私が、生きる肌
2012.08.19 Sunday
前回後で〜と言っておきながら、少し日が空いてしまいました(^^ゞ
お盆休み中に涼みを兼ねて一風変わった映画を見てきました。
今えいがと打ったらフィルムのえいがじゃなく、栄華が一発変換されてしまい驚きました。何故に? あんまりそんな単語を打った記憶がないんですが。
それはさておき。夏は大抵大作映画が公開されていたりするのですが、今年はこれだ!と思うモノがなく。せっかくなので、普段あまり見そうもないものにしようというわけで選んだのが「私が、生きる肌」というスペイン映画。
短いタイトルなのに、句点が入ってますが、見ると何故ここに句点が入るのか納得します。
スペインが生んだ巨匠ペドロ・アルモドバル監督が辿りついた最高傑作であり、究極の問題作だそうで。
と言っても映画通でもないので監督や俳優にとんと疎い身には、初めて聞く監督さんでしかなく
予告編とネットでの評判がけっこう凄かったので、それなりに期待していきました。
あらすじは、例によって映画サイトからの引用です。
謎めいた雰囲気を漂わせる女性ベラ(エレナ・アナヤ)は、全裸と見まがうしなやかな肢体に肌色のボディ・ストッキングをまとい、ヨガの瞑想に耽っている。彼女は画期的な人工皮膚の開発に没頭する天才形成外科医ロベル(アントニオ・バンデラス)によって幽閉されていた。ロベルが夢見るのは、かつて非業の死を遂げた最愛の妻を救えるはずだった“完璧な肌”の創造。あらゆる良心の呵責を失ったロベルはベラを実験台に、開発中の人工皮膚を移植し、今は亡き妻そっくりの美女を創り上げてゆく……。そして、ベラは一体何者で、どのような宿命のもとでロベルと巡り合ったのか……。
スペイン映画と聞くと、勝手にそれだけで情熱的なイメージが漂いますが、全編を通して鮮やか過ぎる赤が印象的で、そんなにあれこれ多くの色を使っているわけではないのに色彩がとても綺麗な映画でした。
衣装がジャンポール・ゴルチエだそうで。ヒロイン(と言っていいのか)の肌色や全身黒のタイツを始め、とても個性的な一度見たら忘れられないようなコスプレまがいの恰好の登場人物や脇役で登場する少女から大人まで各人物の服装がお洒落でそういう部分でも楽しめました。
衣装だけでなく、ロベルの屋敷の内装や、些細なシーンも凝っていて、冒頭〜前半で何度も出てくる、人口肌の研究シーンは壮大な化学の実験を思わせるほどの素人目にはやたら神秘的かつSF的な雰囲気が満載でかなりドキドキでした。
肝心のストーリーは、事前に目にしていた驚かされるとの評判どおり、途中少し中だるみする感じはあるものの、えーそう来るのか、としっかり驚かされました。多くの方が言われるとおり、かなり変な映画だと思うけれど、私はけっこう好きです。ラストの「私はビセンテ」と告白するシーンでは、彼の6年間の思いがこもった台詞に不覚にもうるっときてしまいました。
モラル、倫理的見地からするとロベルが行ったことは、とんでもないことだけれど、心情を考えるとマッドサイエンティストの一言で片づけるには気の毒過ぎるような思いが芽生えてしまい、途中までは何だか応援したいような気分で見てしまいました。
時間軸が途中で行ったり来たりするので、戸惑う部分もありますが、ラストに辿りついてから振り返ってみると、そこかしこに色んなヒントや各人の思いが隠されていたことに気づき、エンドロールを眺めながら余計にじーんときてしまいました。
やたら濃いアントニオ・バンデレスも素敵でしたが、ベラ役のエレナ・アラヤの美しさはただただ見惚れるばかり。容貌はもちろんですが、身体のラインがありえないくらい綺麗で。ヨガのポーズなんてお手本並の完璧な美しさでした。
と書いていると、美しい女性を巡る何だかえらくしみじみとしたいいストーリーのようですが、色々突っ込みどころ満載なトンデモない物語であるのは間違いありません。
毛色は違いますが「時計仕掛けのオレンジ」とかあぁいうのが好きな方は、けっこう嵌まる作品かもしれません。
ハッピーエンドではないけれど、最終的にはこれでよかったと思える結末でしたが、その後のビセンテがどうなるのか考えるとぐるぐる止まらなくなりそうです。
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