破裂
2006.09.22 Friday
今日は先日から書こうと思いながら、なかなか書きそびれいてた本の感想など。
ここ最近、遠出をする際に長〜い本を携帯することが多いのですが、先日COI静岡公演に行ったときに車中で読みふけっていたのがこれ↓
破裂
久坂部 羊
発売時に新聞広告にも載っていたオビの”医者は、三人殺して初めて、一人前になる。”というセンセーショナルなコピーが気になり、ずっとどんな内容なのか気になってましたが。
ものすごーく乱暴に言ってしまえば、「白い巨塔」と「太陽は死なない」を足して割ったものに、老人医療と安楽死という禁断のスパイスを振りかけてみました、という感じでしょうか。
見かけは医療ミスを題材にした、大学病院のドロドロが絡んだ裁判モノかと思わせておいて、実のところは高齢者問題にとんでもない手法でもってメスを入れようとする役人の話でした。
ジャーナリスト、医者、厚生省の役人、医療ミスの被害者等、色んな立場の人物が入り乱れて物語が展開していき、読み出したら止まらない勢いで一気に読んでしまいました。なかなか面白い本でしたが、主要登場人物の描かれ方が、いかにも的なステレオタイプなのがちょっぴり気になりました。
完全な悪役として描かれいてた大学病院の教授の最後が、あーやっぱりねというものだったり、色んな種を撒き過ぎてラストが希薄な感が否めなかったり、いくらなんでも、一介の中間管理職に過ぎないお役人がそこまで好き勝手には出来ないのでは?と思ってしまう部分もありますが、全体としては読み応えのある内容でした。
特に老人医療と介護についてのリアリティー溢れる描写は、誰もがわかっていても目を背けてずっと先送りにしている、少子化と高齢者問題についての現実を突きつけられた気がします。
「ピンピンぽっくり(PPP)」(ピンピン生きてぽっくり死ぬ)を謳った人口統制を行う佐久間のやり方は、作中にもあるようにファシズムの思想だけれど、実際に自分が介護の必要な立場となってしまったら、、と考えずにはいられませんでした。
さて、せっかく気持ちのいい季節なので次はもう少し明るい爽やか系なモノを読みたいと思います〜。
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Comments
この作家さん、「廃用身」を書いた人ですよね。読ませる作家さんです。私は「破裂」は読んだことありませんが、作風わかります。
リアルな怖さがありますよねーー。「廃用身」もそうでした。読後感が結構重いんですよね、精神的に。なので、次作を読むのに二の足を踏む作家さんでした。ーー;これは何作目なんでしょう?
Comments
「廃用身」読まれたのですね。そうです、同じ作家さんです。私は逆にあっちはトライしてませんが、ネットで感想などを見てみると、あれもリアルな怖さは「破裂」以上みたいですね。
そう、読後感が重いんですよー。読ませるんだけど、けっこう日ごろ考えないようなことを、それもマイナス方向に考えさせてしまう読後感ですね。
「破裂」は2作目。今年「無痛」というのを同じ幻冬舎から出したそうですが、私も他の作品はちょっと躊躇います(^^ゞ
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