カルメン
2008.03.07 Friday
今夜は歌劇座館名改称記念として開催された『カルメン』を見てきました。
クラシックは大好きで演奏会にも時々足を運びますが、歌劇=オペラは苦手(^^ゞ 昔、一度だけ誘われて見に行き、うーんどうしてもこれは馴染めない、と思って以来全く縁がなかったのですが、今回の主役の方がたまたま母校の後輩で昨年メサイア公演でご一緒させてもらった際に行きますね!と約束した&「カルメン」なら曲だけはよく知っているので、たまには違ったものも見ようかな、と思い行ってきました。
今回の公演は主役の方を始め、各ソリストにも地元出身の方が多く、地元の合唱団&オーケストラがバックを務め、舞台製作、衣装、照明、ヘアメークなどを金沢美術工芸大学&北陸先端科学技術大学院大学、金沢ビューティーアカデミーの学生が担当。
緞帳や舞台のセットなど、手作り感に溢れていて(でも、美大生作なので絵などはとても本格的)、客席も今回の公演に携わった人の親戚友人知人一同でいっぱい、といった感じでとても温かいステージでした。
ストーリーも知らずに見に行ったのですが(汗)、それが余計に新鮮でお馴染みの名曲の数々は、実はこういう内容の歌だったのね、と今更ながら納得。
曲によっては、思わず某ロシアスケーターや某全米チャンピオンが浮かんできたり(苦笑)しながら楽しく鑑賞。
各ソリストの方の歌声も素晴らしかったですが、それ以上に合唱団がよく声が出ていて各パートのバランスが良く、とてもよかったです。
あれだけ綺麗にソプラノが出ていると気持ちがいい&全員でわーっと歌ったときの響きはかなりの迫力でした。
特に、あのものすごーく有名なカルメンと言えばコレ、ともいえるお馴染みの早いフレーズ(楽器で演奏しても本当に楽しい&あの部分のシンバルが大好き 笑)を大合唱で歌われた時には、うわーすごいっと素直に感動してしまいました。
2階席だったので、はっきりとはわからなかったけれど、色とりどりの衣装も楽しく、思わずこういうのだったらやってみたいなーなんて思ったほど。
練習時間や平日が本番などを考えるとまず無理ですが、そういう面から見ても舞台に上がっている合唱団員の方々の努力は大変なものだったんだろうなーと鑑賞しながら頭が下がる思いでした。
ソリストではドン・ホセとミカエラ役の方の歌声に聞きほれてしまいました。あ、闘牛士の歌もよかったな。
カルメンはとっても貫禄があって、堂々とした歌いっぷりが流石というか凄いなーと。
カルメンはアルトが務める役だと聞いていたのですが、思ったより高音がバンバン出てくるのにはびっくり。歌声自体も低音より高音部の方が豊かに聴こえたので本当はメゾソプラノくらいの方なのかな、という気もしたのですが、歌モノは詳しくないのでよくわかりません。
面白かったのは、各ソリストがハバネラや闘牛士の歌、などソロの曲を熱唱し終わるごとに拍手が起こること。
管弦楽や室内楽だと途中のフレーズや楽章がどんなに素晴らしくても、楽曲そのものが終わるまで拍手はしないので、オペラってそうしてもいいんだー、宝塚などでトップスターが熱唱するごとに拍手をするみたいなものなのね(←その例えはどうよ、といわれそうですが真っ先に思い浮かんだのがアレだったので)と、オペラ好きからしたら呆れられること必至なことに感心しきりでした。
確かにとっても素晴らしい熱唱をされると、すぐに拍手したくなるもんね。
全4幕はさすがに長かったけれど(しかもあの狭っ苦しい観光会館の椅子で3時間半は殆ど拷問に近いものがありました 苦笑)、オペラも意外と楽しいなーと初めて思わせてくれたいいステージでした。
日本人でもこれだけ聴かせてくれるのなら、本場の人が演じたらどんなに凄いんだろう、聴いてみたいなという思いがちょこちょことわきあがってきてます。
欲を言えばOEKの演奏がもうちょっと上だともっとよかったんだけどね。
弦とリード楽器+パーカッションは◎なだけに、余計ストレスを感じてしまいました。。
あ、そうそう。カルメンてラストはあぁいう結末なのね。
カタリーナ・ビットが演じたカルメンのラストのポーズの意味を20年も経てようやくちゃんと理解出来ました。
今の技術の目で見るとショボイ、という声も聞かれますが、あの見るものをシーンとさせてしまうビットならではの世界は、当時も今もやっぱり名演だと思います。
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