サクラダリセット後編
2017.05.21 Sunday
貴重な日曜日、朝イチで「サクラダリセット後編」を見てきました。
公開は先週の金曜日。通常であればそんなに焦ることはないのですが、この映画は前編が春に公開されていて、その時はけっこう大々的に宣伝もされていてそれなりに鳴り物入り(?)的な扱いだったようですが、前編の客入りが思わしくなく。後編が公開された時には、首都圏でも上映されている館数が激減、上映自体も1日に2回のみ。
そんな状態なら、地方では上映すらないんじゃ……と心配したのですが、一応市内で2ヶ所のみ、回数はこちらも2回ですが上映されていてほっとしたのですが。先週は都合で行くことが難しく。成績によっては1週間で打ち切りになるかも、と心配で金曜夜に行こうかと思った矢先に今週も上映していることがわかり、ほっと胸をなでおろしました。
もしかしたら誰もいなくて完全貸し切り状態かも、と思いましたが広い場内に観客は6人(^^ゞ 昔、「キューティーハニー」で3人を経験して以来のガラ空きっぷりでしたが、その分席は自由席で好きなところに座れるし、思いっきり見やすい位置で浦地室長を堪能できました。
普段だと上映中の作品はネタバレを考慮して折りたたみますが、これに限っては行く人自体が少ないから問題なしとみて、このままいきます(酷い?)
原作は少年少女向けの小説だそうで。これも未読、前編も未見でついていけるかな、と不安もありましたが細かい部分はきちんと理解していないかもしれないけれど、特に不都合はありませんでした。
後編の簡単なストーリーは公式サイトより。
能力者が集う街・咲良田。浅井ケイ(野村周平)は、圧倒的な「記憶保持」能力を持つ高校生。彼と行動を共にする春埼美空(黒島結菜)は、「リセット」―世界を最大3日分巻き戻すことができる。 そんな2人の取り戻せない過去-それは、2年前に「リセット」の影響を受けて死んだ同級生・相麻 菫(平 祐奈)のこと。
ケイは、街中の様々な能力を組み合わせ、相麻の再生に成功する。だが、相麻菫の再生こそが、すべての始まりだった。
今まで平穏だった咲良田市のいたるところで〝能力の暴発事件〟が発生。咲良田の能力者たちを制御・監視する公的機関・管理局の対策室室長 浦地正宗(及川光博)の〝一掃計画〟によって、街から能力がすべて消滅してしまう。
「私は貴方を、覚えていません」リセットを失くした春埼美空―
咲良田に能力があった記憶を持つ者は、世界中で浅井ケイただ一人となってしまった。
みずからの過去に区切りをつけるため、ケイは初めて咲良田を出る。
2年前に相麻がなぜ世界から消えなければならなかったのか?咲良田がどのようにして能力者の街になったのか?すべての謎を解き明かすケイを待っていたのは、能力の再生を賭けた浦地との対決だった。
市川のワンマンで後編の見どころは自分、登場人物それぞれがどんな能力を持っているかに着目して見るとより楽しめるよ、とのことだったのですが。
冒頭でだだだっとケイと仲間たちの能力を紹介され、最初は覚えようと思ったけれど、何しろ全員知らない人なのと紹介のスピードが速すぎて、とても覚えられそうになかったので、とりあえずケイと美空以外は諦めてあとは見ていればわかるだろう、と。
実際、瞳の能力は劇中で嫌と言うほど語られるし、それ以外のチョイ役の人達はそこまで詳しく知らなくても支障がなかったです。
先に見られたべいべーさん達が、見どころ満載と喜んでいたので楽しみにしていましたが、すぐ登場してクライマックスまでホントに見どころ満載で楽しかったです。
ラスボス、というのでてっきりものすごくアクのある悪役を想像していたら、とってもチャーミングでコミカルな少し狂気じみているけれど、すごく冷静で現実的な面を持ち合わせた人物でした。
個人的には悪役じゃなく、むしろ浦地室長の方が言ってることに共感できるし、彼が創ろうとした世界の方がよほどいい気がしました(苦笑)。
序盤のきな粉まみれのシーン、かなり長くてあの顔のまましゃべるのはもちろん、動き回るのが可笑しくて。意外と似合っていて、これが出来るなら白塗りの公家とか余裕でOKだなーと。
文化祭の校内を歩きながらいいね、とテンション高く喜んでいるシーン、もちろん演技なんだけど、ご本人も無類の学際好きなのもあって、それ半分以上地じゃないの? と笑ってしまいました。
大笑いしたり、たまに奇声をあげることもあったりと文字通り怪演でしたが、顔をくしゃくしゃにして笑った次の瞬間、ほんの一瞬だけ見せるとても冷徹な目がよかったです。
何故、浦地はサクラダを街ごとリセットしたいのか、というのがだんだん明らかになっていき、最初は??? だった浦地と部下の加賀谷の関係が明らかになった時、全力で浦地の応援をしたくなりました(苦笑)。
途中までは007の悪役ボスと出来る部下みたいな関係だとばかり思っていましたから。加賀谷さんガタイもいいし、あの手帳のやりとりといい、室長とのバランスがモロそんな感じでしたもん。
ずっと索引さんや加賀谷が浦地を裏切ってレイの側につくのでは? と思っていたので、加賀谷さんはともかく索引さんが最後まで浦地の部下であったのが意外な気もしたけれど、瞳に言った他に方法が自分では見つけられない、だけでない、彼の内側にある何かを索引さんも感じとっていたのかも。
浦地の正体が明らかになる、システムの中枢(?)へと続く通路でのシーン。誰かの説明台詞で明かされるのではなく、なぜ室長はずっと立っているんだろう、と印象的な後ろ姿をしばらく見せておいての、あの台詞で明らかになるのが上手いっと思ったし、あの台詞の口調がよかったです。
しかし、後編の主役はレイじゃなくて室長だなぁと。彼の存在がなければサクラダの街自体がなく、あったとしても全く違う世界になっていたことを見てもそう思います。
完全な私見ですが、クライマックスで浦地が折れたのは、加賀谷さんのためにそうしたんだなぁと。きっと彼があそこまで能力の無力化に拘った理由自体がそうだった気がします。レイが持ち出した哲学的例題で、後から板に捕まろうとした人を追い払ったのは正しい、と言い切ったのも、そこでそれは間違っている、と言ってしまうと加賀谷を否定することにつながるから、という思いがあった気がします。
もちろん彼自身の強さもあるだろうけれど。強くあらねばと思っていた根底には、加賀谷に君のしたことは間違いではないし、恨んでいないよというサインを送り続けていたんだろうなーと。
加賀谷さんもそれはわかっていたんだろうけれど、自責の念はどうしてもぬぐえず、それを見抜いた上でのレイの作戦だったと思ってます。
加賀谷さん役の人、全然知らない方でしたが良かったです。
あと、一旦リセットされてしまった世界でレイが母に会いに行くシーン、八木さんのあの独特な色んなことを柔らかく受け止めて諭してくれるような感じにうるっときました。八木さん、未だにアナウンサー時代の印象の方が強くてついつい、八木アナと思ってしまうけれど(^-^;、あぁいう役が本当に嵌りますね。
レイが言ったことは理想ではあるけれど、ひどく独善的なワガママだと思います。そもそも3日間限定とはいえ、都合が悪いこと望まない事態になった時に巻き戻してやり直す、ということ自体が間違ってます。
美空の泣いている人がいたらリセット能力を使う、という台詞が私にはどうしても受け付けられず。
不都合なことや哀しいことをなかったことにする、なんてありえない。
その最も醜悪なものを連日見せつけているのが今の国の偉い(中身はまったく偉くないけど)人達の惨状ですよ。
人は後悔したり、色んな悲しみを抱えて生きていくものです。後悔しても次に活かすことが出来ないことの方が多かったりもするけれど、それでも人は生きていくんです。泣いている人に対して他人がしてあげられることは、なかったことにするのではなく、その人に寄り添うことです。
何だかやけに力説してしまいましたが、浦地室長との決着が終ってから、ラストまでのくだりを見ながらものすごく悶々と違うでしょ、と思ってしまったので(^^ゞ
最後、美空がレイにリセットで貴方との思い出を失ってしまった分、貴方の記憶をコピーしてください、と言ってレイがOKしたシーン、心の中でふざけるなっ!と絶叫でしたもん。
結局のところあれだけ綺麗ごとを並べておいて、自分の自分達のことしか考えてないじゃない、と。
ラノベのファンタジー小説にここまで熱くなる必要はまったくないんだけれどね(^^ゞ
これはやっぱり10代、20代くらいまでなら素直に楽しめるんだろうけれど、人生の折り返し地点を過ぎたおばさんは共感できませんでした。
と、ストーリー自体には言いたいことがいっぱいある結末だったけれど、浦地室長楽しかったし、本当に見どころいっぱいだったので満足です。
エンドロール、最初の方はさーーっとどんどん流れていくのが、最後トメで及川光博って名前が出る頃は何故かものすごくゆっくり画面がスクロールしていくため、かなり長い間ずーーっと黒字に名前が白く出ていて、そこもラスボス感たっぷりでおぉぉーでした(笑)。
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