平将門の史跡を訪ねるその1
2008.09.13 Saturday
今日から3連休。今月は会社カレンダーの関係で2週続けて3連休な上にそろそろ過ごしやすくなってきたのもあって、この機会に以前から行きたかった平将門の史跡を訪ねる旅に行って来ました。
平将門は10世紀、平安時代中期に活躍した日本最古の武士。当時の中央政権に刃向かった朝敵として明治以降第二次大戦終戦まで長く逆賊として不遇な扱いを受けた人物です。
歴史は好きだけれど圧倒的に日本史よりは世界史の方に興味がある私が、突然将門の史跡を訪ねてみようと思ったのは……。ずばり、春から夏にかけてこのブログでも取り上げた昔の大河ドラマ『風と雲と虹と』の影響です。
CSでの再放送の際、毎回将門ゆかりの場所を紹介する映像を見ているうち、行ってみたいなぁという思いがどんどん強くなってしまい、この熱が醒めないうちに行ってしまえ!というわけで決行となりました(^^ゞ
とは言っても平将門が活躍したのは関東一円。いまで言う茨城県から千葉県一帯とかなり広く。土地勘も何もない、車を使わず公共交通機関と徒歩を駆使してとなると、行動範囲も限られてきます。紹介されていた場所の中から行きたいところを厳選し、特に史跡が集中している岩井市を中心に行って来ました。
茨城県に行くのはもちろん初めて。こちらからだとまず東京に出て秋葉原からつくばエクスプレスに乗って守谷まで行き、そこから先は関東鉄道に乗り換えです。つくばエクスプレス、初めて乗りましたが速くて綺麗で快適でした。
守谷から関東鉄道下館行に乗り換え、石下駅で下車です。
関東鉄道、車両が1コしかなくてびっくりでした。のんびり電車に揺られながら車窓を眺めると、のどかな風景がずーっと続いています。
水田よりは畑が多く、主に野菜畑が沢山でした。
そんなこんなで秋葉原を出て1時間ほどで石下駅に到着。
石下駅、予想以上に寂しいもとい小さな駅です。駅を出てまっすぐ道なりに行き大き目の通りに出たところで左手に行くと、石下橋を渡ってすぐ、右手に精米所、左手に石切り場があります。石切り場のところを左折し、道なりに行くと最初の目的地・将門公苑に到着です。
実は、最初この曲がるポイントがわからず橋を渡ってからどんどんまっすぐ行ってしまい、なかなか着かないなぁと思ったところに通りかかった自転車のおじさんに教えてもらいました。おじさんも「すごくわかりにくい」と言われたとおり、看板も表示も何もないので、この先行こうと思う方は精米所を目印にしてください。
そんなわけでちょっぴり苦労して(?)辿り着いた将門公苑。
本当に小さくて住宅街の中にひっそりとありました。
テレビで見たとおりの石碑がどーんと立ってます。
石碑の中央は略系図になっています。史実でわかってますが、貞盛の子孫は豪華というか何と言うか……。
こちらは裏側。「風と雲と虹と」の文字がしっかりあるとおり、放映を機に作られたようです。
ここには載せていませんが、この石碑の周りをご近所の飼い猫らしき、可愛いネコちゃんが日向ぼっこをしてました。
公苑の中央には将門様のレリーフが置かれています。
将門公苑を後にし、来た道をまた駅へと戻ります。連休初日の土曜だというのに駅前のお店はどこもシャッターが降りていて閑散としていました。
石下から今度は取手方面行きに乗り、水海道で下車です。
水海道からは関東鉄道バスに乗り換え、岩井バスターミナル行に乗ります。
その前にお昼も過ぎていたので、ご飯にしようと思ったのですが、ここも石下同様駅前にお店がなく。あってもやはり閉まっており、唯一駅前のローソンだけが営業していました。この時点で既にお腹がぺこぺこだったため、ようやく手に入れたローソンのおにぎりがこの上なく美味しく感じられました。
お腹を満たした後は1時間に1本しかない、貴重なバスに揺られ岩井方面へ。バスもかなりレトロなバスで開け放たれた窓から吹き込む風が心地よかったです。
バスに揺られること約30分。岩井の市街に入ると少し開けた感じのところに来たな〜とちょっぴりほっとした気分に。そんなこんなで目的の岩井警察前に到着です。
この付近一帯には将門様の史跡が数多く点在しています。
手持ちの地図と警察署の窓に貼られていた地図をたよりにまずは目印の国王神社を目指して出発です。
結城坂東線を10分ほど歩いたところで国王神社の表示が見えてきます。
言うまでもなく茨城は車社会なので、私たちの他に休日の昼下がりにてくてく歩いているような人は見当たらず。しかも幹線道路のせいかこの道はやたら大型トラックや工事関係の車がびゅんびゅん走るので、ちょっぴり怖かったです(^^ゞ
奥から回って来た方がルートとしてはいいだろう、というわけで国王神社の交差点を渡り、まっすぐ徒歩で5分ほど歩くと延命寺に到着です。
この辺りは石下と違い、ずっと各史跡への案内表示があって非常にわかりやすかったです。
将門の館(営所)の鬼門(北東)に、鬼門封じとして建てられたという延命寺。何とも趣のある佇まいです。
こちらは延命寺の中にある池(?)にかかっている石橋です。
この古めかしい橋は”石製太鼓橋”といって岩井市の指定文化財になっているそうです。
この橋がかかっている池はかなりどんよりしているのですが、ちゃんとミズスマシがすいすい泳いでいたり、鯉がのーんびり尾ひれを揺らしていたり、他にも色んな水中生物が生息していました。
延命寺を出て、来た道を数メートル戻った曲がり角を左折して真っ直ぐ行くとのっぱらの中にぽつんとあるのが石井の井戸です。
豊田の館を失い、再起を図る将門が新たな館を建てる場所を探していた折、不意に喉の渇きを覚えたその時、「水」という声に振り返ると老翁が一人立ち、傍らの石に杖を打ち下ろした。
すると、杖を打ち下ろしたところから水が湧き出し、将門が喜んで飲んだところ、今まで飲んだことのないような妙味だった。水を飲み終わり、満足した将門が顔をあげると、すでに老翁の姿はなかった。
という伝説の地とされています。
石の井戸ということからこの地は石井と書いて”いわい”と呼ばれていました。劇中、「いわい」と皆が言うのに、たまに出てくる表示が「石井の館」となっていて石井なのにいわいなんだーと不思議に思っていた謎がここで解けました。
石井の井戸のすぐ近くにはその老翁を祭った「一言神社」もあります。
本当にひっそりと静かな佇まいでうっかりしていたら見落としてしまうような小さな神社です。
神社近くの道端に咲いていた秋の草花がとても綺麗でした。
石井の井戸から更に道なりに進んでいくと大きな民家があり、その前を通り過ぎた行き止まりにあるのが九重の桜です。
京都御所の桜を株分けしたという九重の桜。残念ながら桜の時期ではないので木には葉が生い茂ってましたが、その代わりに百日紅が鮮やかな桃色の花を咲かせていました。
機会があれば桜の季節に訪れてみたいです。
またまた来た道を戻り、国王神社前からの道に出て「島広山」の表示に従って行くと路地の中にぽつんとあるのが”石井営所跡”です。
私たちのように今春の再放送で訪れる人が増えたのか、辿り着くまでの道すがらあちこちに「島広山」の表示が出ていました。
でも、史跡には人っ子1人なく。すぐ近くの民家で野焼きしている匂いがぷーんと漂うのみ。この辺は野焼きが一般的なのか、あちこちで野焼きをしている方を見かけました。
史跡を訪ねる旅、1日目ラストは将門様戦没の地と言われる国王神社です。
鬱蒼とした樹木に覆われ、けっこう暑い日でしたがここだけはとても涼しい空気に包まれていました。
入口に樹齢何百年か?というような巨木が聳え立っています。一方で神社のすぐ後ろに民家もあって、いろんな意味で時代の流れを感じさせられます。
ここに限らず、将門様関連の史跡は石碑の文字が赤く彫られているのが目を惹きました。将門カラーの赤にちなんだのかなぁ、なんて勝手なことを思ったのですが真相はいかに?
奥の社殿に右手には神社秘蔵の「寄木造平将門木像」のモノクロ写真が飾られています。また、賽銭箱の横に記帳があるのですが、数は少なくとも毎日誰かしらが訪れていることに驚かされました。さすがに関東近郊の記帳が多く、ここで”金沢”って書いたら目立つだろうなーと思いつつ、恥かしいのでお参りだけして帰りました。
静かでとても落ち着くいいところでしたが、時節柄蚊が多く。お参りをしているほんの数十秒の間にあちこち刺されてしまいました
これでこの日の史跡めぐりは終了。再び徒歩でバス乗り場まで戻ります。今度は2つ手前の岩井(郵便)局前から急行守谷駅行に乗って守谷へ。
田舎のバスって途中から料金がぼんぼん上がるので、これも急行だしすごい料金になったらどうしよう、、と途中からびくびくしていたのですが(^^ゞ結局片道700円でした。
途中、巨大なはりぼての七福神があったり、常総市街を通った時には思わず常総学院ってこの辺なのかなーと探してみたりと快適さ以上になかなか楽しいバスの旅でした。
初めて訪れた茨城県、行けども行けどものどかな景色が続くところでいいところでした。特に石井の井戸から九重の桜がある一帯は、日本にもこんなところがまだあったんだー、と思ってしまったくらい目の前に広がる田園風景ののどかさに目を奪われました。
帰り道再びつくばエクスプレスに揺られながら、以前広沢コーチが暴露していた井川のエピソードもあぁいうところならさもありなん、としみじみ思い返してしまいました。
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