OEK第324回定期公演 7月13日 石川県立音楽堂
2012.07.13 Friday
今夜は毎度おなじみ、OEKの定期公演を聴きに音楽堂へ行ってきました。
今回の目玉は今をときめく(?)ダニエル・ハーディングが指揮をするということ。ハーディング人気とポピュラーな曲目のおかげも手伝ってか、いつになく大入りでした。
本日の演目は一部が
ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ニ長調
独奏:シン・ヒョンス
数あるヴァイオリン協奏曲の中でも、OEKで聴く確率がチャイコと並んでダントツなベートーヴェン。前回聴いたのは去年のラ・フォル・ジュルネでのオリヴィエ・シャルリエとの競演。
今回はソリストが韓国の方なので、かなり情熱的な演奏だろうなーと思っていましたが、かなり熱い演奏でした。
全体的にテンポがややゆっくりめで、どちらかというとややねちっこい印象。1楽章と3楽章それぞれにあるカデンツァがその名の通り、なかなか独創的な演奏でした。特に3楽章だったかの、ハーモニクスで奏でる部分を、まんま綺麗な高音で弾き切っていたのは、こういうのもありかと。
ただ、情熱的に弾きまくる分、全体的なテンポが掴みづらいのか、オケとの掛け合いが3楽章は特にもたついた感じになったのが残念でした。
協奏曲をやるといつも、このソリストと掛け合う部分でハラハラさせられるのですが、それって単純に準備不足というか、個々の適応能力の問題じゃないのかなぁ。
全体的に「今、ここでこのテンポで入っていいのかな?」という空気がオケの中にある感じで、きちんと掛け合いが出来ている奏者が逆に「え、もしかして今のタイミングで奏でちゃNGだった?」みたいな感じになってしまうのが、何とももどかしく。
あと、今回はハーディングの指揮の振り方が独特なため、それも合わせづらさに拍車をかけていたのかな、とも思いました。
でも、ベテランのソリストとの競演だとそこまでもどかしさを感じないこともあるので、一概にオケだけのせいとも言い切れないのかも。
薄めのオレンジピンクのドレスに金の靴、という衣装も日本人のソリストではなかなか見られない雰囲気で新鮮でした。
アンコールはパガニーニの24のカプリースより。
すみません、先日の神尾真由子もこれだったので、えーまた?というのが率直な感想でした。流石にテクニックは物凄かったです。が、うーん。。正直技術がものすごいのは先のコンチェルトで充分わかったので、アンコールはもう少ししっとりもしくはさらっと聴かせてくれた方がよかったな。
若いから、こういう激しいの弾きたいんだろうけどね。
休憩を挟んで第二部は本日のメイン。
ベートヴェン 交響曲第5番「運命」。
全曲は無理でも冒頭のあの部分を知らない人は探す方が難しい、と思われるくらい有名すぎる定番曲。
今回の公演にあたり、ハーディング氏は「ただの運命と思わないでください」とメディアのインタビューに答えていたそうで。休憩時にその話を聞き、一体どんな運命なのかな? と楽しみにしていたのですが。
いや〜〜確かに普通の運命じゃなかったです。面白いというか、色んな意味で独創的だけどすごく楽しい運命でした。
上手く言えないけれど、各パートの持ち味を引き出すのがとにかく上手いなぁと。
主旋律を聴かせるのはごく当たり前ですが、それだけじゃなく、この主旋律の裏では、この楽器とこの楽器でこんな風に掛け合いをしていて、それがこういう風に順番に絡みあって、メインの盛り上がりに持って行くんですよ、というのを見事なくらい気持ち良く聴かせてくれるので、目の前にスコアがなくても聴いていると勝手にスコアが頭の中に再現されていく感じで。
正統派な演奏が好きな人は受け付けない部分があるかもしれませんが、個人的にはめっちゃくちゃ楽しかったです。
ただ、指揮者のやりたいことは痛いくらいわかるんだけど、一部それについていけてない部分があるのが勿体ないというか、すみませんという感じで。
しかし、運命を生で通して聴いたのはかなり久しぶりでしたが、やっぱり名曲だなぁと。どのパートに着目しても聴きどころがあって楽しいし、最後にかけての盛り上がりの爽快感は格別です。
とっても楽しいひとときでしたが、もう少し大編成でハーディング指揮だともっと更に楽しいだろうなーと。機会があれば是非聴いてみたいものです。
ハーディングに関しては、春にラ・フォルジュルネで友人が言った「すごく運動神経がいい気がする」評がとても印象的で面白い表現だなと思っていて。今回、運動神経がいい指揮ってどんなんだろう? といつになく指揮者に注目していたのですが。運動神経云々はさておき、動きがとにかくしなやかで。きっと全身の筋肉が柔らかいんだろうなーと(って何じゃそりゃ、という感想ですが)。特に手首の柔らかさは惚れ惚れするくらいでした。
あ、でもあれだけひょいひょいと軽やかに動ける+ひと振りごとに装飾音符のようなオマケの動きがつく、ということは、やっぱり運動神経がすごくいいのかも。
アンコールは同じくベートヴェンの「コラリオン序曲」。
こちらもハーディング節炸裂でしたが、なかなかよかったです。
そんなわけで、今夜も楽しいひとときでした。
- ご報告 (08/16)
- 星野源見つけた (06/20)
- ポート入れ替え (06/14)
- 再入退院とドセタキセル その3 (05/23)
- 再入退院とドセタキセル その2 (05/13)
- ご報告
⇒ ユウキ (08/22) - 星野源見つけた
⇒ しおん (06/30) - 星野源見つけた
⇒ ひろりん (06/29) - 再入退院とドセタキセル その3
⇒ しおん (05/25) - 再入退院とドセタキセル その3
⇒ さくら (05/24) - 腸閉塞
⇒ しおん (04/07) - 腸閉塞
⇒ ひろりん (04/05) - 腸閉塞
⇒ しおん (04/02) - 腸閉塞
⇒ さくら (04/02) - パラサイト 半地下の家族
⇒ しおん (02/01)
- 横浜移籍!?
⇒ ニュースブログ (07/25) - ぶらり東京紀行その2
⇒ 山野楽器! (06/15) - ぶらり東京紀行その2
⇒ 山野楽器! (06/15) - ぶらり東京紀行その2
⇒ 山野楽器! (06/15) - ギンギラギンにさりげなく
⇒ デボネア日記 (06/02) - 日本一おめでとう!!そしてさよなら
⇒ ノラ猫の老後 (10/27) - COI静岡公演
⇒ Color Pencils (10/16) - 今岡復活!!
⇒ 続「とっつあん通信」 (09/29) - 8連勝!
⇒ 続「とっつあん通信」 (09/29) - 快勝!
⇒ 続「とっつあん通信」 (09/24)
- August 2020 (1)
- June 2020 (2)
- May 2020 (3)
- April 2020 (3)
- February 2020 (3)
- January 2020 (8)
- December 2019 (6)
- November 2019 (6)
- October 2019 (7)
- September 2019 (5)
- August 2019 (10)
- July 2019 (3)
- June 2019 (8)
- May 2019 (7)
- April 2019 (4)
- March 2019 (6)
- February 2019 (5)
- January 2019 (7)
- December 2018 (5)
- November 2018 (7)
- October 2018 (7)
- September 2018 (10)
- August 2018 (9)
- July 2018 (9)
- June 2018 (9)
- May 2018 (16)
- April 2018 (7)
- March 2018 (10)
- February 2018 (8)
- January 2018 (10)
- December 2017 (11)
- November 2017 (9)
- October 2017 (9)
- September 2017 (10)
- August 2017 (10)
- July 2017 (8)
- June 2017 (8)
- May 2017 (10)
- April 2017 (9)
- March 2017 (10)
- February 2017 (8)
- January 2017 (9)
- December 2016 (11)
- November 2016 (9)
- October 2016 (14)
- September 2016 (12)
- August 2016 (11)
- July 2016 (10)
- June 2016 (12)
- May 2016 (10)
- April 2016 (11)
- March 2016 (11)
- February 2016 (10)
- January 2016 (8)
- December 2015 (13)
- November 2015 (11)
- October 2015 (13)
- September 2015 (16)
- August 2015 (11)
- July 2015 (11)
- June 2015 (12)
- May 2015 (9)
- April 2015 (9)
- March 2015 (10)
- February 2015 (9)
- January 2015 (8)
- December 2014 (10)
- November 2014 (9)
- October 2014 (12)
- September 2014 (9)
- August 2014 (15)
- July 2014 (17)
- June 2014 (19)
- May 2014 (22)
- April 2014 (20)
- March 2014 (16)
- February 2014 (17)
- January 2014 (15)
- December 2013 (10)
- November 2013 (9)
- October 2013 (8)
- September 2013 (15)
- August 2013 (12)
- July 2013 (11)
- June 2013 (12)
- May 2013 (5)
- April 2013 (15)
- March 2013 (14)
- February 2013 (12)
- January 2013 (10)
- December 2012 (13)
- November 2012 (12)
- October 2012 (9)
- September 2012 (12)
- August 2012 (11)
- July 2012 (12)
- June 2012 (12)
- May 2012 (13)
- April 2012 (13)
- March 2012 (10)
- February 2012 (15)
- January 2012 (9)
- December 2011 (12)
- November 2011 (11)
- October 2011 (13)
- September 2011 (10)
- August 2011 (9)
- July 2011 (11)
- June 2011 (28)
- May 2011 (10)
- April 2011 (10)
- March 2011 (11)
- February 2011 (9)
- January 2011 (8)
- December 2010 (11)
- November 2010 (10)
- October 2010 (18)
- September 2010 (13)
- August 2010 (8)
- July 2010 (13)
- June 2010 (12)
- May 2010 (11)
- April 2010 (11)
- March 2010 (12)
- February 2010 (17)
- January 2010 (11)
- December 2009 (15)
- November 2009 (14)
- October 2009 (16)
- September 2009 (13)
- August 2009 (10)
- July 2009 (18)
- June 2009 (15)
- May 2009 (16)
- April 2009 (16)
- March 2009 (15)
- February 2009 (15)
- January 2009 (14)
- December 2008 (16)
- November 2008 (9)
- October 2008 (15)
- September 2008 (13)
- August 2008 (11)
- July 2008 (13)
- June 2008 (18)
- May 2008 (11)
- April 2008 (14)
- March 2008 (17)
- February 2008 (12)
- January 2008 (12)
- December 2007 (20)
- November 2007 (10)
- October 2007 (14)
- September 2007 (15)
- August 2007 (13)
- July 2007 (20)
- June 2007 (15)
- May 2007 (17)
- April 2007 (18)
- March 2007 (19)
- February 2007 (18)
- January 2007 (16)
- December 2006 (16)
- November 2006 (22)
- October 2006 (23)
- September 2006 (21)
- August 2006 (25)
- July 2006 (22)
- June 2006 (25)
- May 2006 (23)
- April 2006 (20)
- March 2006 (22)
- February 2006 (19)
- January 2006 (15)
- December 2005 (15)
- November 2005 (14)
- October 2005 (18)
- September 2005 (11)
- August 2005 (10)
- July 2005 (10)
- June 2005 (11)
- May 2005 (13)
- April 2005 (9)
- March 2005 (2)
- January 2005 (2)
- December 2004 (2)
- November 2004 (2)
- October 2004 (1)
- September 2004 (1)
- August 2004 (3)
- July 2004 (1)
- June 2004 (1)
- May 2004 (2)