クライマーズハイ
2007.09.30 Sunday
ついこの間まで暑い〜暑い〜と言っていたのが嘘のように涼しくなりました。今日は1日何だか肌寒く、とうとう冬のお布団まで引っ張り出してきてしまいました。
昨夜の甲子園最終戦。残念ながら勝利を飾れませんでしたが、最後の最後に広大がバックスクリーンに放り込んでくれてもやもやが晴れました
しかし、雨の中あれだけのお客さんが残ってくれたのに挨拶もなしだったのは、ちょっと寂しかったというか拍子抜けしてしまいました。
いつか最終戦を見に行きたいものです。
今年は色々何だかんだと不満もいっぱいあったけど(^^ゞ、桜井、林、上園、渡辺等若い選手がいっぱい出てきてくれたおかげで、いつになく試合を見るのが楽しみでした。来年は皆レギュラーに定着してチームを引っ張っていくくらいになってくれますように!
新しくなった甲子園での活躍が今から楽しみです。
さて、少し前に読み終えていた本の感想を。
クライマーズ・ハイ (文春文庫)
横山 秀夫
1985年8月12日。羽田発大阪行JAL123便が群馬県上野村の御巣鷹山に墜落。乗客・乗員合わせて520名にも及ぶ死者を出した未曾有の大惨事。
事故から20数年を経た今でも尚、多くの人の記憶に残る、この事件を追った地元新聞記者達の姿を描いたベストセラー。
2年前にNHKがドラマ化、昨年再放送され、現在はDVD化もされているそうですが、ドラマを見ていないので全くどんな内容か知らずに読み進みましたが、先入観がない分却ってよかったです。
ベストセラーなので、既に各地の書評で多くの方が絶賛されていますが、掛け値なしに面白い!
作品中の台詞にもあるように「もらい事故」として突然振ってきた金メダル級の事件に右往左往する記者達の姿を、これでもか、という臨場感でもって活き活きと描いています。
著者は当時、群馬・上毛新聞の記者として実際にこの事故の取材に携わっていたそうですが、その経験を余すところ無く伝えるリアルさが怖いくらいです。
新聞社、それも地方の小さな新聞社ならではのしがらみや、うんざりするような人間関係など、読みながら思わず、昔、仕事の関係で垣間見た地元の新聞社のことを思い出し、どこも似たり寄ったりだな、と苦笑してしまいました。
主人公である悠木は決して優秀な記者ではなく、寧ろ不器用なはみ出しモノ。上司に疎まれ、部下からも尊敬されているとは言いがたく、家に帰れば息子との不和に悩む、いわゆるどうしようもないくたびれた中年オヤジ。
全くカッコイイところなんてないけれど、読み進むうちにその人柄にどうしようもなく惹かれていきます。
嫉妬の塊のような同期の連中や、報道のあり方よりも権力争いに奔走する上役たち、悠木を山の世界に誘った安西。どの男たちも情けない、醜い姿を晒しているにも関わらず、不思議と怒りの気持ちが沸いてこない。
件の日航機事故を扱った作品では、山崎豊子の『沈まぬ太陽』が上げられますが、あの作品では1人強力な悪役といえる人物が設定されていて、多くの読者の怒りが彼に向かうような描写があったのとは対照的な気がしました。
『沈まぬ太陽』は本当に事故の当事者たる日航側を舞台に描いたため、そういう人物の存在がどうしても必要だったのかもしれませんが、あの作品に限らず山崎作品には、各書に悪役設定がされており、その辺は作者の作風なのかもしれません。
ただ、個人的には読後もやり切れない思いがどうしても拭えなかったので、この作品は少々強引な部分もありますが、読後が爽やかだったのがよかったです。一仕事終えたような高揚感を味わえました。
悠木の生き方は、組織人間としては失格という烙印を押されてしまうものかもしれないけれど、ある程度長く会社・組織というものに携わってきた人間なら、一種の清々しさ羨ましさを感じる部分がある気がします。
どちらかというと男性が好きそうな小説ですが(^^ゞ、熱い世界が好きな人にはお薦めです。
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