ではなかなか、こういった外国のフルオケの生演奏を聴く機会はそんなになく。今夜はどんな音を聴かせてくれるのか期待に胸膨らませて音楽堂へと足を運びました。
OEKの第282回定期公演と銘打っているものの、上記のとり今回は海外のオケ+ソリストを招聘しての演奏会。ただ、2部はOEKのメンバーも若干オケに混じっての演奏でした。
1曲目はモーツァルト 交響曲第31番「パリ」
しょっぱなから硬質なでもとても明るいハーモニーがホールいっぱいに鳴り響きます。世界にその名の轟かせている有名オケのように、聴いた瞬間うわーっと大感激するようなそんな音ではないけれど、音質が明るく、モーツァルトらしい華やかさが感じられる演奏でした。このホールでこんな音がするんだなぁと新鮮な感覚でした。
2曲目はお待ちかね、庄司紗矢香嬢を招いての
プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第2番
やや久しぶりに見た生紗矢香嬢は、遠目にも以前に比べてかなり大人っぽくなった印象。でも、ニコっと笑った顔の愛らしさは変わらず。朱赤のドレスに身を包んでの登場。日本人の若手ソリストの方々は聴きに行くと、何故か皆さんシックな装いの方が多い中、今回もプロコにふさわしく(?)赤。そういうところも妙に嬉しかったです。
さて、偉そうにプロコのヴァイオリン・コンチェルトなんて書いてますが、実は聴くのはこれが初めて(笑)。でも、まぁプロコだからかなりマニアックな曲を想像したとおり、随所にプロコフィエフらしい遊び心溢れる、色んな意味で斬新なコンチェルトでした。
個人的に紗矢香さんと言えば、太っい豊かな低音とこれまた迫力満点の重音が魅力なのですが、最初のG線からの主題が奏でられた瞬間、音色の艶やかさに、以前との確かな違いを感じてわくわくしてしまいました。
本体の中にターボチャージャーが仕込んであるのでは?と勘ぐりたくなるほどの音の豊かさはそのままに、以前は時折見られた少々荒削りっぽい部分が抑えられ、その分情感たっぷりな音色に、すっかり惹き込まれてしまいました。しかし、ピチカートであの音量が出るって……、凄すぎて唖然とするしかありません(^^ゞ ピチカートと言えば、オケとソリストが一体となってのピチカートの応酬も楽しかった〜。
2楽章冒頭の木管のポンポンというリズムに乗って奏でられる美しい旋律との調和もたまらなかったです。
メンデルスゾーンやチャイコ、ブラームス等メジャーどころのヴァイオリン協奏曲では、3楽章は速いテンポで軽快なメロディーを奏でるのが定石ですが、この曲では3楽章が一応ロンド形式を取りながらも、ものすごく個性的な旋律の連続で、新鮮な楽しさを味わうことができました。
この3楽章、ソリストの大変さは言わずがもな、ですがオケのヴァイオリンパートもこれは並のオケじゃ弾きこなせないフレーズの連続で、ソリスト、オケどちらにも脱帽でした。
曲が進むにつれてどんどんエンジンがかかってきた感じで、最後の方はもう聴いていて圧巻のオンパレード。
これだけ難解な曲をあそこまで自分のモノにして弾きこなしてしまうとは、恐れ入りました。彼女の来沢を心待ちにして来た甲斐がありました(^-^)。
アンコールは、バッハの無伴奏パルティータ1番。
何というか紗矢香節、炸裂なバッハで聴衆を圧倒でした。
こういう内に秘めた強さを爆発させるような曲は、彼女の醍醐味というか十八番みたいなモノなんだろうけど、たまには優しい穏やかな曲も聴いてみたいな、とらしすぎる演奏を聴きつつ、ふと思ったりしました。
何はともあれ、今回もわくわくしっぱなしの演奏でした(^-^)。
休憩を挟んでの2部は本日のメイン。
ドヴォルザーク 交響曲第8番。
1部より明らかに人数が増え、最上段にずらりと並んだTrp,Tb,Tubaに思わずにんまり。
ドヴォルザークの交響曲と言えば、何と言っても9番「新世界」が有名ですが。8番て多分、知ってるけれどどんな曲だったっけ?とこれまたあやふやなことを思いつつ始まった途端、1部とは打って変わった音色に自然と頬が緩みます。
硬質さは残しつつも、何とも言えないほっこりとした温かみを感じさせるハーモニー。全体的にすっきり無駄がない音色ながら、時折うわっとこちらの心をわしづかみにするような中低音の厚みのある音色にうっとりさせられっぱなしでした。
解説に、チェコ・ボヘミアの濃密な色彩に満ち溢れ、とあるとおり聴いていると自然とチェコ・ボヘミア地方の美しい山や湖や中世の趣がそのまま残る佇まいが浮かんで来ます。
今回の指揮者はギシリャ出身のヴァシリス・クリストプロスでしたが、ものすごく見た目も情熱的な指揮ぶりで、全身から迸る思いがオケにそのまま伝わっている感じで、若いっていいなぁーとつい、年よりじみたことを思ってしまいました。
楽しいな〜と思うまま、どんどん楽章は進んでいき、3楽章になった途端、
あーこの曲知ってるわ、とようやく思い至りました
お馴染みのワルツ風の旋律がとにかく心地よく、こういう色って日本人には出せないよなぁとしみじみ。
続くこれまた、金管をかじったことがある人にはお馴染みのトランペットのファンファーレで始まる4楽章は、迫力満点で弦と管の掛け合いというかせめぎあいが、とにかく楽しくて。このオケは上に挙げた弦の魅力はもちろん、個人的にクラリネットと首席トロンボーンに惚れました。久々に聴いたトロンボーンの豊かな音色、ほんっとに楽しかったです。
気持ちいいくらいの大音量に、このホールでこんな音が出せるんだ、と当たり前だけれどなかなか体感できない心地よさに感激しきりでした。
近年は、9番より8番の方が人気の時もある、とプログラムにありましたが、私も断然8番の方が好きだー!とこの日の演奏を聴いて思いました。
鳴りやまぬ拍手に応えてのアンコールは、これまた期待どおり(?)
ドヴォルザークのスラブ舞曲8番。
アンコールの直前、助っ人に加わったOEKのパーカッションメンバーがシンバルを手にしたのを見た瞬間から、これを期待していたので最初の音が鳴った瞬間嬉しくてとびはねそうでした(笑)。
日本人にしか出せない音、リズム感があるように、この手の曲はやっぱりヨーロッパのオケで聴く格別さはたまりません。
今宵も楽しすぎる演奏会の余韻に浸りつつ、幸せ気分で帰路につきました。
ちなみにこの日、音楽堂のホールへの階段を登り終えた途端、今度自分たちが出演する演奏会のポスターがいきなり目に飛び込んできて少し驚きました。
それを見た瞬間、オケはともかく合唱は間違いなく下手だけど(大汗)、お金を取って聴かせる以上、少しでもマシなものを聴かせなきゃ、練習しなきゃという思いを新たにしたのでした。
歌は悲しいくらい素人なので、本当に自分でも時にとてももどかしくなるけれど、練習中、つい「笑ってる場合じゃないでしょ!」と思ってしまうことがしばしばあるこの頃。音取りくらい家でしてこい、(高い音が)出ないなら無理に張り上げるな、これ、学生時代なら間違いなく指揮棒が飛んで来てるよ!と心の中で確信する一方で(最悪に偉そうですみません)、寄せ集めのアマチュア集団で、ましてや外様も外様な身で必要以上に熱くなってどうする、という冷静な突っ込みを入れつつも、色んなことがジレンマです。
このメンツ相手にいつもにこやかに指導してくれる先生って凄いよなぁとしみじみ。
自分達だけの演奏会だったら、何もここまで厳しいことは思わないけれど合同って楽しい反面、責任も重い分楽しいだけじゃダメなんだよなーと。
何はともあれ、他人のことより素人なりにも、もう少しマシな歌い方が出来るように、迷惑かけないように頑張らなきゃ。
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