レミングスの夏
2014.10.15 Wednesday
ここしばらく図書館にせっせと通っては、あれこれ借りてきては読むのを楽しんでいます。読んでみたいけれど買うまでには至らない本が無料で読めるのはとってもありがたいのですが、人気のある本や古い本だと不特定多数の方の使用により、かなり傷んでいたり汚れていたりすることもしばしば。
そんな時はお手製のブックカバーをかけながら読むといいよ、というアドバイスをもらい早速実践しています。
さて、先日図書館の新着コーナーで目に止まったので借りてみたところ中々面白かった本の紹介です。
レミングスの夏
竹吉 優輔
本当に新刊らしく、始まりは2014年の夏。そこから4年前にあった出来事について主人公・千葉旭のモノローグの形で綴られていきます。
18歳、高校3年生の夏を迎えた千葉旭は周囲が受験一色へと染められていく中、1人取り残された気持ちを味わっていた。夏が来るたび4年前に自身が幼馴染とともに起こしたある戦い、それにより自分達は何を失い、何かを得たのか? ということを考えてしまうから。
あれから4年たった今、遂にその答えが出る時が来た……。
4年前旭と親友のナギ、そして小学校から大切な時間と思いを共有し続けている仲間達で一体何をしたのか? は読み進めていくうちにだんだんと明らかになります。ただその速度はどちらかというと緩やかで、特に4年前に彼らがコトを起こすきっかけとなった事件の核心については、かなり後になるまで明かされないため、少しもどかしい部分はありますが、少年少女達が起こした行動自体は、陰湿さを感じるような面がなく。
一体とういうことなんだろう? と思ううちにページを繰る手が止まらなくなっていきました。
彼らが幼少の頃に巻き込まれた事件の犯人に対する、法の裁きが及ばないのであれば彼ら自身の手で鉄槌を下すための戦いがベースですが、そこに現在進行形で起きている悪事への鉄槌も絡んできます。
それはそれで面白いけれど、悪徳教師のくだりはちょっぴり盛り込みすぎたきらいもあります。
事件を通して中学2年という多感な少年少女達、それぞれが思い揺れ動く様がいきいきと描かれており、旭やナギだけでなくそれぞれを応援したくなります。
犯罪を犯した人間が未成年であった場合、その内容に関わらず”更生の余地がある”として成人のそれより格段に罪が軽くなります。
犯人にはそういう恩情措置が取られるのに対し、被害者は決して帰ってくることがありません。自分の大事な友達がそんな目にあったら……。
そんな問題を子供の側の視点から捉えた本書は、扱っている内容自体は重いけれど読後感は何故か爽やかで、その後の彼らの未来にとても希望を感じさせてくれます。大人顔負けの手口に驚かされる一方で、口裂け女のような子供ならでは、の噂や怯えを上手く使った部分もあったり。
1人の少年のその後については、少々出来すぎ? と思ってしまうところもありますが、そんなところもひっくるめて少年少女達の優しさに思わずほろりとさせられてしまう1冊です。
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