ラフォルジュルネ2011
2011.05.04 Wednesday
昨日の日記にも書いたとおり、3日は1日ラ・フォル・ジュルネ金沢2011三昧でした。
金沢でのラ・フォルジュルネも今回で早4回目。今年のテーマはシューベルト。と言っても恐らく一般には馴染みが薄いのでは?
昭和の時代に小学校生活を送った人なら、音楽室の壁にずらーっと並んでいた作曲家の肖像のうち、モーツァルトやバッハみたいに変な鬘も被っておらず、ベートーヴェンのようにぼさぼさの髪でもなく、どちらかというと髪はやや小綺麗であの中では唯一メガネをかけていた優しそうな顔の人、と言えばわかるでしょうか?ってそんな説明じゃ余計わからんだろっていう感じですが
「野ばら」や「魔王」「菩提樹」などのどちらかというと歌曲で有名かも。
昨年はショパンだったので別にいいやーとぶっちしたので(プレ開催のお昼時の無料ランチコンサートは確か元職場で見たから、全くの不参加ではないかな)、音楽祭そのものは2年ぶり。
今年のGWは大きな予定もなく、音楽祭を堪能しようといつになく1日3公演もチケットを買い込み意気込んで出かけて行きました。
友人との待ち合わせに駅から音楽堂へ向かうと、そこかしこから色んな演奏の音が聞こえてきます。
音楽堂前のスペースに例年どおり椅子とテーブルが並べられ、小さなステージが設置されていました。ここも確か一応会場名がついていたのですが忘れました(^^ゞで、今日のステージと書かれた立て札を見ると、10:30〜某高校合唱部とありました。
とりあえず、音楽堂の中に入り、壁に貼られた公演内容と当日券の有無を見ると午後と夕方からの音楽堂ホールの公演がどちらもベートーヴェン+OEKで当日券あり、だったので時間調整も兼ねてもう1公演見ようかな、というわけで夕方からのヴァイオリン協奏曲のチケットも購入。
友人と合流しほんのさわりだけ母校の合唱部の演奏を卒業以来?くらいに聴きましたが、相変わらず綺麗な歌声でした。意外と男子部員もちゃんといて、イマドキは吹奏楽でも合唱でも女子が主流なのかな、と勝手に思っていたので未だに混声を維持していることにちょっぴり感心。
さて、本日最初の公演は、今年のプログラムの中でも1,2を争う人気公演(だったらしい)即完売のプログラム。
庄司紗矢香、タチアナ・ヴァシリエヴァ、ミシェル・ダルベルトによる
ピアノ三重奏曲第二番 変ホ長調
今回の震災の影響でピアニストが変更になったそうですが、結果的にこのピアニストが素晴らしかった!不勉強で知りませんでしたが、このダルベルトさん、かつてNHKの「スーパーピアノレッスン」に出演していて日本ではお馴染みの方だそうで。そういう経緯もあって、今回のような状況でも快く来日してくれたのかな、と思いました。
この曲自体初めて聴きましたが、これ4楽章編成なんですね。そこがまず新鮮でした。
今回は3人とも黒のタキシードに女性2人は黒のドレスと黒のパンツスーツ。黒い衣装の紗矢香さん、髪を後ろにアップしてかなり大人っぽくなっていました。これまではヴァイオリンコンチェルトを弾く彼女ばかり見ていたので、脇役に徹した演奏がかなり新鮮、かつ荒削りな部分がなくなり、見事なテクニックは相変わらずながら、艶のある綺麗な音色を聴かせてくれました。終盤では彼女らしい、迫力溢れる演奏も聴けたし。3人全員がフォルテでぶつかり合う時のアンサンブルが迫力満点、とても綺麗でした。
ついついピアノとヴァイオリンばかり耳が追ってしまいがちでしたが、チェロが地味にものすごく上手かったです。
終演がお昼だったので、一旦近江町まで歩きランチ。連休中だけあって、お魚系のお店はどこも行列が出来ていました。まったりランチを楽しんだ後は友人と別れ、再び音楽堂へ。駅周辺は観光客やら音楽祭に来た人達でごった返しています。地下広場では毎年恒例、入れ替わり色んな団体が演奏や余興を繰り広げられています。丁度私が通った時は男性が「さっちゃんはね、さちこって言うんだホントはね」という懐かしい歌を歌ってました。
少し時間があったのでフォーラスにふらっと寄ってみましたが、ここもバーゲン時ほどではないものの、人でいっぱい。
そんなこんなで丁度いい時間になったので再び音楽堂邦楽ホールへ。
2公演目は密かに楽しみにしていた
オリヴィエ・シャルリエ(VL)とアンドレイ・コロベイニコフ(P)のロシアン2人による
幻想曲ハ長調
さすらい人幻想曲ハ長調
何の根拠もなく、これ絶対いいだろうなーと思って取ったチケットでしたが大当たりでした。
バイオリニストの方は名前から勝手に女性を想像していたら、髪を後ろにちょこんとお団子風にくくった男性だったのでびっくり!
でも、この方演奏がとてつもなく上手かった。何しろ音色がありえないくらい美しく、太い音から繊細な音まで素晴らしかったです。あまりの心地よさに途中からいい感じに子守唄となり、ひと眠りしたおかげで疲れもすっきり出来ました(^^ゞ
で、2曲目のさすらい人幻想曲。この曲大好きなので、この生演奏を聴くのを楽しみにしていたのですが、これが生で聴けてよかったよーというくらい素晴らしかったです。ちょっとショパンのポロネーズを彷彿とさせるこの曲は単一楽章からなる、華麗さと抒情的な繊細さを併せ持つ名曲ですが、それを余すところなく表現しつくした演奏はお見事としか言いようがなく。出だしの迫力溢れ過ぎな演奏から圧倒されまくりでした。コロベイニコフ氏は1986年生まれの20代半ばだそうですが、この若さでこれって恐ろしい。
終盤はやや細かい部分ははしょって力技で持っていきました!的な部分もちょろっとありましたが、それすらも楽しく思える演奏で。
どうしよう!ありえないくらいいいもの聴いちゃったよ、と大感激でした。
基本的にこの音楽祭ではアンコールはないのですが、この後1曲小品をさらっと聴かせてくれてそれもものすごーく得した気分でした。
終演後、彼のCDを買って帰ろうと物販コーナーに行ったところ、丁度即席サイン会やってますー残り僅か、という声にしっかり釣られ、買ったばかりのCDにサインしてもらいました(わはは)。ちゃんと名前入りですよ。ロシアンだからありがとうはロシア語で言わなきゃ、と張り切って並んでいたはずが、緊張してサンキューしか言えませんでした(とほほ)。
次の公演まで少し間があったので、またまた武蔵界隈までてくてく歩き。ついでだからと彦三緑地をぶらり。つつじはまだ5分咲きくらいでしたが、鶯がそれはそれは美しい声で鳴いていて、街の喧騒を離れた静けさの中に響き渡る歌声に癒されまくりでした。
三度戻った音楽堂で本日の3公演目。ここからはホールのふかふか椅子で快適です(笑)。
OEK+オリヴィエ・シャルリエで
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
当日券だったにも関わらず、席は3F正面前方のソリストが良く見える場所で大ラッキーでした。
先ほどの睡眠学習でシャルリエ氏の腕は折り紙つきなので、それはそれは期待していたのですが、本当に今回これが聴けただけでもう充分おつりが来ましたありがとうございます!というくらい良かったです。
超絶技巧に裏打ちされた見事なテクニックと情感たっぷりな演奏で、1音すら聴き逃してなるものか、という勢いで聴き入ってしまいました。恐ろしいまでに美しい音色なんだけど、ものすごく艶っぽくもあり、凄い音を出す人がいるもんだ、と。演奏が進むにつれて聴衆がどんどん惹き込まれて行くのがわかり、それも気持ち良かったです。
ここ3Fだよね?と確認したくなるくらい、音の響きと伸びが凄くてあんな繊細な音なのに、すぐ目の前で聴いているかのようなクリアさで聴き手に響いてくるのには驚きを通り越して、何だか笑いたくなってしまったくらいでした。
超絶楽しみにしていた1,3楽章のカデンツァはどちらも甲乙つけがたく、どちらも期待以上の音を聴かせてくれて大満足です。
心配していたOEKも、序盤はソリストのテンポに乗り遅れる部分もありましたが、曲が進むにつれてどんどん良くなっていきました。
たびたび見られるホルン等管との掛け合いの部分は、頼むから絶対に外さないでね!と祈りにも近い気持ちでハラハラしていたので、終始ハラハラ、ワクワクしっぱなしでものすごくエネルギーを消費しましたが(苦笑)、こんなに楽しくて仕方がなかった演奏っていつ以来?というくらい素晴らしい演奏をありがとう!
終演後、ホールから外へ向かう人達が口々に「鳥肌立った」「良かった」
「凄かった」と興奮して話すのを聴きながらでしょでしょ!とわがことのように嬉しかったです。ロビーに出ると今度はシャルリエさんの即席サイン会の触れ込みをしていましたが、流石にCD2枚は買えず。あれだけの演奏を聴かせてもらっただけで満足満足と言い聞かせて駅に向かいました。
駅のコンコースでは東大のオケが演奏中。迫力ある演奏に思わず立ち止まってしまいました。場所上、音響がいいということを差し引いても良い演奏でした。
ブラームスのハンガリー舞曲5番とエルガーの威風堂々を途中まで聴きましたが、どちらも力強さに溢れた演奏が楽しく、若いっていいなーとほのぼのしてしまいました。最終公演に備え再び音楽堂に戻ったので最後まで聴けなかったのが残念です。
最終公演は家族と合流だったのですが、家族の方は威風堂々とアンコールのラデッキー行進曲も聴いたそうで、中々良かった+オーボエに色白でものすごい美女がいた、と喜んでました。離れたところで音だけ聴いて楽しんでいたので見逃したことが悔やまれます(こらこら)。
本日の最終公演はウォンジュ・フィルハーモニー管弦楽団による
交響曲9番ハ長調「ザ・グレート」
さすがに朝からずっと出っぱなしの4公演目になると聴く方もくたくた。
先ほどのバイオリンコンチェルトで全エネルギーを使い果たした感もあり、今回は2F前方ど真ん中の超良席でゆったりと鑑賞しました。
初めて聴いた「ザ・グレート」家族のお薦めもあり、本公演を聴くことにしたのですが、なかなか楽しい素敵な楽曲でした。
肝心の演奏の方は、これから発展途上なオケって感じかな。人数の割にパワー不足で綺麗に纏まっているんだけど、音がちっとも客席に飛んで来ないのが勿体ない気がしました。でも、特にハラハラしたりイライラさせられるような演奏ではないし、上手いアマチュアと思って聴けばそんなもんかな。
これからが楽しみなオケ、という印象です。
演奏云々より、東京などでは多くの演奏家が来日をキャンセルする中、原発の風評が芳しくない隣国からこの音楽祭のために来沢してくれたことに感謝感謝です。
そんなわけでいつになく堪能しつくした今回の熱狂の日。疲れたけど楽しかった〜〜。来年もまた開催されますように。次回はバッハかブラームスあたりを特集してくれると楽しみ倍増だけど、どうなるのかな?
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