中村紘子withOEK
2009.10.22 Thursday
OEKのマイスター・シリーズ第269回定期公演に行ってきました。
今回のゲストはピアニストの中村紘子さん。
中村紘子って子供の頃からテレビで見ていた人ですが、生で聴いたことは一度もなくこの機会にせっかくだから、と行ってきました。
なんと今年でデビュー50周年(!)だそうで。そりゃ、物心ついた頃からテレビで見てるわけですね。
本日のプログラムは、
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ「月光」
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ「熱情」
休憩を挟んで
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ベートーヴェン大好きですが、それでもなんかすごく疲れそう(苦笑)と思ってしまう豪華な重いラインナップ。
これを全部1人で弾ききってしまう体力・精神力の凄さってすさまじい、と思うのですが、それはOEKの楽団員も同じなようで。プレ・トークで「今夜は中村紘子オンステージです」と言っていたとおりの演奏会でした。
1部のピアノ・ソナタは、あまりに個性的すぎて。世界的に有名なピアニストは大抵、ベートヴェンじゃなくてXXのベートーヴェンみたいな演奏ですが、本当に強烈すぎて。迫力満点なのはわかったから、もう少しせっかくの旋律を綺麗に聴かせてほしいなーと思ってしまいました。
左手が強力すぎて、美しいメロディーが消されちゃってしまった部分が多々あったのが残念です。それと、どちらのソナタも2楽章がとっても斬新というか個性的で。あぁいう演奏もアリかな、とも思いますが仕事帰りの疲れた身にはちと辛かったです(^^ゞ
選曲もあの2曲だと聞いてる方もかなり苦しくて。2部が明るく派手なので1部は重々しくという狙いだったのだと思いますが、片方はもう少し軽い感じのソナタにしてほしかったです。
正直、なんかこのまま1部で帰ってもいいかなーくらいの思いだったのですが、せっかくわざわざチケット買って来たのだし、ここで帰ったらきっと後悔する、と思って臨んだ「皇帝」。
こちらは、1部とは打って変わってよかったです。あれだけ音量があるとオケにも全く埋もれることもなく。気持ちよく聞くことができました。タッチもソナタの時と違い随分軽くなった感じで。
オケの方は、ベートーヴェンなら安心との予想を裏切らず。いい感じに華やかで。2楽章の冒頭の弦だけの部分なんか、温かくほっこりした音色でとてもよかったです。贅沢を言えば、ファゴットのリード旋律部分がもう少し丸みのある音色だともっとよかったのに、と思いました。
紘子さんの衣装は1部からずっとラメ入りの明るい鶯色のドレス。髪型といい全体の印象といい、なんか子供の頃に見ていたイメージとずっと変わらないなぁと。年齢は軽く60を超えていると思うのですが、遠目にはとてもそうは見えず。あまりの変わらなさっぷりにこの人ってクラシック界の森光子かも、と思ってしまいました(^^ゞ
弾き終えて拍手を浴びる際、指揮者の手を引っ張ってぶんぶんする姿が何だかお茶目で。カーテンコールで指揮者とOEK関係者(?)が真っ赤な薔薇の花束を持って登場すると、その中から1輪ずつ取り出し、渡してくれた相手に上げ返したりと、その辺のパフォーマンスの上手さはさすがでした。
で、アンコールはOEKと軽い小品でもやるのかなーと思ったら、オケのメンバーはわらわらと退場していき、指揮者のみが1人残り椅子に腰かけて鑑賞モードに入ったところで紘子氏は再びピアノの前に。
ショパン ノクターン「遺作」
えー、今回の演奏会はメインがオマケでこっちがメインだったんだーと思ったくらい、これが素晴らしかったです。
最初の1音からなんていうか、それまでと響きもタッチも全然違っていて。
こんなに柔らかな音色も出せるんだーと(すみません)感激しきりでした。ラストのD♭の何とも言えない余韻が素敵すぎて。今夜ここに来てよかった〜とすごく思いました。
うっとり聴きながら、変曲アランフェスもいいけれど、こっちで滑るプルさんも好きだったのになぁと不届きなことを思ったのはナイショです(笑)。
アンコールに応えて再び登場しての2曲目
ショパン 「子犬のワルツ」
これも、かなり紘子ワールド全開な個性的な演奏でしたが、こっちは純粋に楽しかったです。もう50年も世界で活躍されているので当たり前ですが、60を超えてあれだけ手が動くって素晴らしい!
「遺作」も素晴らしかったですが、本日の個人的ベストはこの曲でした。ほんっと子犬のワルツを堪能しましたって感じで。もっと聴きたい〜と思ってしまいました。
この頃になると、もう1曲やってくれるんじゃ……という期待が客席にもすっかり浸透し「アンコール」ってかけ声をあげている方もちらほらおられました。
期待を裏切らず。三度登場して演奏されたのは。なんと。
ショパン 「幻想即興曲」
はっきり言って驚きました。最後の最後、とっても疲れていると思われるココでこれかい!と。なんかこの曲の生演奏ってずいぶん久しぶりでしたが、これも楽しかったというか、ひたすら凄すぎる〜と驚きしかなかったです。
ショパンづくしなアンコールを聴きながら、1部はベートーヴェンじゃなくてメンデルスゾーンの無言歌集とかあのあたりを聞いてみたかったな、と痛切に思いました。
最後は、もうおしまいよーと言いたげに笑顔で両手をぶらぶら。最後の最後までエンターテナーぶりを発揮された演奏会でした。
終わりよければすべてよし、と言うように終演後はとても幸せな気持ちで家路につきました。素敵な夜をありがとうございます!
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