ペルシア文明展
2007.07.29 Sunday
今日から恒例の年に一度の甲子園観戦ツアー。
朝イチで参議院選挙の投票をすませ(ちなみに今回のBGMはモーツァルトの交響曲第40番。曲名はわからずとも多分、誰もが一度は耳にしたことがある最も有名な交響曲のひとつ)9時過ぎの電車で大阪へ。
途中、滋賀に入ったあたりからそれまでどんより曇っていた空が明るくなってきて絶好の野球日和を予感させてくれました。
大阪に着いたらまずはお昼ご飯。というわけで手っ取り早く駅ビルのアクティ大阪16Fにある蕎麦と炭火串焼 -Gen- 弦
事前にネットで調べて行ったのですが、日曜のお昼時だけあってお店の前に少し行列が出来ていました。
待つこと数分。案内された席は掘り炬燵仕様の窓際。眼下に阪神百貨店が見えます。駅周辺に林立するビルの屋上にはこの時期らしくビアガーデンも。
でも、真昼のビアガーデンは当然のことながら閑散としていました(^^ゞ
さて、大阪といえば親子丼。何でやねん!と突っ込まれそうですが、大阪の丼ってお出汁が効いていてとっても美味しいのです。
年に数回は関西に来ることがあっても、ここ最近はなかなか食べる機会がなかった親子丼を今日は久しぶりに食べました。
しかも1日30食限定の地鶏炙り親子丼
コラーゲンたっぷりのお吸い物もついていたのですが、こちらの方はちょっと脂っこいというか味がしつこくてイマイチでした
が、丼の方は炙った地鶏が貝のような味わいでふわふわ卵に関西風の出汁が効いていてとっても美味!
食べた後は汗びっしょりになりましたが、量も丁度よくこの味で1000円でおつりがくるのはかなりのお得感がありました
ちなみに店名のサブタイトルになっている蕎麦の方は、注文した蕎麦通の家族によると「………」とのことでした(苦笑)。
程よくお腹が膨れたところで今回のもうひとつの目当てペルシア文明展を見に大阪歴史博物館へ。
2000年に建てられたここへ来るのは初めて。モダンで大きな建物を見上げながら中に入るといきなり目に入ったのが「水木しげると妖怪たち」という催し物と”どーもくん”
???と思ってよーく見ると、、この大阪歴史博物館とNHK大阪はお隣同士だったのですね(^^ゞ 何にも考えずに前を歩く人についていったら間違えてNHKの方に行ってしまってました。
でも、NHK大阪といえば現在秋からスタートする朝の連続小説『ちりとてちん』の撮影が行われているところです。もちろん日曜なので撮影はお休みなのですが、建物だけでも入れて嬉しかった〜。
単純すぎと笑うことなかれ。田舎モノにすれば、行く機会もないところなので偶然とはいえ、ここなのかーと実感できただけで大ラッキーなのです。
気を取り直してペルシア文明展へ。
50年ぶりの大公開!の謳い文句で、主催でもある某新聞にて大々的に宣伝されているこの展覧会。日曜な上に夏休み期間なのでかなり混んでるかも…と覚悟したのですが、いい感じに空いていて見やすかったです。
エジプト展あたりは各地で人が押し寄せますが、個人的には四大文明の中ではメソポタミア文明が一番好きなので、その流れを汲むこのペルシア文明展もすごーく楽しみなのです。
一般にペルシャといえばペルセポリス遺跡で知られるアケメネス朝ペルシア、日本でも奈良時代にシルクロードを通じて交易のあったササン朝ペルシアが浮かびますが、その時代の王朝遺跡からの出土品だけでなく、アケメネス朝以前のエラム王国時代のモノも展示されていました。
6Fと7Fに別れた展示は、7Fがエラム王国時代から古代ローマ帝国の東方問題として常に頭を悩ます存在であったパルティア王国時代から一大帝国を築いたアケメネス朝時代初期の作品を中心に展示。
7Fの目玉は各時代に流通していた通貨(コイン)=銀貨 時代が新しくなるにつれ、最初は豆粒ほとだった通貨が徐々に大きくなっていったのがよくわかります。1つ1つに拡大鏡を当てて展示してあるので、描かれた王の顔をじっくり見ることが出来るのも嬉しい配慮でした。
また、土器の中には古代エジプトの神であるホルスやイシスを模写したと思われる絵が描かれているものもあって、ペルシャ帝国がエジプト領域にまで及んでいたことを実感させてくれます。
現代の北アフリカは遺跡と砂漠のイメージですが、古代世界では北アフリカは豊かな果実が豊富な肥沃な地でカルタゴを中心に交易で栄えたことが知られています。
7Fから6Fへはエスカレーターで移動するのですが、その踊り場がちょっとした展望場になっていて思わぬものを見られました。
ガラス越しなのでちょっと見づらいですが大阪城です。何度も近くに行ったことがあり、中にも入ったこともありますが、この角度から見るのは初めてだったのでかなり新鮮でした。
でも、せっかくの景色なのにすっかり林立してしまった高層ビルが恨めしい〜(><)。
こちらはお堀。やっぱり大阪城のお堀は大きいなぁ、と地元の菱櫓の横に申し訳程度に再現したしょぼいお堀(笑)を思い出して比べてしまいました。
6Fの方が展示物が沢山あります、と係りの方が言われたとおり、大物はこちらにありました。
ペルセポリスの遺跡の大写真や、遺跡についての詳しい解説も見ごたえがありましたが、何と言ってもこの黄金の輝きには適いません(笑)。
別名、黄金の部屋(ってそんな名前はついてなかったけど、あまりにキンキンキラキラ眩しかったので勝手に命名)
これぞアケメネス朝の栄華を示す純金で作られた品の数々に圧倒されまくりでした。
中でも目を引いたのが、チケットにも写真が載っている有翼ライオンの黄金のリュトン。
リュトンとは酒器で祝い事などに使われていたようです。
他にももう少し大きなリュトンもいくつかあり、そのどれもが純金100%
各品は全てガラスケースの中に入れられているのですが、皆考えることは同じらしく、私も含め多くの人が背伸びをして底まで金なのか確かめてました(笑)。
しかし、これだけ贅沢に金を使ったせいで鉱物を掘りつくしてしまったのか(?)、古代ローマ帝国を滅ぼしたササン朝ペルシアの時代になると金製品は殆どなく、銀やガラス製品が主流になっているのが興味深いです。
また、古い時代のものは楔形文字に代表される、この地方やバビロニア色が見られるのに対し、ササン朝時代になるとはっきりとギリシア色が見られるのも歴史の流れを実感させられました。
今の時代でイランといえば、イランイラク戦争以降、常に何らかの争いごとを抱えているちょっぴりおっかないイメージがありますが(汗)、そのイランが古代世界では、日本がようやく竪穴式住居で集落を作り始め、やがて高床式へと変わり、ゆっくりとよくいえばじっくり農耕民族として成長していく間に、何度も覇権を取り一大帝国を築き上げていたと思うと、純粋に凄いなぁと感嘆を覚えるとともに、世界の大きな大きな歴史の移り変りに何ともいえない不思議な気持ちになります。
そんなわけですっかり満足して梅田に戻ってきた私の目に飛び込んできた1枚のポスター。そこには先日、地元で見たナスカ展の表示が(苦笑)。
50年ぶりの大公開につられ、今しかない!と意気込んで見に行ったけど、、これ半年〜1年後には地元でも見られるのかも(^^ゞ
ま、でも大阪歴史博物館新しくてとっても綺麗だったし、大阪城も見られたしこれでいいのだーと信じることにしよう。うん。
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