ひろしま
2019.08.19 Monday
昨日の昼間、ご飯も食べて少し元気が出てきたので金曜深夜にEテレで放映していた『ひろしま』を見ました。
この映画の存在自体、先日同じくEテレで映画ひろしまについてのドキュメントを見て初めて知りました。
広島に原爆が落とされてから8年後、広島の日教組が主体となり原爆の真実の姿を伝えるために製作されました。
映画には当時の本当に被爆した方や原爆を体験した広島市民8万人以上がエキストラとして参加し、実際に戦時中に使用された防具や衣服等を使用。
出演者の1人、往年の大スター・月丘夢路さんは所属する映画会社以外の作品には出演してはいけないという不文律が当時あったそうですが、広島出身としてどうしても出演したいと粘り強く交渉を重ね、ノーギャラで出演されたそうです。
完成したものの、公開前に当時の社会情勢を考慮して反米色が強い、と配給元の予定だった松竹が拒否。広島、長崎での自主上映が行われた以降、お蔵入りとなり人々の記憶から忘れられた作品でした。
製作者の子孫が後世に残したいと働きかけ、ハリウッドの会社がデジタルリマスター処理を施し復元。近年ようやく陽の目を見ることになりました。
簡単な内容は、原爆投下から数年が経ち復興し始めた広島のとある高校で、女子生徒の1人が授業中に倒れ原爆症と診断されたことをきっかけに生徒や戦後広島に赴任してきた担任が原爆について語り合い、あの日の記憶を辿っていく。
月岡夢路さんの出演は先の特番で知っていましたが、最初のタイトルロールで岡田英二、山田五十鈴、加藤嘉ら錚々たる大スターが名を連ねていて驚きました。梅津栄さんや若き日の松山英太郎さんも出演されていてびっくりでした。
被爆の様子がかなり忠実に再現されていて、実際よりかなり控えめになっているにも関わらず恐ろしかったです。見ながらこれ、モノクロだから耐えられるけれどカラーだったら恐怖で見られないだろうなと思いました。
実際の惨状は映像に収められているものを遥かに凌ぐと思うと、原爆の恐ろしさが身に沁みます。
子供の頃に見て凄い役者さんだと思った加藤嘉さんは、ここでも圧巻でした。被爆しながらも我が子を探し回り、やがて自身も原爆症を発症し死んでいくくだりがこれでもか、というくら見事に再現されていました。
原爆症ですっかり顔が変わってしまった父に対し、幼い娘が「お父ちゃんじゃないやい」と怯えて出て行ってしまう(しかもそのまま行方知れずになる)のはあまりに切なく。恐らく当時本当にそういうことがあったのだろうなと思わずにはいられませんでした。
原爆が落ちるその瞬間まで、人々はいつもの日常生活を営んでいて(しかも前夜に空襲警報があり解除されたばかりだった)、警報すら鳴らない中突然世界が一変する恐怖はどれだけ想像しても追いつきません。
戦時中の学校の様子も描かれているのですが、行進の様子など自身の学校時代と変わらないことに愕然とし、今更ながら嫌悪感を抱かずにはいられません。
被爆者への差別、決して救済されずひたすら死を待つのみの被爆者達の姿も淡々と描かれていて今も昔も変わらない社会の冷たさにぞっとしました。
もう一度見るか? と聞かれたら小心者で身勝手な私にはその勇気はないですが、この作品が製作されたこと、再び陽の目を見て公開されたことにとても感謝です。
次回、地上波で放映される機会があるのか不明ですが、1人でも多くの方に見てほしいと思います。
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