無痛
2008.10.25 Saturday
このところ週末になると、来月の17キロに向けてせっせとウォーキングに精を出しています。
今日は久しぶりに伏見川沿いを歩いてみたら、時節柄マガモくん達の群れがたくさんいて、バシャバシャ音を立てて泳いでるのがいるかと思えば、首を丸めた身体の中に突っ込んで、パッと見は丸い茶色い石にしか見えない集団もいたり。春先に我が家でちょっとしたブームになったスズガモには敵わないけれど、鳥好きにはかなり癒される光景でした。
でも、あの首を身体に突っ込むのはお昼寝をしているのか?気になります〜。
平日は沢山歩けないのでなるべく歩いたり階段を使うように心がけていたら、心なしかふくらはぎにちょっぴり筋肉がついたような(苦笑)。
でも、おかげでちょっとした距離を歩くのは苦痛ではなくなりました。せっかくなのでもみじウォークが終わっても寒いけど、出来るだけ歩く習慣を続けられるよう頑張ろうっと。
さて、少し前に読んだ本の紹介を。
無痛 (幻冬舎文庫 く 7-4)
大体ここで取り上げるのは読んで面白かったものが多いのですが。今回は例外中の例外。かつてない辛口になると思いますので、それでもOKな方のみ下からどうぞ。
数日前の新聞のコラムに掲載された”最近の書籍の新聞広告はとにかく過大なものが多く、やたら絶賛につられて読んでみると、ただ長いだけの駄作がなんと多いことか”、という内容に確かにそのとおり、と大きく頷いてしまったのですが。今回のこの作品も文庫化にあたり、連日のように大絶賛の煽り広告につい釣られて購入してしまい大失敗したクチでした。
あんまり大きな声で言えないですが(って世界に向けて発信してるけど)幻冬舎の書籍って一気読みする分には面白いけれど、繰り返し何度も読み返して味わいたいものって少ないような気がします。
と前置きはこれくらいにして。
amazonより簡単なあらすじを。
見るだけですぐに症状がわかる二人の天才医師、「痛み」の感覚をまったく持たない男、別れた妻を執拗に追い回すストーカー、殺人容疑のまま施設を脱走した十四歳少女、そして刑事たちに立ちはだかる刑法39条―。神戸市内の閑静な住宅地で、これ以上ありえないほど凄惨な一家四人残虐殺害事件が起こった。凶器のハンマー他、Sサイズの帽子、LLサイズの靴痕跡など多くの遺留品があるにもかかわらず、捜査本部は具体的な犯人像を絞り込むことができなかった。そして八カ月後、精神障害児童施設に収容されている十四歳の少女が、あの事件の犯人は自分だと告白した、が…。
久坂部氏の作品は『破裂』以来。2作を読んで一番感じたことは、この人は後味の悪い小説を書かせたら天下一品だな、と。
ただ『破裂』は後味が悪いながらも、それなりに説得力があって作者の言いたいことも充分伝わってきて色々考えさせられたのに対し、今回のは続きが気になり一気読みしたけれど、それだけでした。
新聞広告では現代のブラックジャック対ドクターキリコ、という煽りが出ていましたが、はっきり言ってどこが??でした。主人公の為頼=BJ、アンチヒーローの白神=キリコということなのでしょうが。その例えは手塚治虫氏にあまりに失礼なのでは、と思ってしまいました。
破裂の時にも感じましたが、まず登場人物がどれもあまりにステレオタイプ。悪役はここまで酷いヤツいる?(実際、そういうどうしようもない人も中にはいると思いますが)というくらいとんでもない人間ばかりで。特にヒロインに嫉妬する同僚のハイミスの女性の描かれ方の酷さは同性として非常に気分の悪いものでした。
彼女だけでなく、全体的に登場人物に対する作者の愛情というのが感じられない作品は読んでいて辛いです。
後半にあるスプラッターシーンも正直不要だと思いますが、もしかしたら医者ならではのリアルな描写をしたかったのかな、とも思ったり。
刑法39条を絡めたのは、色々考えさせられる部分もありよかったのですが、結局中途半端で終わってしまい消化不良。さらに犯人をいわゆる身障者にしてしまったのはちょっと……でした。
たまたま最近読んだ「閉鎖病棟」がそういう人達への視線の暖かさをすごく感じさせる作品だっただけに余計そう思うのかもしれませんが、もしかしてこの作者は極度に人間というもの、医学界を憎んでいるのか?と思ってしまいました。
白神が掲げる意見には、嫌悪を感じつつも確かになるほどと思う部分もありますが、そういう部分にスポットを当てたいのであればもう少し別の手法があったのではないか?と思います。
読ませる力量、文章力は相変わらずの凄さだけに非常に残念です。
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